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[RTU]日本人ファイター、準決勝で散る。

先週末行われたROAD TO UFCの各階級トーナメント準決勝に、勝ち上がっていた日本人選手4名が出場したが、4名とも決勝に駒を進めることは出来ず、準決勝敗退という結果になった。

今回のRTUのシリーズを見て日本人選手が決勝に勝ち上がり、UFCとの契約を勝ち取るためにはストライキング能力の強化が必須であるように感じた。

スタンド時の攻防に不安定さがあるため、オフェンシブな攻撃に出ることが出来ず手数が少なくなってしまったり、長所となっている組み技を効果的に活かしていくことが出来なくなってしまっている印象を受ける内容のものが多く、対戦相手は防ぎ切れば自分に有利な展開を作ることが出来るということが分かっているような立ち回りを見せている節もあった。

仮に組み主体で行くのであれば、もっと支配的で一本も狙える強力な極め力が必要となる。

ある程度のコントロールでポイントをリードできるぐらいの状態で組み主体の戦い方をしても、それなりのレベルになれば通用しなくなってしまうことが分かった。

また、打撃に自信がなかったり、練度が足りていないことが相手にバレてしまうと、組みの展開で多少攻められたとしても相手は不安に陥ることなく頑張ることが出来てしまう。

そうして最終的に優勢を奪われて判定負けへと流れてしまうケースが多く見られる準決勝だったように感じる。

原口伸の試合を見ても分かるように、現在のMMAでは組みで何とかコントロールする程度では優勢に立っていてもほとんど評価されず、明確なダメージが伴って初めてポイント評価される傾向にある。

なのでグラップリングを活かして勝利することを狙う場合であっても、打撃というもう一つの武器がしっかりと備わっていないと悔しい勝ち星の逃し方をしてしまう可能性がある。

つまり日本の若手ファイターがUFC入りを目指すためには、総合力の向上といったMMAの根本的な部分の成長を促し、突出した技術をより脅威的な武器へと昇華させていくことが大切となってくるのではないだろうか。

そのためには日本だけではなく海外からの技術提供を受けることも必要となってくるだろう。

海外チームへの移籍や技術などの知識を持つ海外コーチの導入といった、外からの輸入を行うことで足りない要素を補っていかなければ次のレベルへと進んでいくのは難しいのではないだろうか。

日本のMMA団体のチャンピオンであっても決勝に駒を進めることが出来ない現状を鑑みると、改めてその厳しさを感じる。

また、今回のRTUで他のアジアの国々が技術的な面でも知識的な面でも向上していることが分かり、MMAの対応能力が上昇していることが改めて感じられた。

アジア圏でもMMAにおける総合力の強化がなされており、世界基準が上がって来ていることを考えると、日本MMAもある程度の変革が必要となって来るのではないだろうか。

そういった変化がもたらす動きによって大きく伸びる選手が日本には沢山いると思うので、外からの情報を摂取しつつ、国内でも様々な競技の垣根を越えて総合的な成長を促せるような世界基準のMMA環境が少しでも整っていけばいいなと今回のRTUの結果を見て感じた。


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