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昭和のサーフィン物語 8
集合の号令がかかった翌週の日曜日の夜7時・・・
地元で有名な結婚式場の『中小企業福祉センター』の会議室では 河原子ビーチを本拠地とするチームリーダー、並びに 近くのポイントのチームリーダーなど・・、総勢20名ほどが向かい合って座っていた。
この会館が何故有名かというと そのリーズナブルな結婚式費用に尽きる。
もともと 中小企業に働く勤労者のために 県が作った会館であったため、その使用料がバカ安なのであった。
1人3,000円の料理を頼めば あとは ほぼすべてタダ!!
衣装代→会館に用意してある衣装を使えばタダ!!
司会、照明、ミュージック→機器は全部揃っていて 友達にやらせれば全部タダ!!
タダ タダ タダ・・・
何という素敵な響きなのだろう!?
とにかく ほぼ 3,000円×人数で 式が上げられるのである!?
(酒は持ち込み可)
総額20~30万円で 結婚式が出来ちゃうという貧乏サーファー御用達の会館だったのであった。
(40年前の話であり、現在の料金規定は不明・・・)
そんなところで第1回の会議を開いたというのは 誰かがここで式を上げたに違いないのである。
ブヒョ!!
ホーガンさんの音頭取りで集まったサーファー達・・・
(しかし そのメンバーの半分以上は 暴走族上りのサーファー達なのであった。)
その凶悪な(!?)顔に似合わず 日立サーフィン連盟発足(HSA)の輝かしい瞬間に 緊張するみんなだった。
本来 音頭を取るべきブルーOャークの神様達は 年齢的にも30代半ばの人達が多く、『若いサーファーに任せたい!』ということでホーガンさんに白羽の矢が立ったのである。
「では 時間になりましたので 会議を始めます」
静かにホーガンさんが話し出した。
「まず 最初に日立サーフィン連盟を立ち上げるにあたって 会長を決めたいと思います。」
全員 「シーン・・・・」
「それでは ブルーOャークの諸先輩からの指名も有りまして 私が初代会長ということで宜しいでしょうか!??」
『文句が有るヤツは殺すぞ!!』という殺気を漂わせながら 周りをひと睨みするホーガンさん・・・
「パチ・・ パチパチ・・・ パチパチパチ・・・」と次第に拍手が大きくなった。
もちろん 逆らうなどという命知らずなヤツなど居る訳がない!?
「次に その他の役員や会費などについて・・・・ あ~して こうして こうなって・・・ △●■・・・ 」
次々と勝手に決めて行くホーガンさんだった。
それ等を 拍手で追認する俺達・・・
日立サーフィン連盟の初期・・・、それはホーガンさんの独裁体制だったのである。
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