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無敗王者の防衛戦。

UFC308のメインイベントで行われるフェザー級のタイトルマッチ。

挑戦者であるベテラントップファイターのマックス・ホロウェイを迎え討つのは未だ無敗の王者イリア・トプリア。

これは激しいストライキング勝負が展開されることが予想される。

トプリアはホロウェイが試合の終了間際に中央での殴り合いを誘うパフォーマンスを真似て、試合開始と同時に中央での殴り合いをホロウェイに要求するつもりだと語っている。


©︎Getty Images / UFC l Jeff Bottari

それに対してホロウェイは、あのパフォーマンスがある種の美学に基づいた意味のある行いであることを語り、あのタイミングで行うと言うことに意味があるのだと応えた。

なので、仮にトプリアが試合開始と同時に中央での殴り合いを誘ったとしてもホロウェイがそれに乗る可能性は低い。

けれど両者ともにタフなストライカーなので、そこで仕掛けずとも勝負はスタンドによる殴り合いへと移行していくのではないかと思う。

打撃スキルのぶつかり合いでどちらが上手を取るのか、その結果が直接勝負の結果へと結びついていきそうな予感がする。

そこで身体的なスペックを見てみると、ホロウェイの方が身長が高くトプリアと比べてサイズはあるが、リーチは両者同じ長さを持っているため、リーチの長さで距離を確保するという状況を作り出すのは難しそうだ。


©︎UFC

元王者アレクサンダー・ヴォルカノフスキーとの対戦

そこで思い起こされるのは元フェザー級王者のアレクサンダー・ヴォルカノフスキーとの対戦である。

トプリアもホロウェイもヴォルカノフスキーとの対戦を経験しているが、トプリアがKO勝利を収めているのに対して、ホロウェイは3戦3敗と一度も勝つことが出来ていない。

ホロウェイの3敗はストライキングの上手さで差を付けられ、ヴォルカノフスキーの間合いに入っていくことが出来なかった為に自身の攻撃を届かせることが出来ず、有効打とダメージでポイントを稼がれてしまっために判定でどうしてもポイントに開きが出てしまうという結果になっていた。

それに対してトプリアはヴォルカノフスキーの距離を潰して自分の間合いを設定し、自身の脅威をヴォルカノフスキーに押し付ける流れを作りつつ、最後はケージ際で捉えてあのヴォルカノフスキーをマットに沈めることに成功している。

これを考えると、距離を自分のものに出来るだけの「打撃の自信」や「ディフェンス能力などの対処力」に秀でているのはトプリアの方であり、ストライキング勝負を有利に運ぶだけの能力を身に付けているトプリアがホロウェイに苦しい展開を強いる可能性が高いと言えるかもしれない。

打撃のキレや正確性、そして一発の威力を作る体幹の強さといった部分でもトプリアが勝っている部分になっているのではないかと思うので、打ち合いや接戦となった場合でもチャンピオンがリードを確保していけるのではないかと思う。

ホロウェイの可能性


©︎Getty Images / Getty Images Sport l Carmen Mandato

ただ、トプリアが戦った時のヴォルカノフスキーはマカチェフとのライト級タイトルマッチを経験した後のヴォルカノフスキーであり、大きな負けの経験とダメージを負ったことでやや弱体化してしまった印象があった。

それに対してホロウェイは絶対王者として君臨していた時のヴォルカノフスキーを相手にしているので、その辺の違いはあるのではないかと思う。

加えてホロウェイはヴォルカノフスキーには勝てないが、他のフェザー級上位ランカーたちにはしっかりと勝つことが出来るというところがあるので、相性が悪くなければ強豪ファイターも問題なく倒せるだけの強さを持っている。

なので、対戦経験が無いトプリアに対してマックス・ホロウェイというファイターがどれだけ効くのか、それによって試合内容は大きく変化してくることになるのではないかと思う。

そのハマり具合によっては思った以上のリードを掴むということも十分にあり得ることになるだろう。

そのためにもホロウェイは打撃を多くヒットさせ、ケージを背負わずに戦っていくことが大切となる。

結果次第では次期挑戦者は限られてくるか?


©︎Getty Images / UFC l Jeff Bottari

負けを知らないという強さと弱さを内包する王者トプリアに名試合製造機のホロウェイはどこまで迫っていけるのか。

ホロウェイの試合作りに注目が向けられる。

もしここでトプリアが圧倒的な内容で防衛を決めるようであれば、いよいよモフサル・エフロエフを挑戦者に据えるしかないのではないかと思う。

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