エル・カンターレに出会って
『管理職の仕事とは何か』
大多数の組織体は、やはり、働いて収入をあげないと給料は出ないことになっています。それが普通なのです。
管理職としての能力の低い人を管理職に任命したために、社長の思うように組織が動かなくなったり、部下がやる気をなくしてしまったりすることもあります。こういう場合には、管理職は、むしろ要らないかもしれないのです。
管理職が存在する以上は、その存在が組織にとってプラスでなくてはなりません。
その人を管理職に任命すると、「収入が落ちてくる」「仕事のレベルが落ちてくる」「外部の人からの評判が落ちてくる」「内部の人の士気が落ちてくる」などということでは、組織にとって完全にマイナスです。
幸福の科学的に言うと、その人を管理職という立場に任命したことが、能力的に見て、奪う愛になってしまっているのです。
「能力の充分にある人が課長なり、部長なりの役職に就くことによって、部下たちが一斉に生き生きとよく働くようになる。そして、その人が任命される以前より、組織全体としての仕事の内容が良くなっている。質が良くなり、レベルが上がり、広がりも持っている。
経済的な効果を要求されるところにおいては、当然、以前以上のよい収入が得られるようになり、経費の面では無駄遣いをしないようになっている。その意味で採算性が向上している。」
課長の場合、部下と上司だけではなく、同僚というものもいます。「課長グループのなかで、他の課長たちと力を合わせて、よい仕事をしていく」という仕事もあるのです。
したがって、管理職は、上下の両方を見なければいけませんし、横も見なければいけません。そういう十字型なのです。これは「十字型リーダーシップ」と言われますが、この十字型リーダーシップを念頭に置かなければ、管理職は、その仕事を全とうできないのです。
管理職の仕事のあり方として、まず「個人として自分で働く」ということが大事です。これが前提なのです。その上で、管理職になっていくためには、ほかの人と比べて、優秀なところがなければいけません。
次に覚えなければいけないのは、「他の人と共に働く」ということです。組織においては、ほかの人々と一緒にチームプレイをして成果をあげなければいけないわけです。
そのため、企業には、個人としての能力は、そう大したことがなく、勉強はそれほどできなくとも、運動部にいた人やサークル活動をやっていた人を、採りたがる傾向があります。
したがって、「個人として、よく働く」とともに、「他の人と一緒に働いて、全体の成果をあげる」ということも習得しなければいけません。
そして、もう一歩、進んで、「人を使って成果をあげる」ということができないと、管理職ではないのです。実際に大勢の人を動かすことになったら、人情が読めなければいけません。
戦いに勝つ方法だけを、ただ理性的に考えればよいのかといえば、意外に、そうではありません。多くの人たちの気持ちがよく分かる人でなければ、リーダーにはなれないことがあるのです。
管理職は、人を使うためには、いろんな人の性格の違いや能力の違いが見え、人による違いを認めつつ、多くの人の力を結集していかなくてはなりません。ある意味での公平無私さも必要ですし、適材適所の考え方も必要です。また、「長所に光を当てる」という考え方も必要です。
優れた創業者には、長所を見て人を使っていた人が多いのですが、そうでないと、事業を大きくしていくことは無理なのです。