泥酔したサンタクロース
12月25日、今日の朝は数多くの子供達が笑顔になっているんだろうな。
うちにも小学5年、6年の子供がいる。
毎年プレゼントのお届け係は妻だったのだけど体調不良なので今年は自分がやる事に。
高学年にもなるとまあ寝ないこと、寝ないこと。
こっちもいつかいつかと晩酌しながら時を待つ。
22時30分やっと子供達が各自の部屋に入り床に就く。
だがまだ早い、隠れスマホをしている可能性がある。
こいつらは常習犯だ。
ここは23時30分まで様子見だ。
19時30分よりクリスマスパーティーを始めたのでおれはもうベロベロだ。
それに有馬記念にいつもより多く投資し外れたのでよりしみてる。
ふと頭の中で小学校5、6年てもう全て分かってるんだろ。
おれはその歳の時には知ってたし、親が隠したプレゼントを見つけた事もあった。
そして朝になったらサンタが来たーと信じてるふり。
子供らもきっと同じなんだと思う。
あんなに小さかった子供が気づけばこんなに大きくなり成長してくれたんだなと感激深くなり涙がでた。
ここでどうやらおれは気を失ったようだ。
目が覚めるとついていた明かりが消され真っ暗闇に。
辺りを見回すも目が慣れず何も見えない。
頬が濡れてる感触がある。
涙を流しすぎたのか。
いや違う芋焼酎の香りがする。
明かりをつけ、そこで我に帰った。
そうかおれは寝落ちをしたんだと。
テーブルの上は水浸し、倒れたコップ、つまみで食べていたベビースターが床にも散乱、手はなぜか醤油まみれ。
反対の手には子供が書いたサンタクロースへの手紙を握らさられていた。
時計を見ると2時30分。
慌ててプレゼントを置かねばと隠し場所へ行くもプレゼントがない。
子供部屋を覗くと枕元に既に置いてあった。
サンタはもう来ていたんだ。
訳がわからず片付けをし就寝。
翌朝、子供達のはしゃぐ声で目が覚める。
今日も仕事だ、支度をせねば。
リビングに向かうと妻が子供たちからこんなのが届いたよと報告を受けていた。
そして妻はおれを睨みつけてきた。
わかってる、おれはサンタ失格だと妻にテレパシーを送った。
妻とは会話する事もなく早々に身支度を済ませて出社し今に至る。
どうすればいいんだろうか。
クリスマスなんてなければこんな事にはならなかったのに。
わかってます、自分が悪い。
帰って謝ります。
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