老人保健施設とは?
老人保健施設って・・・?まあ、普通に生活していて、基本的に係ることが無いので、あまり分かる人はいませんよね。高齢者施設は色々あります。有名なのは「特別養護老人ホーム」で要介護3以上の高齢者が基本的に亡くなるまでいる「終の棲家」と言われる施設で、「特養」と略します。
他にも「老人保健施設」、「介護医療院」、「グループホーム」、「在宅型有料老人ホーム」、「介護付き有料老人ホーム」、「サービス付き高齢者向け住宅」等、施設サービスはたくさんあります。今回は、「老人保健施設」について説明します。
老人保健施設はどういうところ?
老人保健施設とは、「歩けなくなった!」「介護が必要になった!」「認知症になった!」等の高齢者に対して、医師の医学的管理のもとにリハビリや自立支援、介護指導や栄養指導、相談援助等を提供して、ご自宅に帰る支援をする施設です。
と一般的にはこのように言われています。元々は、1980年代から「社会的入院」という現象が社会問題になってきました。「社会的入院」とは、簡単に言うと歩けなくなったり認知症(その当時は痴呆)等になって面倒がみれないという理由等、治療する必要がない人が入院することです。そこで、
自宅に帰れるよう支援をする施設が必要と国は考え、できたのが老人保健施設です。
ただ、一概に在宅に帰るためだけの施設とは言えないことも事実です。要介護が付いた高齢者は安易に在宅には帰れないのものです。本人の能力だけでなく、支援してくれる家族がいるかいないか?その家族が協力的かそうでないか?自宅はバリアフリーかどうか?そもそも寝たきりで24時間介護が必要!等など、様々な理由で在宅に帰れない方もいます。
そして、個々の老人保健施設の取り組みによってだいぶ違ってきているのが現状です。例えば、「入居期間は3ヵ月です!」という老人保健施設もあれば、「長くいていいですよ!」という老人保健施設もあります。
制度は同じですが、取り組みが違えば大分対応も変わってくるのは、老人保健施設に限らず、高齢者施設の特徴でもあります。
ですので、細かい事を言うきりがないのですが、まあ老人保健施設は、一般的に医師(夜間はいません)がいて、リハビリがあって、看護と介護、栄養管理や相談支援があり、大体3ヵ月~6ヵ月が入居期間と言われている施設と考えておけばいいと思います。
大体、老人保健施設の1月の費用は?
まず、高齢者施設の中に「介護保険施設」と言う種類の施設があります。それは「特別養護老人ホーム」、「老人保健施設」、「介護医療院」の3つです。この介護保険施設は、その世帯が課税世帯か、非課税世帯か?本人や配偶者を含めた預貯金な等がいくらあったかで変わります。
非課税世帯で、年金が80万円以下で預貯金等が600万円以下なら月に3万円程安くなります。また、80万円~120万円以下で貯金等が550万以下なら2万4千円程安くなります。120万円以上で非課税世帯、貯金等が500万以下では3千円程しか安くなりません。ただ、これは「介護保険負担限度額」という制度であって、住民票がある市役所で手続きが必要です。
また、1割負担~3割負担ので変わってはきますが、ほとんどの方は1割負担です。2割負担~3割負担の方は大体2万5千円程~6万円程上乗せされます。ただ、高額介護サービス費という制度があって、支払った介護保険料から所得に応じて一定額を超えると市から返金があります。
そして、介護保険施設は、「ユニット型」と「従来型」という2種類があり、そこで値段が変わってきます。「ユニット型」とは、簡単に言えば全部個室で9人ぐらいの小グループで生活し、職員の人員配置も少し手厚いです。「従来型」とは、主に多床室が多く(個室ももあります)、大人数で生活し、人員配置はユニット型より手薄いです。細かく言うと準ユニット型とかもあるのですが、あまりないので置いときます。
介護度や老人保健施設の加算でも変わってはきますが、月の費用をざっくり言うと・・・
ユニット型は13万円~14万円/月
従来型は、多床室(主に4人部屋)で8万円~9万円/月、個室で11万5千円~12万5千円/月
ぐらいは最低かかります。この料金の中に、薬代とおむつ代、食費と部屋代が入っています。また、最初の3ヶ月間はリハビリの回数により、3千円~1万円変動します。薬代やおむつ代は包括払い(マルメ)と言われており、基本料金に含まれるため、薬を使う人使わない人、おむつを使う人使わない人も関係なく値段は一緒です。
そして、上記の料金から後はその施設施設によって、お金が上乗せされます。「日用品代」「教養娯楽費」「洗濯代」「特別な個室量」「理美容代」等、施設によって変わります。
大体は上記の値段に1万円上乗せぐらいになると思います。しかし、中には10万円くらい上乗せされるところもあるので、直接施設に聞くことをお勧めします。あとは、上記に説明した「介護保険負担限度額」が適応されれば、安くなります。
参考までに、ある多床室の老人保健施設では1割負担で、日用品代や洗濯代等全部込みで最初の3ヵ月が大体11万円くらいです。3ヵ月過ぎますとリハビリ料金がなくなるので10万円くらいになります。そして、介護保険負担限度額が適用されればそこからさらに、3千円程~3万円ほど安くなります。ですので安い方は、6万円程~7万円で入れます。
3ヵ月で退居しないといけない?
老人保健施設は一般的に3ヵ月と言われています。病院なんかも3ヵ月と言われたりしますね。しかし、制度上絶対3ヵ月で出ないといけないわけではありません。ただ、制度上というかその施設の経営の仕方によって異なるといった方が正しいです。その3ヵ月の仕組みを説明します。
リハビリ期間が3ヵ月!
老人保健施設は入居してから短期集中リハビリテーションと認知症短期集中リハビリテーションというのが、3ヶ月間あります。まず、必ずといっていいほど3ヵ月は運動的なリハビリが週に3回~7回あります。これは施設それぞれで、私の勤めている老人保健施設は週7回、土・日・祝、問わずあります(ご本人の体調によりますが)。
また、30点満点のテストをして5点以上~25点以下で、認知症の診断があったりすると、週に3回認知症の短期集中リハビリテーションがあったりします。これも3ヵ月までです。
そこで、施設側としては3ヶ月間フルにリハビリをすると月に10万の収益がでます。ただ、3ヵ月過ぎると10万の収益がなくなります。言い換えれば3ヵ月以上いる人より、3ヵ月以内の人が入居していた方が、施設側としては儲かるわけです。
国は制度で病院や施設に国が求めることをすることでお金が入るような仕組みを作り、施設や病院を誘導します。なので、老人保健施設に関しては、リハビリ期間(リハビリでお金が入る期間)は3ヵ月だから、3ヵ月以内に老人保健施設から出しなさい!みたいな誘導をしてるので、老人保健施設の入居期間は3ヵ月とか言われています。
3ヵ月過ぎた後でも週に2回~3回のリハビリはあります。しかし、リハビリ料金はかかりません。なので、3ヵ月過ぎると、3千円程~1万円くらい料金が下がります。
細かい事をいろいろ書くと分かりづらくなるので、3ヵ月で出ないといけないわけではないということと、あとはその施設の取り組み次第で、「3ヵ月で出て下さい!」ということもあれば「長くいていいですよ!」ということがあると思っていただければいいと思います。
ただ、国は老人保健施設を在宅に帰る施設に誘導するため、「長くいていいですよ!」という施設が経営できない様に制度改正しています。なので、「長くいていいですよ!」といって入居しても、途中で「制度が変わったので、出ないといけなくなりました!」と言われる可能性は高いです。
亡くなるまで入れる?
時と場合によりますが、お亡くなりになるまでいる方もいます。
現代は多死時代とも言われ、死に場所がない時代とも言われています。そこで、国は老人保健施設もターミナルケア(亡くなる最後までのお世話)をするようにしています。
ただ、他の施設と違い、在宅に変える目的がある施設ですので、入居当初から「最後までご面倒見ます」という施設はあまりないかと思います。
よくあるのが、老人保健施設に入って、在宅に帰って、また老人保健施設に入って、また在宅に帰ってみたいなことを繰り返している人は、その老人保健施設とも付き合いが長く、その人の環境を変えるのもよくないという判断から、最終的に在宅に帰れなくなった時は亡くなるまでお世話させていただいたりします。
また、病院から退院を迫られて、老人保健施設に入居した時に、病状的に芳しくなく、本人も家族も治療を希望しない場合などで、亡くなるまで入居される方もいます。
なので、一概には言えない面もありますが、制度上は亡くなるまで入れるということになります。
まとめ
①老人保健施設はリハビリして、在宅に変える目的でできた施設。医師もいて、リハビリ、看護、介護、栄養指導、相談援助等の設備は整っている。
②費用は、8万くらいから14万くらい。その他に施設によって料金が加算される。ただ、非課税世帯であり、貯金等次第では安くなす。
③3ヵ月で退居しないといけないわけではない。その施設の取り組み次第。
④場合によっては亡くなるまで入れる
老人保健施設は、他の老人施設よりも幅が広く、制度は同じでもその施設施設の取り組みが違えば、全然違った施設になります。3ヵ月で退居しないといけない施設や、特別養護老人ホームの様に長く入居することが出来る施設、リハビリが手厚い施設や薄い施設、料金も土台は介護保険上で決まってますが、施設それぞれで異なります。
細かいことを書くときりがないのですが、もし細かい事を聞きたい方がいれば、直接お問い合わせください。
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