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ふるさと納税で多良木町の梨「新高」を楽しむ
ふるさと納税デビュー
実はふるさと納税を始めたのは昨年である。それまでは、自身の住む街の税金が減ってはいろいろ困ると思ってしていなかった。だが、ようやく我が街でもふるさと納税制度を導入したのと、一度くらいはふるさと納税をしてみようという気になり、遅まきながら体験したというわけだ。
様々なところがふるさと納税の返礼品を出していて選択に迷う。食いしん坊で特に果物が好きなので、その中から選ぶことにした。好きなフルーツを基準に災害で被害を受けた地域なども考慮に入れつつ、いくつかの市町村にふるさと納税をした。そうして手元に届いたフルーツはどれも非常においしく、スーパーで買う安いフルーツとは大違いであった。
多良木町のふるさと納税
一年だけのつもりだったが、あまりにおいしいフルーツが届くのと、税金の使い道を自分で選べることから、今年もふるさと納税をすることに。その一つが、昨年も頼んだ多良木町の梨である。今年は2種類の梨を頼むことにした。
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2つ目に来たのが「くまやま 梨」の「新高(にいたか)」という種類の梨である。まず開けてびっくり。ごく普通のスーパーで見かける梨より数段大きい。片手で持てないことはないが、持ち上げるには両手が必要なほど大きくて重い。一人で食べるには半分でも多いほどの量である。
スーパーで見かけるのはほとんどが豊水や幸水ではなかろうか。筆者はフルーツの中でも特に梨が好きで、旬の季節になるとどんなに懐が寂しても他を頑張って節約し、最低でも年に1回は食べるというほど大好きなフルーツだ。だが「新高」という種類は初めて食べる。さて、どんな味なのだろう。
巨大な梨は、洋ナシと和梨のハイブリッド?
この「新高」なる梨、表皮が幸水や豊水よりゴリゴリ、ボコボコしている。だが、切った時の感触と果肉は他の和梨とほぼ変わらない。果汁もしたたるほどで、これは美味しそう。期待ができそうだ。
ひと口、口に入れてみる。しゃりっという触感と共に、じゅわっと果汁が口中に広がる。が、これは…。幸水や豊水のような味と触感を期待していたのだが、明らかに違う。少し洋ナシが入っているような感じの食感なのだ。果肉は少しとろみとぼやけたような口当たりである。味も和梨というより、洋ナシに近い感じがする。
品種改良で洋ナシと和梨を掛け合わせて作られた新種なのだろうか。熊本出身の知人におすそ分けをしたところ、昔から巨大な梨は熊本で作られていたそう。それと洋ナシを掛け合わせたのではないかとのこと。なるほど、それで食感や味が洋ナシに似ているのか。
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計っていないが、ずっしりとした実は1キロをはるかに超えていたと思われる重さ
最初は衝撃、慣れてくるとクセになる味
1個目は幸水や豊水を想像して食べたので、あまりの洋ナシ感にびっくりしてしまった。梨は好きでも洋ナシはあまり好きではないからか、おいしいのだが感激するほどの喜びはなかった。
たまにスイーツなどで良かれと思ってアレンジしたものの、オリジナルで勝負したほうがはるかに良かったという商品に出会うが、これもその一つか。そんな風に思っていたのだが、何せ8個も来たのだ。せっせと巨大な梨を食べていると、次第にその触感や味に慣れてくる。
2個目にして、食感が最初より少しは和梨に似ている気がしたし、3個目以降は「これはこれでおいしいかも?」と思えるまでになった。そうなるとこの「クセ」にハマったようで、逆においしいと感じられるまでに。
ジワリと効くのが狙い?
この梨は、最初から消費者をわしづかみにする味というのではなく、食べているうちにジワリ、ジワリとその良さを染み込ませ、ファンにしていく感じである。最後の8個目には「ああ、もうなくなってしまった。これで最後か」と名残惜しい気持ちにさせる。
「やられた、ハマってしまった」そんな風に思いたくなる梨である。生産者としては、消費者がこの味と食感に慣れたらしめたのもの、そんなところであろうか。
あまりの巨大さに、食べると体重まで増加してしまうので注意が必要であるが、クセになってしまった側としては、来年もふるさと納税でこの「新高」なる梨をお願いしようかと思案中である。
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蛇足:「新高」なる梨とはどんな梨?
ちなみにこの「新高」なる梨、洋ナシとのハイブリッドかと思いきや、「神奈川県の「長十郎」と新潟県の「天の川」を掛け合わせて作られ」たとのこと。肉質はやわらかめで多汁で、大きいものは1kgにもなるとある。どうりで重くて大きいはずである。
命名された時には、高知の「今村秋」と新潟の「天の川」を掛け合わせたとされていたため、それぞれの頭文字をとって「新高」と命名された。ところが近年になり遺伝子解析をしたところ、高知ではなく神奈川の梨「長十郎」との掛け合わせだと判明したそうだ。
てっきり洋ナシとの掛け合わせでできた比較的新しい品種だと思っていたのだが、なんと昭和2年に出来た古くからある品種であった。しかも幸水、豊水についで生産量の多い梨とは恐れ入った。昔から多くの人に支持されてきた梨だ。おいしいはずである。
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