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「虎吉の交流部屋プチ企画」最近ちょっとうれしかったこと

ハチワレの猫

夜中の1時頃、ドカンと、窓に何んかブチ当たった。余裕で起きている時間帯なので、窓をソッと開けて見る。窓の下、細い30センチ程の出っ張りに、腰骨が浮き出て見えるほど痩せたハチワレが居た。こちらを見上げて、当然の「シャー」である。暗闇の向こうを見れば、まんまるに太った家猫が2匹、こちらを睨んでいる。「アンだよ、引っ込んでろよ」と仰っている。ハチワレの耳は三角に鋏が入っていて、地域猫、ノラだ。冷蔵庫をかき回して。見つけた!鯖缶味付け無しの水煮、これを1缶ドバッと開けて、ハチワレの目の前に置く、威嚇も忘れて食い着くハチワレに満足して、窓を閉めた。少しすると、窓がガタガタいってる。開けてみると、太ましい2匹の家猫が、鯖缶食ってる。デブなので窓にバンバン当たるのだ。2匹ともこちらを見上げて、「にゃーんと甘え声を出す」わあ!可愛い!なんて思ってしまった。イヤイヤ!ダメだろ、2匹を追払い、見回すと、左隅にハチワレが居た。目の前に半分食べられてしまった皿を置くと、再び食いつき、「シャー(見張ってろよバカ)」と、言いながら平らげた。

翌日、コンビニに収入印紙を買いに出て、一緒にチュールと猫缶を箱買いしてしまった。帰りの路地で、餌を狙ってくるカラスから逃げ周り、家猫に威嚇されるハチワレを見かけた。何か、何か悔しかった。その夜から餌皿に山盛りの猫缶&チュールを、お出しした。

そして先日、家猫と並んで、のんびり座るハチワレを見た。悪者カラスも近くにいない、ハチワレは立ち上がって此方を見ると。尻尾をピンと立てて、手近なブロック塀にスリスリした。ハチワレよ、お前の「ありがとう」は受け取ったぜ、今夜の猫缶は新バージョンだよ、お互い、長生きしようぜ、ドゥフフ!

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