[UFC] ヘビー級のトップランカーは王座獲得の夢を叶えられるのか?
UFC290でジョン・ジョーンズとスティぺ・ミオシッチの一戦が行われる予定となっているが、前回のヘビー級王者決定戦でシリル・ガーンをあっという間に仕留め圧倒的な実力を示したジョーンズ相手にミオシッチは対抗していくことは出来るのだろうか?
年齢的にも限界が近いミオシッチは前戦で前ヘビー級王者フランシス・ガヌーに豪快なKO負けを喫しているので、そのダメージや体力面を含めて耐久力の衰えが懸念される。
また、先週末に行われたセルゲイ・パブロビッチVS.カーティス・ブレイズのヘビー級ランカー戦でブレイズをKOで下して勝利したパブロビッチもヘビー級タイトル戦線にこれから絡んでくる。
恐らくミオシッチの次はパブロビッチがタイトルに挑戦することになるのではないだろうか。
ただ、これだけ屈強なファイター二人をもってしてもジョン・ジョーンズからベルトを奪えるイメージというのは中々浮かんでこない。
ケージの中で上手く戦うことに長けているジョーンズはヘビー級に上がったことで生まれたメリットを最大限活用することに成功している。
ミオシッチはヘビー級の中でもオールラウンドに戦える総合力の高いファイターだと思うが、打撃ではパブロビッチに、レスリングではジョーンズに劣っているのではないかと感じてしまう。
なので、ミオシッチがジョーンズとぶつかった場合はガーンのようにラウンドの何処かで捕まえられ、グラウンドでコントロールされてしまうか、そのまま一本でフィニッシュされてしまうか、という展開になるのではないだろうか。
もしジョーンズがヘビー級に仕上げた肉体によって底上げされたパワーと重みを活かしながら、グラップリング力を全面に押し出して優位性を築いて行こうとするのならば、非常に勝率の高いダゲスタンのファイターのような戦い振りをヘビー級の中で見せていくことになるかもしれない。
ただ動きの良さという面では、ライトヘビー級の時と比べると落ちてしまっているように見えるので、タイトルマッチの5Rをフルに活用することが出来ればチャンスを得ることも可能かもしれない。
パブロビッチならばもしかするとそういった展開を作り出すことも出来るだろう。
パブロビッチもほとんどの試合を1Rで終わらせてしまっているので、長いラウンドを戦う上での体力的な不安は否めないが、前半のラウンドでタックルを切り、テイクダウンを防げれば持ち前の強打でジョーンズを押し返していける可能性はある。
なのでミオシッチとパブロビッチどちらに可能性を感じるかというと、年齢的にも若くフィニッシュ力も非常に高いパブロビッチなのではないかと思う。
ただジョーンズはそう簡単に相手に良い流れを与えないと思うので、打撃勝負になっても発想力で上手を取ってしまう可能性がある。
それがパブロビッチのタフネスさを砕くのか、それともジョーンズの策やテクニックが押し切られてしまうのか。
ラウンドを重ねるほどジョーンズも不利になっていくのではないかと思うので、前半でのやり取りで良い試合の流れを掴むことが出来るかが勝敗の大きな分かれ目になるのではないかと感じている。
果たして反則以外で黒星がついたことのないジョン・ジョーンズに土をつけることが出来るファイターは現れるのか。
ヘビー級最多防衛記録を持つスティぺ・ミオシッチ、直近6戦をオールフィニッシュで勝ち上がり6連勝中のセルゲイ・パブロビッチ
彼らはその難関を乗り越えて最初の一人となることは出来るのか。
そして輝くUFCヘビー級のベルトを動かすことは出来るのだろうか。
ヘビー級のタイトルマッチもしばらくの間は注目度が高まることになりそうだ。