[UFC305] イズラエル・アデサニヤ、復帰戦で王者ドリカス・デュ・プレシに挑戦!
前戦でショーン・ストリックランドに敗れ王座を失ったイズラエル・アデサニヤの復帰戦がUFC305で行われることになった。
その相手は現ミドル級王者のドリカス・デュ・プレシである。
デュ・プレシはアデサニヤに勝利したストリックランドを倒し、南アフリカ人史上初のUFC王者に輝いたファイターであり、戦績は21-2となっているが、UFCに参戦してからは負けを経験しておらず、全勝で王者まで上り詰めた屈強なファイターだ。
そんな王者にアデサニヤは挑戦することになる。
今回挑戦者となるアデサニヤも王座を保持していた頃は、数々の挑戦者を退けミドル級を我が物としていた実績がある。
キックボクシングでも成績を残しているアデサニヤはスタンドで繰り広げられる打撃の攻防に優れており、距離を支配しながら攻撃をヒットさせ、相手の攻撃をいなして躱すことがとても得意という、技術力の高さが光る選手だ。
しかし、アレックス・ペレイラ(現UFCライトヘビー級王者)と対戦してからアデサニヤの穴が露呈してしまったところがあり、ストリックランドと戦った時も強さを見せること出来ずに敗れてしまった。
パワー系ファイターのプレッシャー
これまでアデサニヤの攻撃を警戒して距離を詰めれずにいたファイターたちは、アデサニヤの距離のまま試合を運ばれてしまい、戦況を覆すことが出来ないまま完封されてしまうような負け方をすることが多々あった。
そんな手強いイメージを完全に粉砕してしまったのがアレックス・ペレイラである。
ペレイラはアデサニヤの攻撃に脅威を感じていないかのように前に出ながら距離を詰め、アデサニヤをケージ際に何度も追い込んだ。
この戦いで、前に出てくる相手を下がらせる力強さがアデサニヤには無いのかもしれないという疑念が生まれた。
現にペレイラと戦った際にはペレイラを押し返すことはほとんど出来ないまま、ケージ際で捕まってしまいフィニッシュされている。
ペレイラに勝利した時は、狙ったカウンターを当てることに成功していたものの、プレッシャーに追いやられる危うさは変わらずだった。
そこで浮かび上がったウィークポイントを執拗に突くことでアデサニヤを倒したのがストリックランドであり、その戦法に対する処理が出来ていないことが改めて確認されることになった。
このように、アデサニヤは高い攻撃能力を有するストライカーに強いプレッシャーを掛けられて距離を潰されてしまうと対処し切れなくなってしまうといった、弱点が見受けられる状況に陥っている。
デュ・プレシが圧倒的有利か?
そういった状況を踏まえて対戦相手となるデュ・プレシを見てみると、相性最悪の相手であることが分かる。
デュ・プレシはパワー・耐久力・スタミナ・ガッツを高いレベルで備えている頑強なファイターであり、グラップリングにも優れ、終盤まで頑張り続けることが出来るため、重要な局面で手数をちゃんと出すことが出来る強さもある。
これはアデサニヤが苦手とするタイプであるのと同時に、単純に倒すのに苦労する厄介なタイプのファイターであると言えるだろう。
そんな王者を相手にアデサニヤはどのような試合を展開していくのか。
仮に打撃勝負で削られることなく戦えたとしても、デュ・プレシが組に切り替えた場合、スタミナに不安のあるアデサニヤがその攻撃を切り続けることが出来るかどうかも怪しいところがある。
なので持っている能力や相性を考えると、復帰戦でアデサニヤがタイトルを奪取することはとても難しいのではないかと思う。
7連勝中の現王者を退けるにはストリックランドのような技術力と、彼以上の力強さが必要なのではないだろうか。
何れにせよあの粘り強さを抑え込めるだけの強者でなければ王座を奪うことは難しいだろう。
果たしてデュ・プレシがビックネームであるアデサニヤを倒してベルトの価値をさらに高めることになるのか、それともアデサニヤがその存在を改めて知らしめることになるのか。
まだ少し先の大会ではあるが、今から既に楽しみなタイトルマッチ。