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ごすがたり。『Soul Serenade』編

こんにちは。伍月鹿です
本日からは特別企画を開始します!

今年の12月21日、日本を代表するボーカルグループ・ゴスペラーズが30周年を迎えます
お祝いの気持ちを込めて、本日から5日間はゴスペラーズ語り、題して「ごすがたり。」企画を行います

わたしとゴスペラーズとの出会い等は過去の記事をよろしけレバー

かれこれ20年ほど応援しているゴスペラーズ
生活の一部すぎて常に「愛しているって最近言わなくなったのは本当にあなたを愛し始めたから」状態ではありますが、新譜や新情報が出るたびに好きになった当時と変わらない熱量でわくわくできるのが、本当に幸せだなあと思っています
なんだかんだで彼らの好きなところは、楽曲
そこで、個人的に名盤と感じている5つのアルバムをピックアップして好きなように語ってみようというのが今回の企画です

『Soul Serenade』

第一弾の本日は名盤『Soul Serenade

ゴスペラーズの影響でいろいろな音楽に触れるようになりましたが、やはり大好きなのはソウルやR&B
男が女にごめんなさいと謝る音楽が好き(これはSOSのTAKEさんがよく言っている表現)
ソウセレはそんな濃厚な楽曲の詰まった挑戦的で革新的な一枚です

2000年発売、ゴスペラーズにとってはじめてチャートインしたアルバムです。これが売れなければ解散していたかもしれないのに、そういうアルバムで結果を出すの超かっこいい。出会えてよかったです

ゴスマニの中でも不動の人気を誇る一枚ではないでしょうか。特に『永遠に』のヒットではまった人にとっては最初のアルバムだったと思われるので印象が強い一枚でもあるのでしょう

略称は「ソウセレ
わたしが持っているアルバムは一人暮らしを初めてから買い直した中古ですが、おそらく発売当初のもの
帯には「ゴスペラーズオリジナル・グッズプレゼント!!」の応募券がついています。永遠にのシングルに入っていたハガキに貼って応募すると抽選100名様にグッズがあたったようです
というか、当時アルバム3059円ですって。安いなあ

◇ジャケット

ビジュアルがいいですよねえ
メンバーの3人が茶髪。てっちゃんも染めているのかな。酒井さんはセミロングのロン毛が似合っていますし、シャツ一枚の着こなしも全員素敵
今思えば、まだ身体の厚みがない30代手前だからこそこのシンプルな装いが映えている。最初にアルバムを手にしたときはすごく大人に見えましたけど、ぴっちぴちに若い五人の雄みにいまならきゅんとできます
こういう、全員が黒を着ているときに青を着る酒井さんの役割が好きすぎる。スタイリストさんわかっている。シャツをインした清潔感ある着方も最高。推し

◇収録曲

1 パスワード ーPowers G Mix-

シングル曲。そもそもこの曲を当時の日本でシングルカットするの攻めてる
ボーカルアレンジがシングルバージョンとは異なっているそうです。そういえばあんまり聞き比べたことない
背後でずっと鳴っている打ち込みのビートがかっこいい
サビのコーラスの低音がいいですよねえ。安岡さんと酒井さんと北山さんのミックスかな。ここ、という入ってきてほしいところでハモるから聞いていてすごく気持ちが良い曲

2000年は家庭用のパソコンも普及して、パスワードを設定して入力して解除するという行為が身近であり、未来的でもあったような印象を91年生まれのわたしは抱いています
いまの子が聞いてもそういうエモさは別に浮かばないのかなあ。逆にどういう気持ちで聞いているのか聞いてみたい

2 永遠に -Album ver-

言わずもがな、大ヒットシングル曲。もはやゴスマニの国歌
イントロが30秒ある曲。当時、音楽が広まっていく媒体はラジオだったので、イントロが長い曲は流してもらえないといわれていたようですね。でも、いろんな人がいろんなところで流し続けた結果ヒットしたというエピソードも含めて大好き
イントロを短くしたラジオバージョンもあるし、周年ごとにベスト盤に入るし、ゴスマニのプレイリストは永遠にだけで10曲くらい入っているのはあるあるだと思います。すいません、いまだにウォークマン派なわたしだけかもです
アルバムバージョンは終わり方が違うとか。いろんなバージョンあるのに全部好きぃとなってるからあんまり違いを意識していないかもしれない。でもイントロでどのバージョンかはなんとなく当てられます(謎スキル)

3 Forgive Me

さて、ここからソウセレ本領発揮です
濃厚。とにかくこのアルバムはずっと濃い。ずっとメロウ。ずっとソウル。NYでマスタリングされたアルバム全体の鮮麗された濃厚さはいつまで経っても色あせない
なんといってもこの曲は黒沢さんのシャウト
またラスサビ前のドラムが止まるところ。五人本気のコーラスが入り交じるところはたまりませんね
こういうド直球な曲をドストレートに歌えるのがゴスペラーズが日本で唯一無二なところだと個人的には思います

4 裸身

山田ひろしさん作詞の曲はどれもどこか文学的なのが好き
わたしはゴスペラーズでおなじみの方ですが、けっこう声優界やアイドル界でもおなじみの方らしい
タイトルから分かるとおり、この曲、要はすっぽんぽん。でも、それだけではない美しさや初夜の感動なんかも詰まっていて、ロマンチックなのがわたし好みです
わたしもラブシーンは勉強中の身ですが(※伍月鹿は普段BLを中心に創作活動をしています)、現実味はともかく、こういう美しく清潔な表現に憧れてしまいます。だってこの歌詞、よくよく読んだらけっこうすごい。こういう曲をふしだらけでいけません、と当時小学生だったわたしにも遠ざけることなく聞かせてくれた親に感謝したいです(伍月少女とゴスの出会いは過去記事にて)

北山さんが作る曲はどれもキラキラしていてロマンチックなんですよね。カップリングで安岡さんと組んで作っている曲はひそかにどれも「キラキラ曲」と呼んでます。ある意味、一番JPOPっぽい曲を作っているのが陽ちゃんのイメージ

5 夢の外

灼熱の後半戦が近づいて参りました
『永遠に』やのちに『ヒカリ』などを手がけたブライアンとJ.Que参加曲です。彼らの作る曲とゴスの相性良すぎる
音楽は全てアメリカが一番というつもりはありませんけど、やっぱり世界中を席巻しているNYの音ってかっこいいですよねえ。日本では絶対に作れない音がどんどん出てくる。アルバムを通して聞いていても、やっぱこの曲だけレベチでサウンドがかっこいい
G20ツアーで生で聞けたの本当嬉しい。ダンスもバンドアレンジもかっこよすぎました

6 Unlimited

黒沢さんの作る不倫ソングは名曲の法則
この曲、音に対して歌詩の乗り方が気持ちいい。うまく表現できないんですが、いわゆる音ハメみたいな状態がずっと続いている。ゴスの曲だと『熱帯夜』とかもそうですよね
1番では「どういう訳か今日も帰らない」のところが2番では「一体どんな夢を見るの」になっているのとか、不規則なフレーズなのにずっとハマっている

「妄想が暴走さ」は声に出したくなる日本語
余談ですが、冒頭の「よろしけレバー」も酒井さんが考案したギャグです。酒井さんはもう全然使っておられませんが(笑)わたしはよく使っています

7 Free Space

酒井雄二さん作詞作曲はもれなく名作の法則
当時の酒井さんは打ち込み機材で作曲されているんですよね。詳しくは『ノーカット』に記載があるので省きますが、また他の4人が作る曲とは印象が違う。背後に使われている音数も多いし、構成も全然違う。酒井雄二ブレイクの年の数年前ですが、すでに彼の天才性は片鱗を見せている。いま聞くとよりそういったことが感じられます
ラップのようなパートがあるのが特徴ですね。酒井さんのファルセットは色っぽい

8 Slow Luv

酒井さん作詞作曲は以下略
Slow Luvは隠れた名曲。ゴスマニみんな好きなやつ。わたしは15周年漂流記のパフォーマンスが最高傑作だと思っています。DVD収録の日、酒井さんのコンディション自体はそんなに良くなかったのに、そこで調整してフォローしあっているコーラスとボーカルラインとアレンジが神すぎる

Free Spaceから続いて酒井雄二ワールド全開な流れで聞かせるのもパーフェストすぎる
一見世界観がわからないけれど、よくよく聞くと情景が鮮明に浮かぶ曲。皆が知っている感情を酒井さん独自の切り口で語る曲。山田ひろしさんの文学的ロマンチックさとも絡み合って、最終的にこの曲の良さを表現する語彙が消失する。良すぎる
始終歌唱力で五人が殴り合っている。メインは酒井さんと村上さんと黒沢さんなのに、五人それぞれが大暴れした結果、情熱的な曲として盛り上がっていくのは何回聞いても良い

「余白を埋めるキスが少しは楽だろう」とか
「見ないフリはもう続けられない光」
「邪魔なリィズンなどいらない」のとこ好きすぎます。何を食べたらこんな表現ができるようになるの

9 月光

年少タッグのキラキラ曲です
ここまでの曲で情熱的に愛を確かめ合っていた二人が、『月光』で「何も怖くない」の境地に至る感じがします。情緒のない言い方をすれば賢者モード的な(本当にごめんなさい)
ピロートーク的なね? 上り詰めたあとに一回落ち着く的なね? だってこの曲順だし(ごめんなさい)

こういう繊細な曲を生でも遜色なく歌い上げられる陽ちゃんの歌唱力が最高ですよね
ベースボーカルがソロで歌えばこんなに透き通った高音を出せる、ということのすごさが、ゴスに触れていると当たり前すぎてあまり意識できない。北山さんのそういう側面が大好きな人も多いと思います。わたしの周り、キタマニが一番多いです
ユタカさんオンステージになったとき、客席の空気を全部持って行くのも大好きです。ユタカさんがメインで歌っているとき、客席は全員ユタカさんの女にされている気がする

10 MIDNITE SUN

クライマックスにこの曲。最後までチョコたっぷり。村上さんの作るドライブソングです
指が動かなくなるまでレコーディングしたという、酒井さんのトークボックスが印象的な曲
日本だとあまりトークボックスを使用した曲少ないのかもしれません。でもわたしは馴染みがあるし、かなり好きなんですよね。最近は別の技術もあるから滅多に見なくなっちゃったイメージ

ドライブするほど親密で、レコードなどの思い出もあるのに「友達だなんて思っていないよ」と「ずっと好きだったよ」でオチをつけるのがすごく村上さんっぽさある

11 One more day

ラストはアカペラ!
アカペラサークルからデビューして、でもボーカルグループとして売り出し、コーラスの良さが評価され、結果『ひとり』のアカペラで知名度をあげる、というゴスの軌跡は、音楽の消費が短くなってしまった現代ではもう誰も真似できないと思うんですよね
ソウセレもここまで一曲もアカペラが入っていない、というのがしびれる。でもその一曲の完成度が高いのもしびれる。でも今後、どんどんアカペラの音は洗練されていくのを知っているのでまたしびれる
この満足感こそがソウセレを名盤とする理由です


冒頭でも書きましたが、殆どのCDは母のものなので実家を出たときに音源だけ保存してきた状態だったのですが、ソウセレは自分で買い直しました。そのくらいアルバム一枚の完成度が高くて、手元に置いておきたくなる名盤です
久しぶりに通して聞くと若さやまだ生まれていない技術なども感じますが、この完成度や本気が永遠に世に残るって羨ましいな。そんな希有な人生を歩める五人が誇らしいです

これから5日間、よろしくお願いします

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伍月鹿
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