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無職の居場所は深夜のリサイクルショップにある
無職、川、ブックオフ 著者:マンスーン
無職経験のある僕は苦虫を噛み潰したような表情でこの本を読んだ。
無職時代の家の居心地の悪さや人生への諦観は働かない人間にしかわからない。
漠然とした不安、貧困、敗北感、自己嫌悪、高卒、短期離職、詰んでる人生、空っぽの精巣、
なんでもできて、なんにでもなれる状況だからこそ、なにもしない自分の怠惰さがより際立ってしまう。
無職時代、僕のお気に入りスポットは24時間営業のリサイクルショップだった。
そこには漫画、服、UFOキャッチャー(金ないからやらない)、フィギュア、パチンコ、埃被ったガラクタたちが鎮座していて、時間を潰すにはもってこいの場所だった。
それに加え、働いてる人達もどこかモラトリアムで気怠さをまとっていたし、派手な髪とみだれた制服姿の店員さんが作る店内の雰囲気は最高に居心地がいい。
無職の男が寝癖をつけたままグレーのスウェットで徘徊していても好奇の目に晒されることのないユートピアだった。
部屋に籠ってインターネットやネトフリを見ていればいいんだけど、あの時、このリサイクルショップが唯一の社会との接点で時間を潰すというより社会との繋がりと寂しさを紛らわすために通っていたのを本書は思い出させてくれた。
そんな僕も今は人並みにサラリーマンをしている。
社会復帰した今でも無職時代は無駄ではないし、回り道したものにしか見えない景色がある。あるはずだと思ってる。(ただのポジショントークだけれど。)
最後に、お金のない人は本書を買うよりオモコロというWEBメディアを見ることをお勧めする。
インターネットとブックオフはお財布と無職に優しいからね。