[UFC291] 注目カードの予想結果
UFC291の注目試合として戦前予想を上げていた2試合の結果と感想。
① ダスティン・ポイエーVS.ジャスティン・ゲイジー
予想:ダスティン・ポイエーの勝利
結果:ジャスティン・ゲイジーのKO勝利
ストライキングの勝負ではポイエーが依然として強いのではないかというところからポイエーの勝利を予想したけれど、ゲイジーは前のめりになって殴り合いにいくのではなくカーフやハイなどの蹴りを散らしながらテクニカルに戦うことでポイエーに流れが行き過ぎないように上手く立ち回っていた。
それでもパンチを上手く当てていたポイエーはゲイジーをぐらつかせる場面もあり、優勢を築いていた。
加えてゲイジーの避け方の癖を利用して蹴りをヒットさせようという狙いも見せていたポイエーだったが、強かに狙いを澄ましているのはゲイジーも同じだった様だ。
ゲイジーは共に汗を流すウスマンが以前にエドワーズにやられた伝説的なKOと同じ形でハイキックをヒットさせ、ポイエーを衝撃的なノックアウトで沈めてしまった。
そのハイキックはゲイジーが繰り返し放っていた右のハイキック。
それまではガードに阻まれ直撃させることは出来ていなかったが、右のパンチでポイエーのガードをずらすことで衝撃が集中する爪先の方を側頭部にヒットさせることに成功した。
右のパンチでガードを空けさせ、反応したところにハイキックを合わせる。
この形は劇的なフィニッシュを生む一発として非常に注意が必要な攻撃だと、多くのファイターの間でより強く認識されることになるだろう。
ブライアン・バトルが佐藤天を、レオン・エドワーズがカマル・ウスマンを、そして今日ジャスティン・ゲイジーがダスティン・ポイエーをその一発で沈めてしまった。
形成を一発でひっくり返せてしまう攻撃として改めて注目を集める一撃となるハイキックで、ライト級トップランカーである二人の再戦は幕を閉じた。
② ヤン・ブラホビッチVS.アレックス・ペレイラ
予想:ペレイラの勝利
結果:ペレイラのスプリット判定勝利
試合の展開としては大体がイメージしていた様な流れではあったけれど、ブラホビッチが1Rで強引にでもペレイラのテイクダウンディフェンスを突破しコントロールし切ったところや、ペレイラが打撃でブラホビッチを思ったほど押し切れなかったところなど、要所要所で予想以上の流れが生まれていた。
ただ、テイクダウンで攻めるブラホビッチにペレイラが次第に対処し始めて、スタミナを消耗するブラホビッチをペレイラがスタンドでコントロールしていくという予想は概ね一致したのではないかと思う。
ブラホビッチは遅咲きのファイターであったこともあり、復活の快進撃でベルトにまで到達した時には既に年齢的にも衰えが隠せなくなるような段階に来ていた。
そしてアデサニヤの挑戦を受けた時からもさらに時間が経ってしまった今、耐久力という面で大きな衰えが見られるようになってしまっている。
ブラホビッチはここ最近後半に急激に落ちる場面がよく目立ち、優勢を築いていても決めきれなかったりするところがあった。
それを考えると、速い段階でフィニッシュ出来ない限りブラホビッチがペレイラから勝利を得ることは難しい。
超スピードでミドル級を駆け上がりアデサニヤを倒してタイトルを獲得し、その後アデサニヤとのキャリア4度目の対戦で初めて敗れたペレイラは王座を失ったが、かつてアデサニヤが超えることの出来なかったライトヘビーの壁であるブラホビッチを倒すことで、改めて自身が優れた存在であることを間接的に証明した。
これからペレイラはミドル級の時のように物凄いスピードでライトヘビーの王座を狙っていくことになると思うが、これより上へ行くのはとても難しくなってくるのではないかと思っている。
パワー・テイクダウンスキル・スタミナを持っている選手やライトヘビーのサイズで打撃を当てるのが非常に上手い選手が控えているので、今持っている武器だけだと足りなくなってくるのではないかと感じる。
ペレイラは体格に関してはライトヘビーでも申し分ないくらいに大きいが、MMAの技術という部分でどうしても成熟度が劣るところがあると思う。
ミドル級ではそれもカバー出来ていたと思うが、ライトヘビー級でも同じような対処だけで通用するとは思えない。
特に個人的にライトヘビー級No. 1だと思っているイリー・プロハースカのような技術とパワーに加えて生物的な強さも併せ持っているファイターを攻略するためには、搭載する武器の拡充を行なっていく必要があるのではないかと思われる。
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