[UFN221]バンタム級のトップランカーが激突する!
日本時間の3月12日に開催されるUFC Fight Night 221のメインイベントでバンタム級のトップ同士が激突する。
ピョートル・ヤン(2) VS. メラブ・ドバリシビリ(3)
元バンタム級チャンピオンのヤンはアルジャメイン・スターリングとの再戦を落とし王座への復帰に失敗すると、次戦でぶつかった当時下位ランカーのショーン・オマリーにも僅差の判定で敗れて現在2連敗となっている。
対するメラブ・ドバリシビリは現在8連勝中と勢いに乗っており、アグレッシブなファイトスタイルでバンタム級のランキングを駆け上がって来た。
ただその勝利のほとんどは判定であり、フィニッシュしたのは全盛を過ぎたマルロン・モラエスとの一戦だけとなっている。
戦績の落ち込んでいるヤンはドバリシビリを退けてタイトル戦線に残ることは出来るのだろうか。
試合前からバチバチの二人
前日計量を行った後のフェイスオフであわや乱闘となりかけた両者は試合が始まる前から激しく火花を散らしている。
お互いに「戦い」という言葉がよく似合う好戦的なファイターなので、面白いMMAを見ることが出来る可能性が高そうだ。
ファイトスタイルと5Rマッチ
ヤンとドバリシビリは恐らく噛み合うと思うが、そのファイトスタイルには根本的な違いがあるように感じる。
ヤンは序盤にガードを固めて圧力をかけながら試合を作る傾向にあるのでスロースタートとなることが多いが、ドバリシビリは序盤から手数を出しながらタックルを仕掛けて果敢に攻めていくので、スタートからとてもアグレッシブになることが多い。
ドバリシビリはヤンとの戦いでも打撃の距離が計れたらどんどん仕掛けていくのではないかと思う。
ただ、ヤンとドバリシビリでは5分5Rの試合経験が異なる。
ドバリシビリはヤンを相手に5R変わらず動き続けることが出来るのか、その点ヤンは長いラウンドの中でプランを実行してきた経験が豊富にある。
前半でドバリシビリが優勢を築いたとしても後半に失速するようなことがあれば、ヤンがKOする可能性は高まる。
けれどオマリー戦のように取り返すことが難しいくらいポイントを削られてしまうと、ヤンは後半で優勢を築いても接戦の末に僅差で負けるというこれまでと同じ結果に落ち着いてしまう可能性が高い。
なので自分の強い時間帯を有効に活かせた方がより勝利に近づくことになるのではないだろうかと思う。
ヤンがドバリシビリの活路を塞ぐことが出来ればヤン。
攻撃をもらいながらもドバリシビリがタフネスとガッツで押し切ればドバリシビリ。
ドバリシビリは異常なまでのガッツがあるので、手詰まり感を与えて活力を奪わない限り恐らくいつまでも暴れ続けるだろうと思われる。
攻撃力ではヤンが上だと思うけれど、耐久力という面ではドバリシビリが上なのではないかと思うので、ヤンは致命的なダメージをドバリシビリに与えることが出来なければ、5Rの何処かで盛り返されて耐久力でゴリ押されてしまうかもしれない。
予想
激闘が予想されるメインイベントはKO・TKO決着ではなく判定までもつれるのではないだろうか。
現状連勝中のドバリシビリの方が勢いがあるので、流れを持っていることは確かだと思う。
しかし、連敗で霞んではいるがヤンのMMAの強さには凄まじいものがある。
ストライキングが強く、タックルやスクランブルの対処が上手いヤンはドバリシビリの長所に対処し迎撃するスキルを持っている。
なので前半に果敢に攻めるドバリシビリの攻撃を処理しながら反撃し、スタミナ的にもメンタル的にも優位に立ちながら5Rを進め、要所要所でビッグヒットを与えながらダメージやポイントを奪っていくのではないだろうかと思う。
しかし窮地に立っても頑張り続けるドバリシビリは最後まで強力な反撃を続けるのではないかと思うので、2-1のスプリットの判定でピョートル・ヤンが最終的にランキングを死守する結果となるのではないかと予想する。
激戦の続くバンタム級
ここで勝った方が恐らくアルジャメイン・スターリングVS.ヘンリー・セフードの勝者とベルトを賭けて戦うことになるのだろうと思う。
トップ戦線で激しくぶつかり合うバンタム級の争いはこれからしばらく続きそうだ。
ライト級同様激戦区となっているバンタム級にはサイード・ヌルマゴメドフやウマル・ヌルマゴメドフといった強豪も控えているので、まだまだこれから盛り上がっていくことが予想される。
その中で今後どういったパフォーマンスを見ることが出来るのか、その点の期待が高まっている。
明日のメインイベントではそんなUFCバンタム級のレベルの高さを存分に楽しむことが出来ると思うので、両雄の戦いに注目していきたい。