いったい日本の公園はどうなってしまうんだろう!
先日の週間ナビニュースで「メリケントキンソウ」のことを書いた。
メリケントキンソウに関してはこちらの資料をご覧いただきたい。
https://www.rikengreen.co.jp/ryokukashizai/product/pdf/shortkeep_meriken.pdf
ご存知の方もおられるかもしれないが、この実の棘のチクチク感は非常に痛くて不快である。そしてやがて種子になると、棘はさらに硬く鋭くなり、刺さると怪我をする可能性もある。
また、この鋭い棘を持つ種子が靴裏などに刺さって拡散し、広い範囲に繁殖するという結果となる。
最初に私が気づいたのは、数年前の河川敷である。
河川敷を散歩中にナビが固まって動かなくなってしまった。どうしたんだろうと彼女の足を見てみると肉球に刺さっていたのが、メリケントキンソウの種子だった。
足元の芝を見るとあちらこちらに、その棘をつけた種子があったのだ。
気になって、近くの公園の芝生を見てみると、そこにもメリケントキンソウがあった。その繁殖力には驚かされる。
ところで、当市には市が運営する公式Lineアカウントがあるのだが、そこに市民からの情報を収集する仕組みがあることを先日知った。
そこで、今回のメリケントキンソウのことを報告し、どのように対応するつもりなのかと質問をした。
メッセージは数時間で既読となった。
しかしその後、何日経ってもなんの返信もない。「一体何を考えてんねん!市民の声を無視するのか!」と頭にきた私は本日、直接市役所の公園緑地課に確認に赴いた。(カスタマーズ・ハラスメントか?)
市役所7階の公園緑地課に着くと、手前に座っていた女性が「どうしましたか」と声をかけてくれた。「実は先日、公園に生える雑草の件でLineをしたものです」と伝えた。
すると、私の声が聞こえたらしく、こちらを向いて奥に座っていた役職者らしい職員が、私の顔を見ながら近くの職員に声をかけている。「おい、変な奴が来たぞ!」という感じの、なんとなく嫌な雰囲気である。
そして、二人で席を立って、私の方へ歩いてきた。
「来るならこいや!勝負してやるやんか!」
と鼻息を荒くして、身構えていると、私の前まで来て二人がにっこりと微笑んだ。
「まずは、お断りしないといけません。いただいているメッセージはもちろん確認しています。しかし、当方のシステムは直接返信することができなくなっているのです。まとめて月末のWebページで可能なものは回答しています。」
そうだったのか。そりゃそうだ。逐一返信していたのでは、業務に大きく支障をきたす。勝手な私の思い込みだった。失礼な話だったと反省する。
「その後、私たちも現地に出向き、多くのメリケントキンソウを確認しています。しかし、残念ながら現時点では手のほどこしようがないのです。」
とのことだった。
背が低く機械での除草はできない。また除草剤を散布するとなると当該植物のみを選択的に枯らすことができるものでないといけないが、現在は適当なものがないそうだ。
同じ問題を抱えている自治体はたくさんあるはずである。地方自治体で検討するのではなく、省庁のレベルで対応することはできないのか、と聞いてみた。
「結局は彼らは各自治体で対応してくださいといいます。問題の河川は国土交通省の管轄ですので、いっそのこと河川敷の管理も省庁に委ねるとなると、適切な公園管理ができなくなってしまいます。状況が良くなるとは思えません。」
面倒なことは各自治体任せという国の姿勢がこんなところにもあるようである。
話の中で、私が「犬が痛がって散歩もできないのですよ」と告げると、
「実はその犬の散歩なのですが、ウンチの放置が多いというので、河川敷での犬の散歩は禁止してほしいという声もあるのです。」
そうなのか、事はメリケントキンソウのレベルではないのか。
元はと言えば、ウンチを放置する犬の飼い主に問題があるのだが、こんな調子で市内の公園が全て「犬の散歩禁止」になるようなことになるのだろうかと悲しくなってしまった。
そういえば、公園で子供たちが遊んでいると「うるさくて迷惑なので公園でこどもを遊ばせるな」とか「公園をなくせ」と言う人がでてきたりする時代なのだ。
それぞれの事情があるのは理解できるが、総じて社会に寛容さがなくなっている気がするのは私だけだろうか。