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創業者利益にフォーカスを当てた3つ目の視点

前回は「資本政策における3つの視点から最適化させる」と題して、経営の根本を成す、資本政策について3つのポイントのうち2つを紹介させていただきましたが、今回は「創業者利益」にフォーカスを当てた3つ目の視点をご紹介させていただきたいと思います。

この創業者利益を最初に説明しますと、株式上場時に創業者であるオーナーなどが保有している株式を資本取引市場で切り売りすることによって株式売却益、つまりキャピタルゲインを得ることができます。

未上場会社であれば、保有している株式を切り売りしたりすることは無いので、例えば経営者として牽引してきたが、経営の第一線を離れるなどの理由で会社そのものを売却するか、経営を継続させて、株式を保有し続けるかの選択肢しかありません。

しかし、会社の株式上場が実現すれば、前述の資本取引市場で切り売りすることが可能となるので、経営者にとっては大きなメリットであるといえます。

これは、株主構成を経営戦略に盛り込み設定していれば、株式上場後にも経営支配権を保ちながら株式を引き続き、切り売りしながら、事業への継続的な関与と多額の創業者利益の両方を手にすることが出来るために創業者なら一度は考えていることだと思います。

しかし、経営者が自分の利益だけを考えて資本政策を立案しているのは気がひけるかもしれないのですが、創業者にしか味わえない苦労をしてきたあなたには受け取る権利があるので、成功の証として、しっかりと計画して受け取りましょう。

ただし、株式の一部を切り売りするわけですから、経営支配権は比例して下がっていきますので経営戦略として「株主構成」を考えておくことが重要なのです。


いまさら聞けないっ!キャピタルゲインってなぁ〜に?

創業してから成長した会社の株式を、上場する時や上場後に、不特定多数の投資家へ売り出した場合、創業者や創業時に株式を引き受けた者は株を売却することで、売り出した価格と出資額の差額としてキャピタルゲインを受け取ることができます。

反対にこの株式を保有していることで得られる配当益はインカムゲインといいます。

以上で会社と経営者の財務戦略にとって、株主構成、資金調達、創業者利益の3つのポイントのバランスを考えてコントロールしていくために必要で、これらをトータルに考えるのが資本政策となります。

是非、財務戦略の選択の幅を広げて、あなたの会社の経営に柔軟性を持たせて運営していっていただければ幸甚に存じます。

次回は、その柔軟性を考えたときに、どのような選択肢があるのかについて、ご紹介させていただきたいと思います。

それではまたお会いしましょう!

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