エル・カンターレに出会って
『復活の法』 大川隆法著
第2章 老いと病、健康について
老後の心のあり方としては、もちろん、明朗な気持ち、明るい気持ちを持つことが大切です。
また、家族、病院、老人ホームなど、周りの人や環境のせいにする気持ちが強いと、地獄へ傾斜する可能性が高いので、なるべく感謝の気持ちを持っていただきたいのです。
それから、自分の精神性を豊かにしていくことが大切です。心のなかを豊かにしていけば、老後は、孤独でも充分に生きていけます。ところが、心のなかが豊かでない人は、とにかく、いつも人と何かをしていないといられないので、老後が非常に不遇です。心のなかが豊かであれば、つまり、精神生活が豊かであれば、それほど困ることはありません。
もちろん、「自分の子供、息子夫婦、娘夫婦と一緒に住みたい。孫とも一緒に住みたい」という気持ちは強いでしょうし、そうなれる場合は、ありがたいことだろうと思います。
しかし、それは現代においてはなかなか難しくなっています。仕事の関係でうまくいかないこともありますし、住まいが小さくて親と一緒に住めないことも多いのです。決定的なのは女性の問題です。
その原因は、学校教育が男女平等化していて、女性に対する教育も、基本的に、「会社の事務職に就くか、何か技術的なものを身につける」という点に主観が置かれていることにあります。そのため、他の人の世話をすることの苦手なタイプの女性が多くなっているのです。
もし、「息子夫婦、娘夫婦が一緒に住んでくれて、世話もしてくれ、孫と豊かな晩年が過ごせる」という人がいたならば、それは非常に恵まれた人なのです。そういう女性を息子の嫁にもらえた人は、その嫁を、「観音様だ。観世音菩薩だ」と思って拝んだほうがよいでしょう。そういう女性は、いまどき、めったにいるものではないのです。
ただ、息子や娘と一緒に住めるようになって喜んでも、それは束の間の喜びであり、年を取って体が不自由になってくると、邪魔者扱いされることも多くあります。
いまは老人に対する虐待も多いのです。
年を取って、ぼけると、外に徘徊する。また、排便をして、その便を弄ぶを行う人もいます。そうなると、一緒に住めなくなり、「老人ホーム行き」となることが多いのです。
年を取ると、幼児化していき、自分の体が思うようになりませんが、「体が不自由だ」ということは、魂が肉体を脱ぎ捨てるために必要なことなのです。体があまりにも自由自在だと、あの世に行きたくなくなります。体が不自由になり、「嫌だな。もう死にたいな」と思えるような予兆現象が出てこないと、心の準備ができないのです。
年を取って体が不自由になることは、あの世への移行においては、しかたがないことというより、むしろ、ありがたいことなのです。
人間は、死んで、あの世に還り、また、この世に生まれ変わってきます。
「赤ちゃんが生まれてくる」ということと、「お年寄りは、あの世に還らなくてはいけない」ということを、「これは宇宙の理法なのだ」と思って、受け入れなければいけません。
そうしたことを考えた上で、やはり、老いの理想は「ピンピンコロリ」です。
「できるだけピンピンしていて、最後はコロリと逝けるように」と願っておいたほうがよいし、そのための準備を早めに始めておいたほうがよいでしょう。