[PFL]剛腕で勝負を決めたフランシス・ガヌー
ヘビー級トーナメントの優勝者であるヘナン・フェレイラと元UFCヘビー級チャンピオンのフランシス・ガヌーがぶつかった頂上決戦はメインイベントに相応しい衝撃を残した。
BellatorとPFLの王者同士の対抗戦でBellatorのライアン・ベイダーを秒殺TKOで下したフェレイラは、その勢いのままにガヌーも倒してPFLのトップに立つことを狙う。
一方のガヌーはボクシング戦で2連敗を喫している上に、MMA戦は長期間行っておらず、フェレイラと比べると不安視される要素が積み重なっている状況であった。
そんな中迎えたPFLの頂上決戦はヘビー級らしい激しさを見せながら早い決着を迎えることになる。
巨人VS.巨人
お互いに一発が当たれば終わるということが分かっているため、真剣同士の立合いのような緊張感を漂わせながら仕掛けていくタイミングを見計らう。
パンチの当たる距離に入る前に蹴りを出し合う両者は、徐々に距離を縮めその一振りを抜きに掛かる。
そこからガヌーもフェレイラも強力な一撃を繰り出すが互いにヒットせず、緊張感がどんどん高まっていく中で、ガヌーが少し圧力を強めてフェレイラをケージ際へと追い込んでいく。
しかしこの場面で攻めに出たのはフェレイラの方で、長い腕をガヌーへ向けて力強く振り抜いていった。
この攻撃によって生まれた大きな隙を見逃さなかったガヌーは、フェレイラの攻撃にタックルを合わせてテイクダウンを奪う。
打撃を狙い合う緊張感に包まれる中でも冷静な判断でMMAを展開したガヌーは、フェレイラからトップポジションを奪い非常に有利な状況を作り出すことに成功する。
カードポジションのフェレイラはガヌーの厳しい攻撃に晒されながらも、三角絞めを仕掛けるなどして下からの動きを見せていくが、どれもガヌーに対処されてしまう。
そして最後はガヌーがバックポジションから強烈なパウンドを浴びせていき、ガードの上からでも十分に効かされたフェレイラが伸びたところでレフェリーがストップ。
こうして1R3分32秒で巨人同士の頂上決戦は決着を迎えた。
結果的には1RでガヌーがフェレイラをTKOで沈めるという圧倒的な内容となった。
これでPFLスーパーファイト初代ヘビー級王座を獲得したガヌーは、自身の脅威が健在であることを世界に示すのと同時に、復帰戦となったMMAの大一番を白星で飾ることに成功。
負ければ全てを失うような戦いで大勝を収め、逆にPFLトップの座を手にすることになったガヌーは元UFCヘビー級チャンピオンの名に違わぬ活躍振りを見せながら、PFLのヘビー級トーナメント覇者を打ち破ったことでボクシングの2連敗を払拭している。
過去にUFCという最高峰の舞台で結果を残し、それに比肩する勢いのPFLでもその注目に応える形で結果を残したガヌーは紛れもない王者だった。
2年9ヶ月のブランクを物ともせずに自身の実力を改めて証明したガヌーは、これから引き続きPFLの看板を背負う存在となって興行を盛り上げていくことになるだろう。
年齢を考えると現役として舞台に上がる機会はあと僅かになるだろうと思われるが、次はどのような形でフランシス・ガヌーの活躍を見ることが出来るのか。
次のステージにも期待と注目が向けられる。