七月二十九日、未明のこと

家の一番近くのコンビニに牛乳はなかった。二番目に近いところへ行くと、あった。店の前に自転車を止めて誘蛾灯が絹を裂くような音を立てていた。睡眠の質を上げてくれる飲み物とあたたかなアイマスクを買うそばから欠伸が出る。自転車をこぎながら飲む牛乳、ワッフルの味なんてアパートにつくころには忘れている。誘蛾灯が絹を裂く音が、いや違う裂かれていたのは体だった。太陽に消される前にキッチンの消し忘れた明かりが僕たちを誘う。


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