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相手を出し抜き上手さで勝つ、チャールズ・ジョンソンが4連勝を記録!

UFCフライ級の一戦でチャールズ・ジョンソンVS.ス・ムダルジが行われ、チャールズ・ジョンソンが判定勝利を収めて4連勝記録する結果となった。

個人的にジョンソンの強みは「インテリジェンスの高さ」だと感じている。


©︎Getty Images / UFC l Jeff Bottari

これはMMAファイターになる以前に複数のスポーツで活躍し、様々なタイプの種目を経験して来たという背景も影響しているのではないかと思う。

ジョンソンは工夫や駆け引きといった変化を生み出すアクションを挟むことで劣勢を優勢に変えたり、相手の長所を発揮させないようにする上手さを持っている。

だからジョンソンは劣勢になっても簡単には負けず、優勢の相手から勝利を掠め取ることも出来てしまう。

特に連敗脱出以降は見事な勝負強さを見せている。

今回のムダルジ戦も持っている武器ではムダルジの方が優れていたのではないかと思う。

鋭い打撃を持ち、テイクダウンに対する対処も問題ない、そんなムダルジはジョンソンのレスリングにも対応できる上に、ストライキングでも優位を築ける可能性を持っていた。

しかし、ジョンソンはムダルジを倒して判定勝ちを手にしている。

実際にジョンソンのテイクダウンの仕掛けはムダルジにほとんど防がれており、そこから活路を見出すのは難しい状況ではあったが、組み付くことで距離を潰してムダルジの脅威に対処しながら近距離で攻撃を当てることには成功していた。


©︎Getty Images / UFC l Jeff Bottari

また、ジョンソンはスイッチしながらプレッシャーを掛けることでムダルジのカーフに対応しつつ攻撃の距離を保ち、返しの打撃が嫌なヒットを見せ始めると関節蹴りなどを繰り出してムダルジの攻撃のリズムを乱す対応も見せていた。

そういった細かい仕掛けでジョンソンは相手を翻弄していく。

その状況から主導権を奪おうとするムダルジはさらに攻撃の引き出しを開いていくことになるが、強く振っていった左フックをジョンソンに躱されてしまう。

ムダルジは返しをもらわないように慌ててサイドへとエスケープしていくが、この時にムダルジはジョンソンから視線を切ってしまい、一瞬ジョンソンを見失ってしまった。

このように相手が大きくエスケープし、危険ゾーンから逃れたと思ってガードがおざなりになったところを追い掛けて打撃を合わせていくのが上手いジョンソンは、今回もムダルジがノーガードとなったところに勢いのある一発を打ち込んでいる。

しかし、それ以上流れを与えまいとするムダルジは追撃を仕掛けようとするジョンソンに対して必死の反撃を見せていく。

ここでジョンソンは深追いはせずに手を止めて踏み込むタイミングを見計らう。

このように押すタイミングと引くタイミングを上手く使い分けているジョンソンは、ムダルジに主導権を与えることなく試合を進めていく。

そしてパンチを振りながら距離を詰めていったジョンソンは近距離から痛烈なアッパーをヒットさせてムダルジに大きなダメージを負わせていった。

最終ラウンドでポイントを取り返そうと前に出るムダルジはスタミナの削れたジョンソンに手数を出して攻撃を仕掛けていくが、ジョンソンは独特なステップと踏み込みのタイミングでムダルジを牽制し、思うような打撃のリズムを掴ませない対処を見せる。


©︎Getty Images / UFC l Jeff Bottari

ジョンソンは明らかに足にダメージが蓄積していたが、スイッチしたり上下の攻撃を仕掛けながらプレッシャーを掛け続けていくことで相手が対処すべき選択肢を増やし、後手に回らない動きをキープして足への集中攻撃を防いでいた。

最終ラウンドの後半こそムダルジの攻撃にペースを許したが、それまではジョンソンがムダルジの強みを活かさせずに攻撃のタイミングや選択肢の変化で翻弄し、要所で山場をしっかりと作って勝ち試合にするための動きを取った。

これで4連勝としたジョンソンはアザト・マクスム、ジェイク・ハドリー、ジョシュア・バン、ス・ムダルジといった高い総合力と強力な武器を持つ有望なファイターたちを次々と撃破している。


©︎Getty Images / Todd Lussier

個人的にこれは結構な説得力を持つ4連勝なのではないかと思っている。

そんなジョンソンだが、現在ランクは持っておらず、踏み台となり得る試合を白星で飾りながら繰り返しこなしている状況。

そろそろランカーとカードを組まれてもおかしくないのではないかと思うので、ジョンソンがランカーと戦っても同じような活躍を見せることが出来るのかどうかというところに期待と注目を向けていきたい。

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