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[UFC]今大会で感じた3つのこと(感想)①

①アデサニヤの衰え


©︎Getty Images / UFC | Chris Unger

今回のサウジアラビア大会でメインを務めたイズラエル・アデサニヤはナッソーディン・イマボフの打撃に沈み、3連敗を喫する結果となった。

攻撃面での力強さもそうだが、何よりもディフェンス面での衰えが目立つアデサニヤは、「パンチに対する反応」「タックルに対する反応」が鈍くなっているように感じる。

この「反射神経の衰え」と思われる変化は格闘技において致命的なデメリットを生み出すことになる。

反応が悪くなった状態では大胆な攻撃を繰り出すことも出来なくなるため、強気なオフェンス展開も難しくなり、手数の減少が脅威の低下を引き起こすようになってしまうと、怖さが薄れてしまうので相手にペースを握られやすくなってしまうのではないかと思う。

そうなると技術的にも気持ち的にも「後手に回る」状態へと陥ってしまい、ディフェンス面に大きな欠陥をもたらすことになる。

相手が仕掛ける攻撃への対処が遅れるということは、当然被弾や被コントロール状態に陥りやすくなるということになるので、勝負の中で相手に大きなアドバンテージを与えてしまう致命的な要素となってしまう。

また「後手に回ってしまう」ことで自分のリズムで試合を進めていくことが出来なくなると、スタミナを著しく消耗することにも繋がるので、アデサニヤにとってこの「反応の低下」は最悪な循環を生み出す変化になっているのではないかと思われる。

今回ダウンを奪ったイマボフの決定打にもアデサニヤはほとんど反応することが出来ていなかったので、やはりここから調子を取り戻していくというのは中々に厳しいものがあるのではないかと思う。

仮にあそこで生き残ることが出来ていたとしても、序盤のスタミナ消費で後半は強度を保つことが出来なくなり、テイクダウンを奪われる展開になっていたのではないかと思われる。

そんな衰えが目立ち始めているアデサニヤではあるが、備わっている技術や能力は依然として高く、広い範囲で見たらハイレベルなファイターの部類に入ると感じるが、UFCのトップレベルと鎬を削るのは難しくなって来ているのかもしれない。

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