デイブソン・フィゲイレードがフライ級に復帰?
元UFCフライ級王者であり、現バンタム級ランキング5位のデイブソン・フィゲイレードは現UFCフライ級王者であるアレシャンドレ・パントージャとのタイトルマッチを望んでいるようだ。
フィゲイレードはフライ級では減量がキツく、体へのダメージも無視できないものになってきているという理由で王座陥落後にバンタム級への転向を決めていたはずだが、再びフライ級の王座に興味を示し始めているようだ。
バンタム級の壁に跳ね返されて、フライ級が恋しくなったのか。
また都合の良いことに以前勝ったことのあるパントージャが王座についているので、勝てる見込みもあると思って食い付きを見せたのか。
どちらなのかは分からないが食い付きを見せるタイミングはあまり良いとは言えないだろう。
このタイミングでそういった発言をしてしまうと、調子が悪くなったら注目の浴びている方にすぐ乗り換えるような浅ましさがどうして滲んでしまうのではないかと思う。
二兎を追うフィゲイレード
それでもパントージャに判定勝利を収めているフィゲイレードは、過去の勝利を引き合いに出しながら自身が挑戦者に最も相応しい存在だと述べている。
また、体重超過を犯したのもUFCのキャリアの中では一度だけと付け加え、自身が今もフライ級で戦えるような口振の発言もしている。
ただ、フライの体重を作れると断言しているわけではなく、あくまでも「もし体重を作れたら」という話になっているので、本人がどこまで真剣にこの話を持ちかけているのかは分からない。
そこにフィゲイレードのフライ級ウエイトに対する不安が滲んでいるように感じるので、この一戦が実現に動く可能性はそこまで高くないのかもしれない。
そもそもフィゲイレードは体重超過をするしない以前に、減量による内臓へのダメージなどが不安視されていたことが転向の理由だったはずであり、その問題は時間が経ったら解消されるようなものではないということを考えると、ここでフライに戻したとして本当にちゃんと戦うことが出来るのかという疑問が出てくる。
加えて階級制のスポーツに身を置く以上、計量をパスすることは当然のことになってくるので、体重超過の回数をフライで戦える根拠とすること自体が少しズレていると感じる。
問題なのは計量をパスした上で、しっかりとパフォーマンスを維持できるだけのコンディションを保つことが出来るのかどうか。
そこ判断を甘く見積もって、前に勝ったからいけるでしょ、といったテンションで今のパントージャに挑戦することになれば、フィゲイレードは減量を言い訳にしながら跳ね返りを受けたバンタム級へと帰っていくことになるのではないかと思う。
もし実現するならば・・・
この二人による対戦が魅力的であることは間違いないが、もし実現することになるならば、その前にフィゲイレードが今もフライ級でもちゃんと戦えることを証明するために、トップランカーと一戦消化する工程を踏んでもらいたいと感じる。
そこで今尚フライ級にフィットすることが示されれば、タイトルマッチの重みに適う挑戦者として捉えることが出来るようになると思うので、勝っても負けてもハッキリとした説得力がもたらされることになるのではないかと思う。
たとえ前王者であったとしても、敗戦した上で階級を退いているわけなので、今のフライ級でも挑戦者に相応しい存在であることを証明し、王座に挑戦するための切符を手に入れるという条件をクリアする必要があるはずだ。
ただ、時間が経ってもフライ級タイトル戦線の新陳代謝が向上せず、変わり映えしないといったような状況が続くことになったとしたら、パントージャVS.フィゲイレードという組み合わせが次の候補として採用されることになる可能性も高くなってくるかもしれない。
実現の仕方や流れによって価値が変わってきそうなこの好カードが、その時を迎えることになるのかどうか。
今後の流れに注目が向けられる。