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社会人生活と無意識の涙について

会社にいると、よく涙が出ていまして。ずっとデスクワークによるドライアイかと思っていたんですけどそうじゃなかったかもしれないね、という話。

そういや社会人一年目から出てた

最初に涙が出たのは、社会人一年目の冬の日。出社中の朝のこと。もう十年以上前の話です。
会社の前で、チームリーダーの主任に会った。「おはようございます」と挨拶をした途端に、ポロポロと涙。
感情を全く伴わなかったので、ドライアイですかね? と談笑しながら一緒に出勤。主任と喋っている間はずっと涙が出ていました。

不思議でたまらなかったけれど、仕事は一日パソコン作業のようなものなので、これが目を酷使して働くということか…と社会人の洗礼を受けたような気持ちになったことを覚えています。

オートで出る涙

それからずっと、仕事と涙(認識はドライアイ)はセットのようなものでした。
意識してなかったのですが、改めてどういう時に出ていたかと考えると、人と目を合わせて喋っている時でした。
てっきり、焦点を合わせているからかな〜と思っていたんですが、マニュアル読みながら涙が出たことはなかった。そういえば。

何度か眼科にも行っていましたが、深刻なドライアイの診断を受けたこともなかったので、その時点できっかけは別のところにあるぞと気付くべきだったのかもしれません。
でも、勝手に出てくるものだったので、感情起因だと思うことはありませんでした。

同期との食事で初めておかしいなと感じた

四年ほど前の話です。
弊社は数年おきに部外異動がある前提の働き方なのですが、以前いた部署の同期が私の部店の最寄り駅に来る予定があるということで、晩ご飯に行くことになりました。
わーい!という気持ちで約束しましたし、その当日までトラブル対応でバッタバタだったので、この約束を楽しみにしていました。

なのに、会社の前で待ち合わせした途端、涙がじわり。そしてポロポロ。
トラブルはExcelでガン詰…みたいな対応だったので、それを話して「ドライアイがやばくて!!」と話のネタにすらしていました。

変だよね、そのExcelをいじっていた時は、涙は全然出ていなかったのに。
食事が終わった後もハンカチが手放せない違和感に、私は初めて気がついたのです。

休職中、自分自身を観察してみた

入社して十年以上経ち、現在二回目の休職中です。春復帰予定。
同期とのご飯で覚えた、あの違和感はずっと残っています。

どうやら、ストレスを感じている人と会話をしていると、私は涙が出るらしい。
でも、仕事は忙しすぎて支障をきたしたわけで、対人関係のトラブルはなかった。身内ではストレスを感じまくっていたけど、社会人になってから、人間関係では何もなかった。

と、思っていただけだったかもしれません。
だって、涙出てるもん。自認してる事実より、自分の身体に起こっていることを信じてみよう。

これは、休んで余裕が生まれたことにより、浮かんだ考えです。マインドフルネスから瞑想の本も読んでいくつか実行したりしたので、自分の体の観察に慣れてきたのもありました。

「社会人」になるために内も外も頑張っていたんだね

化粧は、社会人になってからするようになりました。好きになる前に、出来るようになる必要があったから。だから上手くいかなくて、朝の支度はいつも嫌いでした。

ビジネスカジュアルと仲良くなるのに十年かかりました。私はちょっと変わった生地や形のカジュアルが好きなのですが、会社では着ることができないので、一から買い直しになりました。何から買えばいいかわからず、雑誌で言う抜け感も理解出来ず、会社では地味だと言われていました。

飲み会では、お酒は好きだけど酔わないから、理性を失ってテンションを思い切りあげるのには辟易していました。私には終電を逃して、三次会までカラオケに行く楽しさが分かりません。自宅の布団で寝るのが至福です。

でもそれをさらりとこなす同期や先輩がいて、この会社の人間ならこうならなくちゃと思っていました。
そうじゃないと、この会社で楽しく過ごせないから。
でもやっぱり苦手だと、頑張っても同じかたちにはならなくて、失敗を自分で見つけるたびに、的外れなことをするたびに、恥ずかしくなっていました。
そもそも外に合わせるための努力なので、努力も楽しくありません。それに、正解が分からないんです。なのに、何をしても間違いだと思ってしまって追い詰まっていきます。

たまに思い出したように、自分を出します。今思うと、それは息継ぎのようなものでした。
でもそうすると、やっぱり会社の人間とズレている気がして、その度に、消えたくなっていました。
仕事だけでも十分ストレスなのに、私が「私」として過ごすだけで、とても緊張するのです。
次第に、私は自分がどういう人間かを忘れて、居心地の悪さだけを覚えいるようになりました。

今回の休み中、それに気がついて、「私が私でいられたら、涙は出ないのでは?」と思ったのです。

実験:同期とのプライベートランチ会

先日、偶然にも同じ同期と、プライベートでランチに行く機会がありました。嫌々ではありません。仲は良いのです。多分きっと。

私は今まで、会社の人間と会う時は、会社なりの格好をしていました。
オフィスレディ、大人で、少しカジュアルを入れて、品があって、化粧はそつなく、美しく見えるように。
無理です。私に無理だったのです。
だからボロが出て、ボロを見つけるたびに羞恥心が湧くのです。
なので、当日は私なりの好きな格好で赴きました。プライベートということも、私を後押ししました。

隠れツーブロを隠さず、ポニーテール。
眉毛をパウダーで描くのは好き。コンシーラーで皮の薄い目の下だけ色を明るく。後はパウダー、クリームチークを少しだけ。
ピアスはチェーンのロングタイプ。ワンピースにタイツはブルー。ナイトメア・ビフォア・クリスマスのサリーのようで可愛かったやつ。

サコッシュにハンドクリームとリップ、コートのポケットには文庫本とちいかわのフィギュア、そしてスマホとBluetoothイヤホン。手ぶらで身軽が大好きなので。

そんな私で行ってみたら、なんとほとんど涙は出ませんでした。
私が持っていた「会社の常識」と比べたら、すごくズレている格好をしているのに。
その日はとても身軽で、少し緊張したけれど、楽しく過ごせました。
同期とのご飯は、中身だけで良かったようです。外見は後付け。私が好きにすればいい。

次の目標

復帰して、会社の人と目が合っても、泣かないようにしたいです。
涙が出るじゃなくて、今まで泣いていたんですね。そしたら自分を慰めてあげなくては。

私が私の味方でいられるような、恥ずかしいなんて思わなくてなるような。言い訳する必要が無いくらい、好きな格好をして働きます。

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