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【真偽】本当に中国は経済的大国なのか?

中国は経済大国としての地位を確立し、多くの人々に豊かさをもたらしている一方で、都市部における貧困問題が急速に拡大しています。このブログでは、その原因や影響について詳しく解説していきます。


✅広州の現実:労働者の厳しい生活

広州は中国の主要経済都市の一つですが、その裏側には貧困が深刻な問題として存在しています。たとえば、40代の男性労働者は服飾工場で朝7時半から夜10時半まで働き、月に一度しか休みがありません。彼の月収は約10万円で、息子と二人で狭い6畳の部屋に住んでいます。このような長時間労働にもかかわらず、生活は苦しく、食事を作るための台所すらない状態です。

さらに、彼のような労働者は十分な医療サービスを受けられず、病気になると生活が立ち行かなくなる不安もあります。この状況は広州だけに限らず、中国の都市部全体で見られます。

✅驚くべき貧困の数字

中国政府は2021年に「貧困との戦いに全面的に勝利した」と宣言しましたが、その現実とは大きくかけ離れています。国務院発展改革委員会の発表によれば、1ヶ月の収入が4万円以下の人が9億6400万人以上いるという驚愕の数字があります。これは中国の総人口の大半にあたります。

広州市では、都市部の1人当たりの年間平均所得が約140万円ですが、これはあくまで平均に過ぎません。多くの人々がこの平均に届かず、特に低所得層は厳しい生活を送っています。さらに、広州市の人口の約半分、つまり800万人がこの男性よりも低い収入で生活しているのです。

✅都市と農村の格差

中国の都市部だけでなく、農村部の状況はさらに厳しいです。農村部では最も低所得の20%の人々の平均年収が35万円で、月収に換算すると約3万円程度です。このような低収入で生活するのは非常に困難であり、農村部の貧困問題は一層深刻です。

中国全体でも、2021年の低所得層の平均年収は117万円で、月収に換算すると1万4000円程度です。この状況で生活するのは極めて困難であり、中国全体の20%に相当する2億8000万人がこのような低所得層に属しています。

✅格差の拡大とジニ係数

中国における格差問題は、所得格差のジニ係数で顕著に示されています。ジニ係数は0に近いほど格差が小さいのですが、中国のジニ係数は0.46と非常に高く、世界的に見ても大きな格差が存在していることがわかります。この格差は、特にここ20年で急速に広がっており、上位10%の高所得層と下位10%の低所得層の格差は10倍以上に達しています。
(ジニ係数とは、国全体の所得や資産が各家庭にどれくらい平等に分けられているかを示す指標)

✅不動産価格の急落

中国では不動産価格の急騰が格差問題をさらに悪化させています。たとえば、北京市の住宅価格はこの10年で約3倍に上昇し、一部の高級住宅地では1平方メートルあたり180万円を超える地域もあります。上海でも同様に住宅価格が急騰しており、高所得者層がますます豊かになる一方で、多くの中産階級は不動産を購入できない状況に陥っています。

さらに、他の都市でも不動産バブルの兆候が見られ、中小都市でも住宅価格が2.5倍にまで上昇しています。これにより、不動産を手に入れることができるのは一部の富裕層に限られ、貧富の差がさらに広がっています。

✅まとめ

中国は急速な経済成長を遂げているものの、その恩恵を受けられるのは一部の人々に限られています。都市部と農村部の格差、そして不動産格差の急拡大により、貧困層はますます厳しい生活を強いられています。格差の拡大は中国社会に大きな不安定要素をもたらしており、今後もこの問題が解消される兆しは見えていません。

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