フライ級タイトル戦線に残るのはどちらか
UFCフライ級2位のブランドン・モレノと3位のアミル・アルバジが今週末のイベントで対戦する。
モレノは王者であるパントーハとランキング1位のロイバルに敗れて2連敗中となっており、再び王座に挑戦するためにもここで勝って次に繋げていきたいところ。
対するアルバジはUFC5連勝中でUFCでの負けはなく、タイトル挑戦権を有していたが、怪我によって戦線を離脱したことでその機会を逃してしまった上にランキングも下がってしまっている。
また、アルバジが離脱前にUFCで行った最後の試合はカイ・カラ・フランスのとの一戦であり、この試合は見る人によってはカイ・カラ・フランスの勝ちと評価できるような接戦となっていた。
しかし僅かにアルバジがリードしたとジャッジは判断し、スプリットの判定でアルバジがギリギリの勝利を挙げることとなった。
これが長期のブランクを作る前のアルバジ最後の試合。
結果的にアルバジは勝ってはいるが勢いに乗るような勝利ではなかった上に、その後試合を長らく行っていないことを考えると、5連勝中とは言え拭えない不安があるのではないかと思う。
不安という意味ではモレノも同様だ。
モレノはフライ級を制していた元王者のデイブソン・フィゲイレードと王座をかけた戦いを繰り返し行い、最終的に勝利を収めてモレノが王座を獲得したが、初防衛に失敗しパントーハに王座を奪われている。
そして復帰戦となったロイバルのとの戦いにも敗れタイトル挑戦からも一歩後退してしまった。
因みにこの2連敗はどちらもスプリットによる判定負けで、2回とも激戦の末に勝ち切ることが出来ずに敗れてしまっている。
特にロイバル戦はモレノらしくない弱々しさが感じられる場面があり、次に響きそうな厳しい敗戦に見えた。
倒れては立ち上がり前を向いてきたモレノの気持ちが折れかかっているようにも見えた前戦のことを考えるとモレノにも相当な不安がある。
相手は長期離脱していたとは言え、5連勝中のタフなトップファイターだ。
今の状況で超えるにはかなり大きな壁であると言えるだろう。
結果予想
○アミル・アルバジ(3位)VS.●ブランドン・モレノ(2位)
※判定3-0でアルバジの勝利
お互いに総合力が高くなんでも出来るファイターなので、かなりレベルの高い戦いとなってくることが予想される。
ただ持っているスキルが拮抗していた場合、パワーのある方が優位を築くと個人的には思っているので、アルバジの方が一発のパワーや重さを活かしてスタンドから自分の展開や流れを作っていくことになるのではないかと思う。
フライ級は特に持っているパワーの最大出力の違いによって有利不利が大きく分かれてくる階級だと思うので、技術やスピードはあるがパワーで劣ると思われるモレノの方が厳しい戦いになってくるだろうと感じる。
この相性を超えることが出来るファイターは本当の意味でMMAが強いファイターであると言うことが出来ると思うので、モレノがどこまで自分の試合を作っていくことが出来るのかというところに注目が向けられる。
恐らくアルバジの方が筋量は多いと思うので、スピードとスタミナの部分ではモレノが有利になってくるかもしれない。
その有利性を活かして5Rマッチを上手く進めていくことが出来ればモレノも勝利を掴むことが出来る可能性はある。
果たして王座に挑戦する可能性を残せるのはどちらか。
アルバジはトップコンテンダーの中でも一人だけ王者に実力をまだぶつけていないファイターなので、この試合の結果次第ではタイトルマッチへの期待も大きく高まってくることになるだろう。