朝 ラノベみたいな

 僕は、ごく普通の高校生男子。ある日車に出会いがしらにずっど~ん!起きたら、何故か患者服のまま知らない学校の前に立ってた。
「やばいよ」
体中から汗がでる。今まで、知らず知らずの内に病院から脱走する人など、いただろうか。いやいない!そんなのドラマかアニメかの世界だろ!
 焦る僕の前を学生が通り始めた。もう通学の時間らしい。だが、そんなこと考えてる場合ではない。皆僕のことなんか見ない。流石に誰か声をかけてほしい。心細すぎて、頭の中がグチャグチャだ!誰か、助けてくれ!
 何時間たったんだろう。いまだ、生徒に一人も声をかけてもらえない。もう僕は不審者認定されてるだろう。
「おはようございます。」
まさにその時、救いの声がかけられた。その声の主は、目尻の下がった優しそうなおじさんだった。
「お散歩ですか?でも、その服…初めてですかね。」
と、彼は頭を抱え、うつむいてしまった。悩んでいても彼は光り輝いて見える。ス−ツもしわ1つない。オシャレなネクタイだ。香水なのか花の匂いが強い。
「私には、人間には普通あるものがありません。それは、君にもありません。…自分の状況、わかりますかね。」
いきなりのなぞなぞ。だが、彼を見て、もしかしてと思う。僕は
「ぼくは幽霊なんですか?」

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