排尿恐怖症を抱えた生活のお悩み相談への回答

このnoteでは一応筆者が排尿恐怖症を克服した方法を公開しています。
しかし、例えば、「明日や2日後に大学入試、旅行、検尿などトイレで困りそうな出来事がある」などの場合は、うまくいったとしても中々克服は間に合わないと思います。

そこで、今回は、そういったこれまで頂いた排尿恐怖症の方からの緊急のお悩みを中心に、生活のお悩み相談について、他の排尿恐怖症の皆さんも同じような悩みを持ってそうなものへの回答をまとめました。

専門の心理学の理論は控えめで、どちらかというと自分の排尿恐怖症経験やこれまでの排尿恐怖症の方の傾向を踏まえた回答となっています。


1 大学受験に関するお悩み

浪人しており、2日後に試験を控えています。
昨年の大学入試で何校か受けたものの、個室でしかできないこともあり、休憩中に排尿を済ませられないことが何回かありました。試験直前水を控えたのですが、試験中トイレに行きたくなってしまい時間をロスしたことや、トイレのことで試験に集中できませんでした。
正直、落ちたのは排尿恐怖症も原因かもと考えてしまっています。2日後の入試では同じ失敗はしたくないのですが、どうすればいいのでしょうか?今から克服は可能でしょうか?

10代男性

筆者からのアドバイス
大学入試はやはり排尿恐怖症だと困るイベントの1つですよね。まず2日後だとさすがに私の記事を読んで克服を目指すとかは厳しいと思うので、それ以外で回答します。

さて、相談者さんは「試験直前に水を控えたのに試験中トイレに行きたくなってしまった」とのことですが、実は試験直前に飲む水の量を控えることはあまり意味がありません

なぜなら、水を飲んでから尿となる時間は、健康な人間の場合、3時間〜6時間とされているからです。

ですので、筆者の場合、例えば試験時間が「12時〜14時」の場合、試験が終わる14時の3時間前〜6時間前の「8時〜11時」には水を飲む量を抑えるなどの対策は行っていました。

なお、食べ物にも水分は含まれます。例えば、果物、野菜、おかゆなどが挙げられます。ですので、こういった食べ物は控えることを推奨します。

ただし、やはり水分を摂らないと集中力は落ちますし、これだけ対策しても試験中トイレに行きたくなったことはありました。

また、他の方の迷惑になったり、恥ずかしそうと思うかもしれませんが、人生かかってるので2〜3分ぐらい小便器の前で排尿できないか粘ることは致し方ないと思います。時間をかければ、もしかしたら出せるかもしれません。

できる限りのことはやって、大学入試を迎えましょう。

2 排尿恐怖症がバレることへのお悩み

高校の修学旅行で、排尿恐怖症により僕だけ毎回個室を使用していたことで、「立ちションできないの?」と明らかに見下されたような、からかいをされました。女子にも「〇〇は立ちションができない」とか広められてしまい、とても恥ずかしい思いをしました。

大学でもそれがトラウマで、旅行など避けてしまいます。もし小便器で排尿できていないのがバレたりしたら、僕的に人にからかわれるのが辛いのですが、このようなからかいを避ける方法などないでしょうか?

20代・男性

筆者からのアドバイス
排尿恐怖症が周囲にバレた際など、からかわれたくないというお悩みは多いです。このお悩みに、心理学の観点から回答をします。

人の不幸は蜜の味という言葉があります。人の不幸に喜びを感じる、という意味のことわざですね。これは、心理学では「シャーデンフロイデ」と呼びます。しかし、人は他人の不幸に対して、「可哀想」という感情も持ちます。 

さて、この境界は一体どこにあるのでしょうか?

実は、「シャーデンフロイデ」は以下のような傾向があります。
①他人の不幸が、間抜けな失敗であれば、喜びを強く感じる。つまり、「シャーデンフロイデ」が発動する
②他人の不幸が、天災など深刻で悲惨な状況であれば同情を感じ心配する。つまり、「シャーデンフロイデ」が発動しない。

つまり、男なのに並んで立ちションできないことを間抜けなことと捉えられてしまうと、最も「からかう」という心理になりやすいのです。

これを回避するためには、バレてしまったときには排尿恐怖症で自分が非常に困ったときのことと合わせて、伝えるようにしましょう。

例えば、「人と並んで尿を出せないんだよね。だから大学受験のときトイレを我慢して実力通りの結果が出せなかったんだ」

このように伝えることで、他人はシャーデンフロイデが発動せず、「心配」という心理になります。勿論、心配されるのも嫌かもしれませんが、同じ出来事でも自分の伝え方によって「相手の反応」は変えることができるのです。 もし排尿できていないのがバレてしまったときに、からかわれたくない場合は、このような伝え方をしてみて下さい。



3 不審者だと思われたお悩み

今日駅の誰もいないトイレで排尿しようとしていると隣に知らない人がきてしまい、その人にずっと自分の小便の音がしないことに気づかれ、「用を足してないですよね。一体あなたは何してるんですか?」と隣から便器の中などを覗きこまれた。 
慌ててしまい、無視してすぐに局部をしまって立ち去ろうとすると、追いかけられて盗撮などしていないかと話を聞かれた。
このようなことは初めてだが、よくあることなのか?今後、このような面倒なことにならないにはどうしたらいいのか?

30代男性

筆者からのアドバイス
排尿恐怖症だと不審者と思われてしまうトラブルはたまにあります。やはり小便器で挙動不審な上に排尿していないと、盗撮など不審行為に思われてしまうのでしょう。

面倒なことにならないための方法ですが、
①不審に思われた場合、無視して逃げずすぐ正直に説明する
②小便器でスマホを触らない
の2つです。

この方のように、無視して逃げてたら、やはり盗撮などやましいことをしていたのかと思われてしまい余計に不審です。恥ずかしいかもしれませんが、その場で正直に事情を説明した方がいいです。

近年盗撮事件が相次いでいることから、やはり盗撮に敏感な方が一定数います実際、小便器に立っているだけの隣の男を不審に思い、「何をしてるんだ」と声をかけると逃走を図り、盗撮が発覚したような事件もあります。このケースのように誤解されてしまうことはあると思いますので、すぐ逃げるなどは避けましょう。

また、排尿恐怖症の方は気を紛らそうと小便器でスマホを触る方が多いですが、小便器で尿を出しておらずスマホを触っていたら、当然盗撮と思われても仕方ありません

余計な誤解を避けるために、この記事を見た排尿恐怖症の方はスマホを触りながら小便器に立つことは、避けるようにして下さい。

なお、このようなトラブルはどちらかというと30代以上の排尿恐怖症の方に多い傾向です。これは、心理学的にはいわゆる「社会的ステレオタイプ」による思い込みが影響しています。同じ行動をしていても、若い男性よりおじさんの方が不審に思われやすい傾向があるのです。逆にあなたも考えてみてほしいのですが、「隣に排尿せずに立ってるだけのおじさん」がいたら怖いですよね?
ですので、若い方はこのようなことも頭に入れて、今のうちに克服することをこころがけて下さい。



4 採用試験の尿検査に関するお悩み

僕は現在就活中なのですが、明日採用のための身体検査で尿検査があります。学生の時みたいに家で採るのだと勘違いしていたのですが、当日その場で一斉に採るみたいです。しかし、小便器で並んで用を足せる自信がありませんが、事前に尿を採っていってもいいでしょうか?それが原因で落ちたりしないのでしょうか?また、事前に個室があるか知る方法はありませんか?

20代・男性

筆者からのアドバイス
公務員などで採用にあたり身体検査で尿検査が必要な場合も多いと思いますが、個室があれば個室を使っても問題ありません。個室があるのに個室を使えないことは考えにくいです。

但し、仰る通りそもそも個室がない場合はあります。あるかどうか知る方法については、指定された健診センターのHPを調べると、ごくまれに施設紹介で載ってる場合があります。

小便器のみの場合は、小便器で他の人と並んで尿を採るしかありませんが、どうしても厳しい場合は、必ず許可をとってから女性用のトイレを借りるなどすることです。

もしそれが抵抗ある場合や厳しいと言われた場合、自分の時だけ男子トイレに誰も入れないような特別な対応をしてもらった、というパターンもあります。

恥ずかしいかもしれませんが、「男性であるが小便器で並んで排尿できない」ことを正直に受付の人に言ってみれば、何らかの対応はしてもらえるでしょう。なお、やはり男性である以上立ちションは可能と捉えられ、トランスジェンダー(身体は女性の方)と思われてしまう傾向がありますので、誰もいなければ立ちションは可能なことは伝えた方がいいかもしれません。

また、ご質問の事前に尿を採取して大丈夫かですが、これはNGだと思います。会社や採用の検尿をわざわざ現地で行う理由の1つに、薬物をやってる人などが他人の尿を入れてくるなど尿のすり替えを防ぐという目的の場合があるためです。

最後のご質問にあたる部分ですが、このような対応をしてもらったからと、それだけが理由で落ちる可能性は低いと思います。ただし、排尿恐怖症だと採用の関係者に言うことで、恐怖症ではなく深刻な精神的な病と思われて採用を避けられてしまう可能性に関しては否定できませんので、ご注意下さい。

5 子供ができた場合のトイレに関するお悩み

小さい男の子がいます。外出先で自分がトイレに行く際、子供は妻に任せて女子トイレに行かせています。将来的に子供と連れションとかできそうになくどうしようと感じているのですが、他に子持ちの方が、排尿恐怖症で困る場合はありますでしょうか? 

20代・男性

筆者からのアドバイス
子持ちの方の排尿恐怖症で困るという声が多いのは、小さい子供と2人の外出になった際です。例えばご自身が排尿に行きたくなった際に、子供だけをトイレの外や個室の外で待たせるなど危険なため、
・男性で小なら、小便器で行い子供は近くで待たせる
・女性や男性の大なら、個室に一緒に入り、子供はベビーシートなどで待たせる
というのが一般的です。

しかし、排尿恐怖症の場合こういった子供に見られている前で排尿することができず、子供と二人での外出は避け、子供はパートナーに任せるという方が多いです。

但し、子供が男の子の場合、小学生になって以降女子トイレに連れて行くのは厳しく、相談者さんの仰る通りゆくゆくは小便器で子供と連れションという形になるかと思います。

しばらくの間子供は妻に任せ、子供が小学生になるまでに排尿恐怖症を克服する、という形が良いかと思います。 


6 子供とのトイレに関するお悩み

排尿恐怖症の男です。
幼稚園で子供が立ちションを習ってきました。子供に、自分が立ちションする姿を見せたことがなかったため、「外のトイレでは男は立ちションなんだよ」「パパはいつも座っておしっこしてるの?」と言われてしまい、排尿恐怖症のことを簡単な言葉で子供に言うか悩みます。このまま隠し続けるのも厳しいと思うのですが、どうすべきでしょうか?

30代・男性

子供に排尿恐怖症のことを言うことはオススメできません。

子供は幼少期に親に対する尊敬の念が育っていないと、その後言うことを聞いてくれなくなる傾向があります。
自分でも立ちションできるのにパパは立ちションできない、となると子供に見下されてしまう可能性は否定できません。

また、子供の前で排尿で個室に入る行為は推奨しません。幼少期の子供は、親の行動の真似をする傾向や、親の感情と同じ感情を持つようになる傾向があります。これは、幼少期の子供は身近な人を真似る「観察学習」と呼ばれる学習心理が強いためです。皆さんも子供の頃、親や友達を真似して立ちションの仕方を学んでいったはずです。

しかし、相談者さんが小便器を恥ずかしがって個室で排尿していると、子供も同じ感情を持ち個室で排尿するようになってしまいます。小学校では、個室に入ると大便だとからかわます。当然全員小便器で友達と並んで立ちションすることを求められますので、子供が男性なのに、個室で排尿するクセが付くのはまずいです。

「パパも立ちションだよ」などと言っておき、子供の前では小便器で排尿するふりなどをして、しばらくの間は子供には排尿恐怖症のことを隠しつつ、早めに克服して嘘を真実にするようにして下さい。



7 仕事に関するお悩み

今の仕事柄、定期的な休憩で多くの人が同時にトイレに行きます。
トイレが混むと尿を出せず、個室に入ってました。すると、毎回個室から出てくる私を見て、先輩に「もしかして小座ってやりたいタイプ?」「俺も家では座ってするけど、ここのトイレ個室1つしかないから、小は立ってやってもらえると皆助かるかも」と言われてしまいました。
迷惑なことは分かっているのですが、私はトイレが混むと小便器で用を済ませられません。先輩にまた同じようなことを言われたとき、どのように言えば良いのでしょうか?

20代・男性

筆者からのアドバイス
この場合、正直に話した方が今後は楽だと思います。

やはり、普通の人からすると、小便器で並んでできないのだとは思われず、座ってするのが好きなだけと思われていると思います。しかし、相談者さんの状況だと、「こだわりが強い」「協調性がない」などと思われてしまうことは否めません。

「毎回個室に入るので、職場で変に思われる」関連のお悩みをよく頂きますが、恥ずかしいかもしれませんが正直に「並んでだと尿が出なくて」と言った方が、楽だと思います。


まとめ

以上、排尿恐怖症の方が生活する上でのお悩みについて回答させて頂きました。
排尿恐怖症を抱えながら生活するのは大変なため、排尿恐怖症を克服できるのが最適ですが、中々1〜2日とかでは厳しいのが現実です。少しでも役に立つ内容があれば嬉しいです。
今後も排尿恐怖症の方の生活のお悩みがあれば、コメント、サポートなどで下さいね


今後も様々な記事を書いていきます。よろしければご支援頂けますと幸いです