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[UFC305] 新旧王者対決!アデサニヤVS.デュ・プレシ

いよいよ迫ったUFCミドル級のタイトルマッチ。

元王者のイズラエル・アデサニヤが復帰戦で現王者であるドリカス・デュ・プレシに挑戦する。

ミドル級タイトルマッチ
(C)ドリカス・デュ・プレシVS.(2)イズラエル・アデサニヤ


引用元:©︎Getty Images / UFC l Jeff Bottari

相性の構図で言うと、つい最近行われたウェルター級タイトルマッチと同じような状況になっているのではないかと思う。

中間距離から試合を作っていくエドワーズと、スタミナと圧力でゴリ押しながら打撃と組みをアグレッシブに仕掛けていくムハマッド。

エドワーズのような立ち回りを比較的得意としていることに加えて、そこが強みになっているのがアデサニヤで、ムハマッドのようなスタイルを強みとしているのがデュ・プレシ、ざっくりとしたタイプ分けをするとそんな感じなるのではないだろうか。

元々は相手を翻弄し封じ込めるのが得意だったアデサニヤだが、ペレイラやストリックランドが示したように、オフェンス的なグラップリングや一発の脅威性があまり高くないアデサニヤはプレッシャーを強められてしまうと相手を下げる手段が乏しくなってしまい、自身のリズムも掴めなくなるため、常に後手に回ってしまいケージ際で針の筵となってしまう弱点がある。

デュ・プレシは今回も間違いなくそこを突いてくるだろうと思われるので、エドワーズVS.ムハマッドのような展開が生まれるのではないかと思う。

そうなると、このタイトルマッチの組み合わせはアデサニヤが相性不利となってくることが予想されるので、個人的には王座初防衛の可能性が高いのではないかと考えている。

デュ・プレシを下げてスペースを確保出来るか


引用元:©︎Getty Images / UFC l Jeff Bottari

アデサニヤが王座を奪還するためにはデュ・プレシの前進を止める必要があるだろう。

しかもスタミナで勝るデュ・プレシより優位に立つためには5Rの前半の部分でそれを実行し、ダメージの部分でも上回っている必要があるのではないかと思う。

何故ならデュ・プレシはタフで積極的なオフェンスが出来ることに加えてスタミナもあり、5Rの終盤でも手を出していくガッツがある。

これが後半戦で大きな違いを生み出す要素となって響くことが多く、ポイント勝負となった場合でも僅かにリード奪う働きを見せることになる。

なので、アデサニヤは前半戦で生き残るためのリズムを掴みながら、後半戦で優位を失わないようにダメージを蓄積させておく必要があるのではないかと思う。

ストリックランドが示した一つの有効手段


引用元:©︎Getty Images / Getty Images Sport l Vaughn Ridley

そのための活路を見出す一つの手段が「ジャブ」になるのではないだろうか。

デュ・プレシはストリックランド戦で果敢に攻めながらもストリックランドのジャブに苦労していた。

結果は僅差でデュ・プレシの勝利となったが、ストリックランドを支持する声も出るくらいの競った内容になっていたので、デュ・プレシの前進を止め、ペースを掴むためには「ジャブ」が有効になってくる可能性が高い。

また、ダメージを与える手段として考えられるのは「カウンター」「カーフキック」になるのではないかと思う。

これはアデサニヤが自身の攻撃手段として上手く活用している手でもあり、実際にこれまでの相手を苦しめてきた実績もある。

しかし、デュ・プレシのようなタフでアグレッシブな相手に細かく蓄積させていくことはあまり有効とは思えないので、ダメージで優位を取るためには「少ない手数で確実に効かせていくこと」が重要なポイントになってくるのではないかと思う。

それで相手のプレッシャーを抑え、スペースを確保することが出来れば、アデサニヤの土俵となってくることが考えられるので、そうなればアデサニヤが強くなる展開へと持ち込んでいくことが出来るのではないだろうかと思われる。

相性有利か?初防衛を目指す王者・デュ・プレシ


引用元:©︎Getty Images / UFC l Jeff Bottari

アデサニヤの弱点を突くにはもってこいの性能を持つ屈強なファイターのドリカス・デュ・プレシは、パワー・スタミナ・タフネスといった多くの要素でアデサニヤよりも優位に立っているのではないかと思っている。

その長所を活かしてアデサニヤをケージ際に追い込み、ひたすらにダメージを与え、一方的な展開を作り出していくことが可能だろうと考えられるデュ・プレシは、5Rの中でアデサニヤを削っていく手段を多く持っているファイターなのではないかと思う。

テクニックや上手さではアデサニヤに劣るところがあるかもしれないが、それは他の強みで強引に擦り潰すことが出来るだろうと思われる。

例えば、スタミナ勝負に持ち込むためにデュ・プレシがレスリング勝負をひたすらに仕掛けていけば、自分よりも先にアデサニヤを弱体化させることが出来るだろうと思う。

それはつまりデュ・プレシがデサニヤの長所を封じながら有利に試合を運ぶ選択肢を持っていることを表している。

それを考えると、やはり致命的なダメージやアクシデントに見舞われない限り、多くの場面でデュ・プレシが強く出られるポジションに着くこととなるのではないだろうかと思う。

ただ、ストリックランドよりも多彩な攻撃手段を持つアデサニヤとのスタンド勝負で、不用意に攻撃をもらいすぎると懐に入っていくことが難しくなってしまうので、圧力を掛けていくことが有効とはいえ、流れを気にした処理がデュ・プレシには必要となってくるのかもしれない。

果たして新王者・デュ・プレシはミドル級を統べる屈強な王者であることを証明することが出来るのか。

これまでの時代を引っ張って来たトップファイターを下して時代の移り変わりを示すことが出来れば、デュ・プレシは「新たな流れ」との勝負まで負けることはないのかもしれない。

そんな「ここまで」と「これから」を分ける大一番。

ハイレベルな個の力がぶつかり合う大注目の一戦の行く末を考えながら、その時を楽しみに待ちたい。


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