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文学フリマ東京で買った本の感想①
文学フリマ東京で買った本について書きます。ど〜うしても創作者目線になってしまうのと、相変わらず抽象的な感想であることをお許しくださいませ。
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「をかしの詰め合わせ」dekoさん
7つの掌編収録。クスッと笑ったりうっと胸が苦しくなったり、感情が揺さぶられる、バラエティに富んだ物語の詰め合わせ。発想力がすごいのです。dekoさんの持ち味が堪能出来ます!
「神々の甘噛み」穂音いづみさん
まさしく穂音さんワールド。
歯切れの良い文章で書かれる独創的な世界観に魅了され、一気読みしました。文末に残る余韻みたいなものが素晴らしい。センスがありますよね〜。
いつか、このお二人の中長編を活字で読みたいなあ。
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「THE BLUE」 月越瑠璃さん
4つの短編収録。「水槽の中」はnoteでも拝読しましたが、やっぱり縦書きの書籍だと文章の迫力が違います。
「針が刺せなくなったナースは」
タイトル通り、自身の迷走神経反射体験をきっかけに、血管穿刺(採血、注射)を行うのが困難になってしまった、現役看護師の物語。
私も看護師なんですけど、共感の嵐です。医療介護現場の常識は、よそでは非常識とされます。そんな世界を小説にするのは、とても難しいと思うんです。自分達にとっての当たり前が、読者の方々にはそうではないことが多々あると思うので。でもこちらの作品は、描写が具体的でわかりやすいのです。続きが気になります!
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「イミテーションレッド」 かし子さん
目が滑らない、とても読みやすい文章。魅力的な人物が次々と登場し、テンポよくストーリーが進むので、あっという間に読み終わる。キャラが立っているので、その造形を頭の中で思い描かずにはいられないのです!
この作品の軸になっているのではと思える「愛と憎しみは表裏一体」という考え。愛の対極は無関心なのだろうな、と改めて感じました。
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ティーさん 「時計はひとりひとつ」
せつなく美しい幻想短編集。む、胸が苦しい…。なんでしょうこの読後感。とても素敵なパッケージに包まれたお菓子を食べ終わって、ああ美味しかったな、という満足感のなかで眺める空っぽの箱(または缶)の、ほのかな寂しさみたいなイメージ。
ファンタジーな設定でも、そこに描かれる人々の思いは一貫して現実社会に根をおろしているので、とても共感出来ます。儚い雰囲気に胸を打たれます。
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「フォルムレスな春ニルヴァーナ」蒼生行さん
太宰治賞2024を読んで衝撃を受け、購入させていただきました。言葉を失うほどの流麗な筆致。豊富な語彙力、鋭い感性による情感豊かな描写、奥行きのある洗練された文章。
同じ内容をnoteでも拝読出来るのですが、どうしても書籍が欲しくて購入。やっぱり縦書きだと文章の重みが桁違い。素晴らしいです。
皆様、素敵な作品をありがとうございました!