黒と混ざって【台本】
真っ二つになった
長い事愛用していた俺の相棒は、この日居なくなったんだ
折れた、否、折った先から滲んでいく
痛い痛いと泣き叫ぶ様に溢れて、黒い血を流している
掬おうとした手は破片で切れてしまった
俺なんかが、もう、お前に触れてはいけなかったのだ
書かないといけない
書けないといけない
書き続けなきゃいけない
そう思ってやって来た
誤魔化して来た
でも、限界だった
こんなんじゃ駄目だと力任せに筆を握り書き綴った
ぱきり、と
そうしたら、いとも簡単に折れた
俺の心みてえに
傷口から流れ落ちるそれは
黒と混ざって
なんて
なんて
汚ねえ色なんだろうか
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