エル・カンターレに出会って


『光ある時を生きよ』   大川隆法著


第4章 「運命の開拓」講義

さて、5番目に「勇気」です。これも幸福になるための原動力です。ここで草薙の剣の例を出しています。
日本武尊が東征に出た時に、草むらのなかで敵に囲まれ、火を放たれた。その時、日本武尊は剣を抜け放って、自らまわりの草を薙ぎ払った。すると、一陣の風が吹いてきて、火は逆に敵のほうへと返っていった。こうして自らの運命を切り拓いたという事実があります。
こうした障害物に取り囲まれたとき、決然として、自らの鞘より、草薙の剣を抜き放て。そして、勇気を持って一面の草を薙ぎ払え。一陣の風が諸君に運命の血路を拓いていくであろう。

人間は、決然として立ち上がらねばならない時は、
仁王のように立ちはだかって、
自らの運命に立ち向かってゆかねばならん。
自らの退路を断て。
退路を断って、決然と前へ進んでゆけ。
一本の剣を持って自らの道を拓いてゆけ。
それだけの気概と努力がなければ、
決して大いなる運命の開拓ということは
できないのである。
そうした一条の勇気が、
やがて諸君を大いなる偉人への道に
導いてゆくのである。
みなさんの内に、夢描く能力同様、勇気を起こす力が潜んでいるのです。この潜んでいる力を使わないで生きている人が非常に多いということです。
事業などで、採算がとれなくなってきたら、愚痴や不平不満ばかりを言っていないで、自らの草薙の剣を抜き放って、運命の血路を拓こうとすればよいのです。決然として立ち上がり、とにかく徹底的にやってみる。会えるだけの人に会ってみる。やれるだけのことをやってみる。そういうことでやっていれば道は拓けます。

六番目に「愛」について書かれています。平坦な人生に耐える話をしているわけです。
平凡さの中に、一つの生き甲斐を見い出せ。 
平凡な日々における生き甲斐とは一体何であるか。 
それが「愛」であると私は思う。
愛の本質は、日々変わりない毎日の中において、相手を想い続けるということである。
愛の本質は、持続であり、忍耐である。
諸君よ、愛が単なる情熱ではないことを知れ。
不幸な人を愛したとて
それが一体どれだけの困難を伴うのであろうか。
 
太陽というものは、
変わらず毎日毎日平凡な仕事を
しておるではないのか。
毎日毎日輝いておるのではないのか。

人びとよ知れ、
大いに草木が育ち、大いに人間が成長するのは、実は、平凡なる日々の積み重ねの中にあるということを。
逆境には人間は鍛えられるであろう。
しかしながら、逆境は、木でいえば木の節の部分であるのだ。
節ばかりであっては木にははならない。
そうではない、平凡にすんなりと伸びていく
部分がいるのだ。

諸君よ。平凡な日々を愛せよ。
平凡なる日々に、平凡なる人間関係を愛せよ。
日々自らの接する人びとを愛せよ。
苦難に陥った人のみを愛するのをもって
愛としてはならん。
愛の中には、忍耐と持続があるということを知れ倦まずたゆまず人を育ててゆくエネルギーこそ、愛の本質であるということを知れ。

困難なとき、偉人は出るでしょう。しかし、ほんとうの偉人の偉人たるところは、この平凡なる毎日のなかに出てくるのです。
「平凡のなかにこそ、愛は試される。持続と忍耐のなかにこそ、愛は光る」。この言葉を肝に銘じたいと思います。
太陽の心をもって愛の本源とするならば、私たちも、平凡な毎日のなかにおいて光り輝いてゆくということ、自らの毎日を光らせてゆくということが大事であると思います。

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