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[UFC295] NYに衝撃走る

NYで行われたUFC295、2つのタイトルマッチをメインに据えたナンバーシリーズは歴史的な快挙を生み出した。

アレックス・ペレイラ、僅か11戦でUFCの2つのタイトル獲得を経験する


引用元:©︎UFC(Photo by Chris Unger/Zuffa LLC via Getty Images)

ライトヘビー級タイトルマッチ
●イリー・プロハースカVS.○アレックス・ペレイラ
アレックス・ペレイラの2RTKO勝利
※ライトヘビー級、新チャンピオンの誕生!

MMAに転向してからたったの11戦でミドル級の王座獲得とライトヘビー級王座の獲得を済ませてしまったアレックス・ペレイラは改めて自身のキャリアに偉大な記録を刻み込んだ。

ライトヘビー級を獲った今、アレックス・ペレイラは実質2階級で王者となれる実力を証明したことになる。

現ミドル級王者のショーンストリック・ランドもKOで沈めているペレイラは、やろうと思えばミドル級のベルトも奪えるはずだ。

イリー・プロハースカも沈められるストライキング


引用元:©︎UFC (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC via Getty Images)

今回のタイトルマッチの決め手は、多くの名試合でもすっかりお馴染みとなった「カーフキック」だった。

かなり早い段階でカーフを効かされてしまったプロハースカは、その時点で自身のゲームプランが大きく崩れたことを悟っていたことだろう。

前足の自由を失ったプロハースカは最初のラウンドで大きな枷をペレイラに与えられてしまうことになった。

その上でスタンド勝負を展開することになれば、当然厳しくなるのはプロハースカの方になる。

中間距離のコントロールに長けるペレイラの打撃は常に脅威だが、今回の戦いではタックルで密着された状態からでも致命的なダメージを与える場面があったので、オフェンスにもディフェンスにも活かされるペレイラの打撃は、改めて高いレベルで攻防一体となっているのだなと感じた。

これはこれから挑戦するファイターたちにとって、とても大きな脅威となってくるだろう。

惜しかったイリー・プロハースカの戦い


引用元:©︎UFC (Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC via Getty Images)

結果的に今回プロハースカはTKO負けという形で敗戦することになってしまったが、攻防の中でペレイラのウィークポイントを炙り出すことに成功していたところもある。

テイクダウンされて下になった時の対応や自分が下がる状況になった時の対処、そして打撃をもらってしまった時の切り返しなど、プロハースカのオフェンスによってペレイラが上手く対応出来ていない範囲を炙り出し、厳しい状況に追い込む場面があった。

ペレイラは下になってしまった時にパウンドをもらわないためのディフェンスはしっかりと行っていたが、立ち上がるための対応やスクランブルを起こす動きなどは未だ成長途中といった感じだった。

なのでテイクダウン能力に優れ、グラップラーよりのファイターと当たった時にグラウンドの引き出しの違いに苦しめられることになるかもしれない。

それが2R・3Rと続いた時にスタミナは持つのか、その後のラウンドを上手く戦うことが出来るのか。

ライトヘビー級のコンテンダーたちを相手に、自身のオフェンス能力でどこまで「打たれ弱さ」をカバーしていけるのか。

そういった部分でペレイラに対して他のファイターが咎められる点はいくつかあるように見えたので、これから防衛戦を行っていくことになるペレイラがどういった対応を取っていくのか今後に注目が向けられる。

ライトヘビー級の今後

「史上9人目の2階級制覇を成し遂げた」ペレイラは、これまで以上にハードルが高くなる防衛戦でもこれまでのように危うさを回避していくことが出来るのか。

これからさらに研究がなされて対策が講じられるようになってくるだろう。

それでも尚耐えることが出来るのか。

MMAでの戦績が浅い分、まだ実戦で経験していないケースが多くあるというところが他のファイターたちと比べてペレイラが不利となってくる部分にもなる。

なので今現在ライトヘビー級で王座への挑戦が見えているファイターたちは急ぐ必要がある。

ペレイラがこれ以上成長を重ねてしまう前に、手が付けられなくなる前に叩かなければライトヘビーの黄金のベルトは遠いところへと連れ去られてしまうことになるだろう。

その可能性を次に担うのはマゴメド・アンカラエフになるのか。

暫定王座が決定されたヘビー級に続いて、正規王者が空位を埋めたライトヘビー級もここからにさらに賑やかになっていくだろう。

「新王者」アレックス・ペレイラを止めるのは誰だ。


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