人を崇拝しすぎるとどうなる…?忘れられないスナフキンの言葉
私は子供の頃から「ムーミン」が好きだ。
とりわけ大ファンというわけではないが、キャラクターやグッズを見ると気持ちがほっこりするし、本も少し読んだことがある。
出会いは小学生低学年のころ。アニメでその存在を知った。
おそらく私が観ていたのは岸田今日子さんがムーミンの声優をしていたころの作品。夏休みに再放送で見た記憶がある。
しかし、私が大人になって子供が出来てからムーミンが新ためて人気になってきた。
そしてまた再放送が始まった。
そのアニメはムーミン役は高山みなみさんになっていてキャラクターデザインも少し変わっていた。
ストーリーも第一回目のアニメより原作に忠実に作られていた。
私はすぐに気に入り子供と一緒にそのアニメを観ていた。
いつの回だったか忘れたがあるとき旅に出ていたスナフキンが森の中で彼のファンだという小動物に会うシーンがあった。
その動物はとにかくスナフキンを誉めて、彼に会えたことに喜んでいた。
あまりにはしゃぐその動物に向かってスナフキンが言った言葉に私は驚いた。
「おい、あんまり人を崇拝しすぎると本当の自由を失うことになるぜ。」
え?これって子供向けのアニメなんだよね…。
あまりの言葉の深さにとにかく驚いた。
これは私の推測だけど、ナチス、ヒットラーの事を言っているのかもしれないと思った。
作者のトーベ・ヤンソンさんの時代を考えるとそういう気がする。
この言葉は彼女が当時起こっている出来事について自分が思っていた事をキャラクターにのせて言ったのかもしれない。
でも、本当にその通りだと思った。
独裁者とまでは言わないけれど、自分の身近な人、例えば親、先輩、友達、先生、恋人などなど…。
尊敬するのはいいけれど、「私が尊敬しているのだからその人の言うことは絶対従います!」と決めてしまうと自分の考えが無くなってしまう。
反対の意見が自分の中に芽生えても押し殺してしまうだろうし、何をするにもその人の許可を取ったりしてしまうだろう。
これが崇拝しすぎるという事なのだろう。
自分で考えて決めて行動することが困難になってしまうだろうなと思った。
スナフキンが言ったことは子供たちがこれから生きていく中でかなり大切な事なのだろうと思った。
そのシーンを観ているときチラッと我が子に目をやったら、何もわかってないようだった。
まだ「崇拝」の意味も分からない幼稚園生だったから仕方ないが、今成長した子供たちに私はこのスナフキンの話をしている。
子供向けのものだと思っていてもなかなか侮れない。
それどころかこの作品に限らず子供向けの物には人間の基本となる事がたくさん書かれているのかもしれないと思った。
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