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何度も聴きたいロック名盤をご紹介 ⑨

アーティスト:プリンス
名盤:サイン オブ ザ タイムス

1987年発表の名盤です。レコードでは2枚組です。
プリンスはアメリカのミュージシャン、マルチ・インストゥルメンタリスト、シンガーソングライター、作曲家、音楽プロデューサー、俳優、映画監督です。
ファンク、ブルース、ゴスペル、ハード・ロック、サイケデリック・ロック、ダンス・ミュージック、ソウル、ジャズ、ポップ、ロックなどの音楽性を持ち、ミネアポリス・サウンドの中心的存在でした。
これまでに12作品のプラチナアルバムと30曲のトップ40シングルを生み出し、アルバム・シングルの総売り上げは1億5000万枚以上になり、
後進のアーティストに大きな影響を与えた存在でした。
プリンスは多作で知られており、生涯で39枚のアルバムをリリースし、未発表のプロジェクトも数多くあったのですが、
2016年4月に鎮痛剤の過剰摂取による事故で惜しまれながら急逝しました。享年57という若さでした。
「才能の塊」という表現がぴったり当てはまるアーティストで、人によってベストアルバムは違うと思いますが、その存在は格別なものです。

  1. "SIGN “O” THE TIMES"
    プリンスの"オーイェー!"を合図にシンプルなリズムと渋いベースフレーズで始まります。プリンスの曲はシンプルなリズムが多いので、うるさく感じるようなことはないですね。
    ドラムマシンとベースの淡々とした進行が良く、サビは静かに燃えているような迫力がある曲です。

  2. "PLAY IN THE SUNSHINE"
    8ビートのご機嫌なナンバーで80年代って感じですね。内容モリモリでスピード感あって良い2曲目です。
    次の曲への橋渡しとなっていくアレンジも面白いです。

  3. "HOUSEQUAKE "
    ラップスタイルでリズムも当時は最先端だったと思います。曲のつくりは伝統的なファンクナンバーです。
    ヒップホップの要素もあり、カミールの声が妙に可愛くてキマってる。ドラムマシンの鋭い音、ブラスのお洒落なフレーズがいい、不思議なグルーヴ感を醸しています。
    1988年のグラミー賞「最優秀アルバム賞」でU2の『The Joshua Tree』が受賞した際にプリンスが
    「何てことはない、だって僕でも彼等の曲は演奏できるけど、彼らには「Housequake」は作れないだろ?」と発言したエピソードが有名です。

  4. "THE BALLAD OF DOROTHY PARKER"
    バンドスタイルで演ればソウルバラードですが、リズムが違うので曲の肌触りが違っています。モコモコした質感のファンクなのです。
    イントロからのドラムマシンのリズムがずっと心地いいのです。プリンスの歌声は上品で素敵です。
    5."IT"
    無機質なマシンビートが登場する。プリンスの声はずっと緊張感や怒りを感じ、色気のあるギターが纏っている曲です。

  5. "STARFISH AND COFFEE"
    名曲です。
    イントロのベルの音でビクっとしますよね。ピアノの音と優しい歌声が心地いいポップス。プリンスにしては品すぎかもです。曲名がちょっと変で可愛いつなぎの曲という印象もあるけど好きな一曲です。

  6. "SLOW LOVE"
    これもとってもいい曲です。
    良いバラードで曲名の通りスローなラブソング。歌い方はねちっこいですが上品で美しい。サックス、ストリングスの音がムードがあります。

  7. "HOT THING "
    ソリッドなワンコード・ファンクです。こういう曲こそやりたいことをやっているプリンスらしいと思えます。
    「ホットスイング!」イントロの声どこから出してるんだろう。

  8. "FOREVER IN MY LIFE "
    多重録音によるプリンスの2本のヴォーカルが淡々と聴かせる。
    曲名の割にノリは軽いが真剣なラブソングです。プリンスの声が絡み合って地味に素晴らしい一曲と言えます。

  9. "U GOT THE LOOK"
    ノン・クレジットながらシーナ・イーストンが参加しています。
    レコードではここから2枚目です。元気のあるスタートでドラム、リズムに元気を感じます。

  10. "IF I WAS YOUR GIRLFRIEND "
    唐突に結婚式のテーマが流れてすぐ消えます。
    マイナーキーでメランコリー、カミールの声が特にハマってる曲だと思います。途中の笑い声が印象に残る中毒性のある曲です。

  11. "STRANGE RELATIONSHIP "
    一見単調なリズムですが、だんだんと杭を打つように体に入ってきます。
    明るさのなかに切なさや危うさを感じられるが聞きやすいメロディ。こういった奇妙さを感じる曲はプリンスの魅力が特に溢れてると思います。

  12. "I COULD NEVER TAKE THE PLACE OF YOUR MAN"
    明るいキラキラした曲。悲壮感が全くなく聴いていて楽しいです。メインのフレーズに若さ、フレッシュさを感じます。後半はインストゥルメンタル中心でシンプルなポップスとは違う仕上がりになっています。
    最後に長めのギターソロも聴けます。

  13. "THE CROSS "
    バラードで始まり、オーバードライヴしたギターが入ってきます。ドラムもかぶさりだんだんハードになって徐々に盛り上がる構成です。最後は合唱で終わります。

  14. "IT’S GONNA BE A BEAUTIFUL NIGHT"
    アルバムの最後の方にお祭りファンクを持ってくるのは「アラウンド・ザ・ワールド」と一緒です。これがまたいいんです。
    ライブ音源でワクワク感があり、楽しくやりたい放題。9分は長いけど聞き心地はずっと良い。「コンフュージョン」と叫んで最後を決めます。

  15. "ADORE"
    スローバラードですがリズムの「キレ」が効いているためベタベタになりません。正統派バラードで優雅で美しい名曲です。
    イントロのファルセットから心持ってかれます。幸福感、安心感のある素晴らしいサウンドですので、プリンスに苦手意識のある人でも聴いてほしいです。

以上が今回のアルバム評となります。ロック入門の一助になればと思います。ご参考になればうれしいです。

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