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[UFC303] ピックアップ&レビュー(3試合分)

ペレイラ無双!!


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ライトヘビー級王者のアレックス・ペレイラが同級1位イリー・プロハースカの挑戦を退け、王座の防衛に成功した。

ライトヘビー級 タイトルマッチ
◯(C)アレックス・ペレイラVS.●(1)イリー・プロハースカ
※アレックス・ペレイラの2R TKO勝利。王座防衛成功。

ジャマール・ヒルにイリー・プロハースカと元王者を連続でKOした上に、プロハースカに関しては初戦・リマッチその両方でフィニッシュされている。

UFCデビューから連勝を重ねランキングを駆け上がり、そしてテイシェイラから王座を奪ったプロハースカを持ってしてもまるで歯が立たなかったのが王者アレックス・ペレイラ。

この試合で王者が築く幻想はさらに大きく成長した。

ストライキングの能力に関しては恐らくペレイラが世界一と言えるだろう。

それはペレイラが見せる試合結果とそのパフォーマンスが物語っている。

なのでスタンドで真っ向から勝負を挑んでも勝てる確率は低いだろうと思う。

力強いMMAでペレイラの快進撃をストップするものは現れるのだろうか。

この勢いで行くとペレイラはヘビー級の頂きにまで手を伸ばそうとするかもしれない。

UFC3階級制覇、ペレイラの攻略方法を暴くことが出来なければそんな偉業が達成される日も来るかもしれない、ペレイラが持つ技術と破壊力にはそれくらいの可能性が詰まっている。

MMAを展開したギャリーが判定勝利


©︎2024 Zuffa LLCJeff Bottari 

ウェルター級で無敗を継続するイアン・マシャド・ギャリーと、Bellatorから移籍してきたスター選手のマイケル・“ヴェノム”・ペイジの戦い。

どちらもスタンドでの打撃勝負に長けたファイターであるため、当初はお互いにスタンド勝負を仕掛け、その中でギャリーが一歩リードして行くのではないかと感じていた。

しかし、実際にはストライキング勝負で勝ったのはペイジの方であり、ギャリーであっても彼の変則的かつスピーディーな打撃を処理しながらスタンドで優位を取るのは難しい様子だった。

ただギャリーはそこでグラップリングの展開にペイジを引き込む作戦に変え、ペイジのファイトスタイルの強みを外すことで主導権を握ろうとし始める。

定まったファイトスタイルで特化型の強みを活かすペイジに対して、ギャリーはそのファイトスタイルに幅を持たせることができるMMAの強みを活かす方向にシフトして戦うことを選択。

自身のストロングポイントに固執することなくMMAで勝負することを忘れなかったギャリーのクレバーさが結果的に勝負を分けることになる。

ペイジも自身の強みを活かすために、組みに対する防御策はしっかりと落とし込まれており、ある程度の相手であれば組み付かれても対処することが出来てしまう。

そういったスキルを持っていることが分かっているからこそ、ギャリーがMMAを厚くするためにどれだけ技術を磨いて来たのかが分かった。

ギャリーはペイジを捕まえると、逃すことなくしっかりとコントロールし、ポジションを失うことなく攻め続けポイントをしっかりと奪い取った。

多角的に相手を攻略するための術を導き出すことが出来るというMMAの強みを活かしたギャリーが、打撃巧手であるペイジの自由を奪い、優位を確保したことで勝利を掴む結果となった。

これでギャリーは無敗継続となったので、次戦はさらに上のファイターとぶつかることになるだろう。

ラフモノフとの無敗対決も気にはなるけれど、個人的にはこの二人の戦いはもう少し後でもいいのではないかと感じている。

底知れぬ実力を見せるペイトン・タルボット


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DWCSからUFC入りしたネクストスターのペイトン・タルボットは間違い無くこれからのバンタム級で大きな存在を示すことになる逸材だ。

ランカーも平気で喰ってしまうことが予想されるので、まさに怪物と言えるのではないだろうか。

彼は今回の試合でそれを改めて証明した。

不敵な表情で試合に臨むタルボットは憎たらしいまでにあっさりと試合を終わらせてしまった。

今回のイベントで一番早いフィニッシュだったのではないだろうか。

まるでこのレベルじゃ話にならないと言わんばかりに基本的なワン・ツーでゲムーリからダウンを奪うと、パウンドで試合を締めた。

ストライカーとしての能力に秀でているタルボットだが、組みで崩そうとする相手に対処する能力があることもこれまでの試合の中で見受けられているので、今後タルボットが大きな怪我もなく成長を重ねていくことが出来れば、ベルトを巻くことも十分にあり得るだろうと思う。

鶴屋怜、デビュー戦を判定勝利で飾る


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UFCデビューを果たした鶴屋怜がカルロス・ヘルナンデスを判定で下して初戦を白星で飾ることに成功した。

自身の試合作りが上手く行っていない印象を受けるところがあったものの、ヘルナンデスから優位を奪い、明確な危険に陥ることなく(ただ3R目は良くなかった)試合をやり遂げることに成功し勝利を掴んだ。

ここからUFCに馴染んでいけばパフォーマンスはまた変わってくるだろうと思われるので、これからの成長と合わせて期待したい。

特に引き出しの拡大、ストライキングの強化は上位陣と渡り合うためには必須となってくる要素になるだろうと感じた。



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