効果量と学習者の態度と気質の関係
今日の内容はかなり非認知能力の考え方が色濃い分野かと思います。
態度と気質が与える効果量はさほど高くない。でも。
本書で紹介している他の領域と比べると,態度と気質が与える効果量はさほど高くありません。※マイナスではなく,教師が与える効果量としては十分なので,大事なのは大事です。
このさほど高くならない原因として,態度や気質という言葉に当てはまるものが広いことがあげられます。
例えば性格とでは,すべてが学力に影響を与えませんが,ものによっては大きく関わってくるものがあるというようなものがあります。
これまでに紹介したグリットなどは,学力に大きな影響を与えますし,やさしさ的な社会性には,学力に直結してこないものもあります。
何を大切にしましょうか。
ということは,広い態度と気質というカテゴリーの中からさらに学力に結び付きそうなものは何かを知っておくと,サクッと授業や普段の生活に織り込んでいくことができそうですよね。
効果的な非認知能力の項目を押さえる。
一つ目は非認知能力系の書籍を読むと,何が学力にいい影響を与えるのかがまとめられています。効果量の部分をしばらく続けたら,また非認知能力の話に戻って,このnoteでも取り上げていこうかと思いますので,ここではこの程度で。
ご機嫌でいる。
幸福を感じている人は学力も上向きになるそうです。「自分はできるぞ。」「なんだかできそうだぞ。」「失敗したけど,次はこうしてみようかな?」
こんな具合に,前向きに頑張れる態度が自然と備わってくるのです。
幸福感を感じるという分野において深堀するのは大変そうですが,まずはご機嫌でいるということも含まれていそうです。
アドラー心理学は結構有名ですので,関連書籍を読むのもいいですし,こちらの書籍もおすすめです。
自分は何者か知る。
自己概念を形成していくことも効果的なアプローチです。
自己理解が進むと,自分の願いに気づいて,それを達成するために何ができて,何をすべきかが見えてくる結果,それがいい方向につながるのではないでしょうか?
自己概念は一人で作っていくものではなく,他者の力も借りることで紡いでいくのがいいかと思います。
私が思う私。他者が見ている私。さまざまな側面から見た私。いいも悪いも,自己目線も他者目線も,さまざまな私がより合わさって自分を作っています。
簡単に自分がわかった気にならないで,自分探しはずっとし続けると良さそうです。
そのためのリフレクションはとても有効そうです。
情熱を持ち続ける。
動き出す気持ち,覚悟があれば,一心不乱に突き進むことができます。
どんなに良い手段で進んでいたとしても,突き動かすメンタルがないと意味がないということです。
情熱は勝手に湧いてくることはないので,上記した自己概念を形成する中で自分の願いは何なのか考えていくといいでしょう。
もう少し手っ取り早く考えるなら,ペップトークを使うというのも有効そうです。
ペップトークについては,別の回で触れようかと思いますが,自問自答する中で,自分の心に火をつけていくんですね。
人からつけてもらうのを待たないで,自分でつけていきましょ!
今回の内容は個人的にも,かなり深堀できる,これからの教育に必要になってくる視点なのではないかと思っています。
なぜなら,幸せに生きるというときに,かなり大きい領域を占めるものだと感じているからです。
誤解を恐れず言えば,算数がとても苦手でも,電卓を使うなり,人を頼るなりしていけば幸せに生きることはできると考えています。
コンテンツを習得するのではなく,自己の能力そのものがこのラ変のお話の中に直接的に,多く含まれているので,ここら辺はきちんと整理していきたいなあと思っています。
今回もお読みいただきありがとうございました。
誰かの「よりどころ」となりますように。