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時代が移り変わるフェザー級

UFCフェザー級タイトルマッチで王者イリア・トプリアが挑戦者のマックス・ホロウェイをKOで下して王座の防衛に成功した。


©︎Getty Images / UFC | Chris Unger

ホロウェイはこれがキャリア初のKO負けとなり、時代の波が新たな1ページを刻み始めていることが分かる。

トプリアはこれでヴォルカノフスキーとホロウェイをKOで沈めたことになるので、現フェザー級で圧倒的な実力を示した王者になったと言えるだろう。

またスタンドのプレッシャーでケージ際まで追い込み、強い打撃をまとめてフィニッシュするという倒し方も共通しており、これがトプリアの強い展開と勝ち方の一つになっていることが分かる。

ヴォルカノフスキーはこれをディフェンスで凌ぐことは出来ず。

ホロウェイはそういった状況で攻撃を返して打ち合いに持ち込むことでディフェンスとするスタイルをとって来たが、そこでの勝負にも強いトプリアには効果的に作用することにはならず、結果的に打ち倒されることになってしまった。

絶対王者の予感


©︎Getty Images / UFC | Chris Unger

トプリアは打撃はもちろん、テイクダウンやグラウンドテクニックも申し分なく、またそこに対するディフェンスにも長けており、隙がほとんどない。

特にスタンドの打撃は強力でパワーと正確性が高い。

またボクシング技術にも優れており、MMAにジャブの駆け引きを上手く取り入れ、相手を翻弄するフェイントを交えながらペースを握って行くことが出来る。

また、ディフェンス面では的を絞らせないように頭をよく振って無駄な打撃を貰わないようにしていることに加えて、自身の攻撃に対する相手のリターンにはフィリーシェルを活かした防御で対処し危険な攻撃を被弾をしないように上手くいなしている。

その上フィジカルもとても強い。

この攻守の両方で高レベルなスキルを備えたMMAファイターを倒すには、よほど優れたファイターでなけなければならないだろう。


©︎Getty Images / UFC | Chris Unger

現UFCフェザー級王者のイリア・トプリアの総合力を考えると、正真正銘の世界No.1フェザー級MMAファイターであると言えるのではないかと思うので、防衛回数こそまだ少ないが、しばらくは一強の時代が続くのではないかと思う。

そこに可能性を見出せるとすれば、やはりフェザー級ランキング5位のモフサル・エフロエフだけになってくるのではないかと感じる。

チマエフがミドル級タイトル戦線に浮上


©︎Getty Images / UFC | Chris Unger

ミドル級3位のロバート・ウィテカー13位のハムザト・チマエフによるランカーマッチはチマエフの一方的な展開で終わった。

ランキングこそ離れてはいるが、ウィテカーがチマエフの暴力的なグラップリング技術に対抗出来るイメージはなく、単純な生物的なパワーで負けてしまうのではないかと思っていたが、案の定圧倒してチマエフが勝負を決めた。


ウィテカーの顎を砕いたフェイスクランク

©︎Getty Images / UFC | Chris Unger

ただ、スタミナに不安があるチマエフが5Rマッチに臨んでいたため、ウィテカーも1Rをサバイブ出来れば何かしらの可能性を見出すことは出来たかもしれない。

チマエフ自身、ラウンドの長さを考えて力の使い方を調整していたので、もしかしたらその辺も対処して来ているのかもしれないが、それでも5Rマッチはスタミナを消耗するので、後半で精彩を欠く可能性はあった。

しかしウィテカーはウスマンのように生き残ることは出来なかったので、残念ながらその展開へと持ち込むことは出来なかった。

これでランキングを大きく上げたチマエフはミドル級のタイトル戦線に食い込んでいくことになる。

上には王者を除いてイズラエル・アデサニヤショーン・ストリックランドがいるが、どちらもチマエフの猛攻に耐えられる力強さを感じないので、いずれはチマエフがタイトルに挑戦して行くことになるだろうと思う。

期待できるのはやはりミドル級王者のドリカス・デュ・プレシが持っている生物的な力強さとスタミナ&タフネスが、5Rマッチの中でチマエフに対してどれだけの効果を示してくるのかというところだ。


©︎Getty Images / UFC | Chris Unger

1Rのテイクダウン攻撃を防ぎ、ストライキング勝負を上手く捌いて勝負を後半に持ち込むことが出来れば、デュ・プレシの粘り強さが疲弊したチマエフを上回るかもしれない。

そこには可能性を感じるところがある。

そういう意味でもチマエフのタイトル挑戦は非常に興味深い一戦となってくる。



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