[MMA] 未だ高い世界の壁
先週末行われたUFN225で木下憂朔・風間敏臣・中村倫也の3選手が出場したが、勝利を掴むことが出来たのは中村倫也ただ一人のみだった。
木下憂朔
DWCSからUFC入りを果たし、期待の日本人として注目が向けられていた木下はUFCのデビュー戦で敗戦し黒星発進となっていた。
その復帰戦であり、待望のUFC初勝利を狙う一戦となったビリー・ゴフとの戦いで、木下はボディストレートを効かされるとそのまま倒れてしまい追撃のパウンドを受けたところでレフェリーが割って入り、TKO負けという結果になってしまった。
2連敗且つ連続フィニッシュ負けとなってしまったが、木下はこれまで国内では反則負けによる一敗のみでその強さを見せつけていた上に、DWCSでもフィニッシュを決めてその存在感を示していた。
その木下がUFCの舞台であっさりと倒されてしまっている。
UFCのウェルター級の選手と戦うとやはりどうしてもフィジカルやタフネスといった面で脆さが露見してしまう。
やはり日本人でUFCのウェルター級へ挑戦するのはまだ厳しいのだろうか。
かなり厳しい状況にはなってしまったけれど、次のチャンスがあるのであれば、木下の豪快さと自信に溢れた戦い方で一勝をもぎ取る姿を見てみたい。
風間敏臣
風間敏臣はRTUで準優勝となっていたので本来であればUFCへの出場権は得られない立場にあった。
そのことを十分に理解している風間は、その説得力を得られるような試合を今回の戦いで見せるつもりでいたようだったが、結果は完敗。
UFCで戦う実力が備わっていないことが浮き彫りとなった試合だった。
この大会の中で一番一方的な展開となった試合だったかもしれない。
中村倫也
UFN225で唯一勝利を挙げた日本人ファイター。
やはり世界に通用する武器を持っていると、状況は大きく変わるということが目に見えて分かるような試合内容だった。
中村の一番の武器であり、バックボーンとなっているレスリングの技術を活かして相手をコントロールすると、マウントやサイドポジションを奪いながらサブミッションをガンガンに仕掛けていき終始圧倒。
フィニッシュすることは出来なかったが、圧勝と言える内容での判定勝ち。
UFCの舞台でも戦えることを証明してみせた。
ただ上に行くほど一芸が通用しなくなってくるので、テイクダウンが出来なくても通用するくらいの脅威をスタンドでも与えられるようになれば強豪にも負けない強力なファイターへと成長していくのではないかと思う。
海外の選手が相手でも殴り勝てるくらいの獰猛さを身につけた中村倫也がオクタゴンの中で活躍する姿を見てみたい。