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私のイチ押しのお話
私のフォローしている方々には、たくさんの才能ある方達がいて、読んでいて本当に感動することが多い。
もちろん文章での表現が一番多いから、小説のようなタイプ、短編小説、詩、つぶやきなどがメインだけれども、中には絵や、漫画、写真、それにstand.fmなどを使って音声での表現や、会話など、多種多様で自由な表現をされている。
noterさん達は本当に質の高い作品を紹介されることが多いので、今まで自分からは見たり聞いたりしなかったような分野でも、ちょっと覗いてみたことから、いつの間にか毎回見に行くように=興味を持つようになったり、果てはファンになってしまったものもあったりして、今まで頑なに好きなものとそうでないものを確立していた自分からするとビックリ。
所謂、「壁を崩された」感じ。
沢山、心の窓を開かれたような気がする。
今回は、そんなたくさんの、私を感動・感心させてくれたnoterさん達の中から、私的に、完全に私好みの作品をご紹介したいと思う。
クリエーターさんのお名前は藤本柊さんとおっしゃる。
私は、どなかたの記事を読むときには、最初にその方のプロフィールか、なければ最古の=一番最初に書いたものを読むことにしている。
柊さんのプロフィールを読んだ時に、あれ?これは私のことじゃないのか?とちょっと空間が捻じれて一瞬重なったような気がしたくらい、近視感を覚えた。
だからなのか?柊さんの作品を読んでいて、本当に多様なお話を書かれていて、自分にないもののお話なのに、物凄く素直に私の中に沁みて来る。
書く内容は違えど、文体が私に取っては、どこか懐かしいかのような、そんんな語り口調に感じるのだ。
柊さんの作品で、私が一番好きな、イチ押しの作品が「捕らわれは置いて、思い出はキレイに。」。
コメントにも書いているけれど、最初にこの作品を読んだ時、会社のパソコンからで、朝礼が始まる前の5分程でさーっと読んでいたので、ゆっくりじっくり読んだ訳ではなかったのだけれど、「こ、これ何??」と衝撃を受けた。
最初は、ご自分の普段のお話なのかと思いきや、いつの間にか不思議な世界に入り込んでいたようで、でもそれに違和感なく、心地よくて。
内心、「え?え?これは現実?ファンタジー??」と思いながらも、タブを閉じて朝礼に向かった私。
夢遊状態から、一気にバチっと現実にチャンネルを切り替えられて、ちょっと頭が困惑してしまった。
ネタバレはしたくないので、出来るだけ内容には触れないが、私には、これが素人が書いた作品?と、あまりの完成度の高さに頭を叩かれてイナズマが走ったかのような衝撃を受けた。
だって、出来れば私が書きたかったよ、こんなスゴイ作品。
こんな素敵なのが私も書きたかったと、思った。
こんなスゴイのがあるって知ってしまったから、もう私は書けないって思った。正直。
でも。
でも柊さんのこの作品は大好きで、だから出来るだけ多くの人に、この作品を読んで貰いたいと思ったし、柊さんの才能も紹介したいと思った。
整体に行くという何の変哲もない、日常の一コマで本当の時間にしたら1時間にも満たない話かもしれないけれど、日常とファンタジーが上手くグラデーションの如く移って行く様がとても美しく、上手い。
タイトルも、端的に内容を表していてピッタリだ。
この構想と、最後の一行でクスっと笑える、優しくてちょっと遊び心のある終わり方など、どれをとっても素人離れしている。
私の尊敬する江國香織さんを思わせるような、とても素敵な一瞬を是非読んで味わって欲しい。
そしてその続編。
今度は場面が変わって家に帰って来てからのこと。
場面が変わった分、実生活にフォーカスされているが、ここでもその筆致と構成はプロ級だと思う。
こちら後半の最後の一行では、ほろりと涙が。
前編・後編のこれらの目論見は(目論見ならば)大当たりだ。
前編・後編で丁度バランスが取れた作品となっているが、個人的には前編だけでも十分成り立つカワイイ作品だと思う。
けれど、人生って片方だけではなく、両輪揃ってこそ深みが出るもの。
更には、こちらの作品もとても良かったのでご紹介させて頂く。
こちらの作品も、最初からそういう構想を練っての執筆とのことで、とてもチャーミングな人物像を丁寧に書かれていて、当事者の内々からの事情を考えれば、こういう書き方がベストだと思った。
人と人。
個と個。
人の見方について、教えられた作品。
それにしても、色々細かい配慮をしているnoteさんにしては、ここだけは改良して欲しいと思う点。
マガジンで同系列のものを読もうとした時も、TOPに最終話が来てしまうんだよね。
つまり、いきなりラストが目に見えてしまう。
ここだけは、古い順に並び変えて貰えないものか、もしくは自分でそういう設定を出来るようにならないものか。
これからまとめて読もうとしたときに、いきなりラストが見えてしまうのは、作品の面白さをかなり(ほとんど)削ってしまって惜しい気がする。
今回は、藤本柊さんというクリエーターさんと作品について、ご紹介させて頂きました。
どうぞよろしく!
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