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オリジン世代からの遺言


最近よく、Z世代という言葉を耳にします。
1990年代半ばから2010年代の序盤までに生まれた若者のこと。デジタルネイティブ世代とも呼ばれ、SNSを通じて交流することが当たり前の世代のようです。
それなら、noteで交流する私もZ世代?
さすがにそれは無理ですね。

Z世代の前はY世代 (1980年代~90年代中盤)、その前はX世代(1960年代中盤~70年代終盤)。

さらにその前はといえば、終戦直後から60年代序盤までがベビーブーマー世代で、なかでも、1946年から1950年までの『団塊の世代』は有名ですね。


では、戦前を含めて、私のような現在70歳以上の世代をまとめた呼び方はあるのでしょうか?

国は65歳以上を高齢者、75歳以上を後期高齢者と呼んでいるので、単純に『高齢世代』と言うことはできるでしょう。
しかし、それではあまりにも事務的で、マイナスイメージが強すぎます。
それでなくても『老害』などという不届き千万な言葉で罵倒される世代。
高齢者に対する社会的偏見や差別は「エイジズム」と呼ばれ、いまや世界的にも問題視されています。

では、『長寿世代』はどうでしょうか。
古希(こき)70歳を超えると、喜寿(きじゅ) 77歳、傘寿(さんじゅ)80歳、米寿(べいじゅ) 88歳、卒寿(そつじゅ)90歳、白寿(はくじゅ) 99歳、百寿(ももじゅ) 100歳、さすがに120歳の大還暦(だいかんれき)まで迎えることは難しいですが、こうした長寿のお祝いが目代押しです。

あるいは、この世代は戦後復興を担った『復興世代』とも言えるでしょうか。

いずれも直接的で分かりやすいのですが、私はあえてこの世代を、日本の戦後復興の「起源」を築き、新しい時代の「原点」という意味を込めて、『オリジン世代』と呼びたいと思います。
どこかのお弁当屋さんのコマーシャルではありませんよ。

この世代は、貧しさも豊かさも、戦争も平和も、専制主義も民主主義も、ミサイルもロケットも、テレビもスマホも、憎しみも優しさも、老いも若さも、およそ現代に通じる全ての世相を経験してきた、まさに戦後の新しい時代の「起源」であり「原点」とも言える世代なのではないでしょうか。

世界は今後、急速に少子高齢化へと向かっていきます。
日本はその先駆けとして、真っ先に様々な問題に直面し、その解決策を見出していかなければなりません。
その際、少子高齢化をマイナスと捉えるのではなく、新しい時代への契機と捉え、オリジン世代の経験と知恵と力を最大限に生かすことが必要です。

この世代は、孫に優しいおばあちゃん、おじいちゃんであり、子ども世代の子育てを支える、頼りがいのある支援者でもあります。

この世代は長い健康寿命を生き、現役の働き手として、また、ボランティアや地域の世話役として、様々な場面で、社会に貢献している世代でもあります。

ロボット技術や生命科学やAIの発展により、今後ますます健康寿命が延びれば、この世代が社会に果たす役割はさらに大きくなるでしょう。
これからの時代は、まさに長寿世代の活躍にかかっているとも言えます。

これからの社会は、若い世代と長寿世代が協力し、役割を分担しながら、互いに支え合う協働社会でなければなりません。

日本は世界一の長寿国として、オリジン世代の知恵と力を生かしながら、世界の模範となるべき持続可能な社会を築いていく必要があります。
日本には、そのための大きな可能性があると、私は思います。

Z 世代とその後のα世代の若者たちが、未来を悲観することなく、それぞれの個性と能力を存分に発揮できる、夢と希望に満ちた社会を、私たちオリジン世代とともに築いていきましょう。
未来はあなたたちのものです。

最後に、オリジン世代からZ世代、α世代への遺言として、知ることの大切さを伝えたいと思います。

足るを知り
人の痛みを知り
生きる喜びを知る


ありがとうございました。


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