さばの唐揚げ

胃もたれする文章を ・小説を書いた時は、タイトルに【小説】と載せます。 ・小説以外はテキトーな文になります。

さばの唐揚げ

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最近の記事

【小説】ハンバーグ

古臭いエンジン音と大袈裟な振動が、臀部から背中を伝い、頭を揺らす。 今私は、盗むような形で親父から借りた車のハンドルを握り、夜の巷を徘徊している。 とは言っても、ここら一帯は市役所を中心として、美容院とちょっとした飲食店が軒を並べているだけで、道を照らす街灯の方が明るい。 親父の車はトヨタのスターレットep82で、1970年代に主流であったと聞いている。のっぺりとしたフォルムに上部が熟した赤ワインに似た色で、下部がシルバーといった配色になっている。少しばかりアンバランス

    • 【小説】レモンジュース

      今日は快晴の予報である。 ダウンを貫く寒さ。カッカッと歩を進める度、アスファルトの冷たさが靴裏に伝わる。 背中のリュックが鉛のように重い。鼻は赤黒くなっている。顔の前で手を覆いハァァと青白い息を吐きながら顔を温める。 手を拝むように合わせ、擦り、「寒い」と一言漏らす。 この時期の朝はまだ日が弱く、薄暗く、それでいて白んでいて、静かで、駅へ向かう人は私しかいない。 道中の商店街は駅に向かって伸びており、等間隔に電灯が立っている。その上には電線が縦横無尽に交差しているが

      • 【小説】ノン-プロテアーゼ

        テレビで特集がやっている。 「ジャジャーン!世界のピンチ!食料がとうとう底を尽きる!?連続特集~!」 「今、我々の食卓には洋食やら和食、ファストフードなど、いろいろな食べ物があります。しかし、我々が食べられるものは限られています。30年前と比べ、人口は85億人と大幅に増加しているのに対して、食料自体は日々減少しています。」 「人間の活動と生活圏が広がるにつれ、食料の生産範囲は徐々に減っていっているのです。」 「世界の食糧を一枚のピザに例えれば、一人一人の食料が1/8枚

        • 家具【短い小説】

           今日も激務が終わり、いとしの我が家へ帰れる。激務といえど、肉体的には全く辛くはない。机に座って自分のしたい事をやっていいのだ。隣人とおしゃべりしたり、材料を持ってきて工作をしたり、ぼーっとしていてもいい。 しかし、ひとつだけ暗黙の了解みたいなものがあって、常に笑顔を忘れないことであった。 馬鹿げた約束事だが、ひとたび忘れると様々な人にこっ酷く叱られる。これが激務たる所以だ。  我が家は仕事場からは歩いて30分かかる。仕事場は比較的交通の弁の良い場所にあるのだが、我が家

          あんパンチ

          鼻下が焼けるように痛い。 理由は明らかであり、レーザー脱毛の施術後だからである。 前回は、明るい顔していた受付嬢が、自分の提案した一番安いプランを見るや否や、表情が一変。地下の無機質な施術室にぶち込まれ、淡々とレーザーが照射され、痛がる余地もなかった。 翻って今日は、見るからに誠実なお兄さんが担当であった。 いや、もう、お兄ちゃまと呼ぼう。 前回と異なるところはもう一つあり、使用する機械が違うのだ。今回の方が速戦即決型で、前回が長期反芻型である。 まるでアンパンマ