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超高音質Android音楽プレーヤーアプリ

MPDノススメ

                      Pixabayより写真掲載



総括

Android音楽プレーヤーアプリにはいろいろな種類があります。ハイレゾ音源にも対応する高音質アプリもあります。Linuxオーディオの中核をなすデーモンソフトMPDにはAndroidバージョンがあります。MPDは調整して操作さえちゃんとできれば他のアプリの追随を許さないほどの高音質で再生することができます。ハイレゾ音源やDSD音源にも対応します。かかったヴェールがはがされすっきりして澄み渡った迫力のある音です。Androidの音楽再生アプリとしてMPDをインストールすることを強くお薦めいたします。

MPD


はじめに
近年、Android機器の音はかなり良くなってきました。対応するヘッドホンも日々進化しています。ハイレゾ高音質再生を謳うAndroidプレーヤーも販売されています。ソニーのウォークマン、オンキョーのDP-X1、パイオニアのXDP-30など多くの音楽専用Androidプレーヤーがあります。いずれも通常のスマホより音が優れて上質とされます。私はオンキョーのDP-X1を購入して試しました。確かにいい音です。当時、音楽再生に使っていたソニーXperia Z5もかなりいい音と思って聴いておりましたが、DP-X1で聴いてみたところ音が全くといっていいほど違っていました。こういった専用機を含めてAndroidプレーヤーで用いる音楽再生アプリにはメーカー独自のものに加え、他にも多くの種類があります。すっきりとした伸びと艶と迫力ある音が好みな私はそれまでXperia Z5に「noozy」という音楽プレーヤーアプリを使っていました。これがAndroid OSのバージョンアップに対応しなくなってからはイコライザーが秀逸なプレーヤーアプリ「Capriccio」を使っていました。

これまで音楽はAndroidと有線ヘッドホンを使って聴いてきましたが、Linuxオーディオの音の素晴らしさに触れてからはAndroidプレーヤーの音では満足できなくなりました。いろいろプレーヤーアプリを替えて試しましたがこれといったものが見つかりません。そういった状況下、Androidにも「MPD」アプリがあるのを見つけました。MPDはLinuxオーディオで中核をなすソフトです。AndroidにもそのMPDがあることを知りともかくインストールしてみました。事の次第はFc2サイトに詳しく記載しています。実際にはMPDはアプリではなくデーモンとよばれるバックグラウンドソフトウェアであるという特殊性がゆえ、インストールしてもすぐには音は出せません。これをコントロールするMPDのクライエントアプリが必要です。設定も必須です。Linuxでの経験を元にしてネットで調べつつこれを調整しました。

AndroidへのMPDの導入を通してわかった「AndroidでMPDを使用して高音質で音楽を再生する方法」についてGoogleサイトにまとめまております。MPDにはたくさんのハイレゾ音源を扱う場合、ちょっと不満な部分があります。それは音源ファイルの保管場所の問題です。最新バージョンのMPDだと音源ファイルがメインストレージ内に限定されます。たくさんの音源ファイルがあると記憶領域がすぐに不足してしまいます。Googleサイトにも記載したように「古いバージョンのMPD」では設定を追加することによって外付けmicroSDにアクセスできるようになるので多くの音源がある場合はいまだにここに記載した方法がベストです。記載したように構築すればAndroidで豊富な音源を素晴らしい音でいつでもどこでも気軽に選曲して再生することができるようになります。電車などで移動中気軽にいい音で音楽と演奏を聴くにはこれがベストでしょう。

上記のごとくMPDは「デーモン」というバックグラウンドソフトウェアであるため音楽再生のコントロールにはMPDクライエントアプリが必要です。プレーヤーAndroid本体内にM.A.L.Pクライエントアプリをインストールします。MPDクライエントアプリにはいろいろありますが、M.A.L.P.が最もグラフィカルで画像調整が素早くて使いやすいようです。AndroidにもCantataアプリがあればいいのですが今のところ作られていません。

M.A.L.P.




設定

M.A.L.P.のホストアドレスには
127.0.0.1 または localhost
と入力します。上記のように音楽ライブラリーの所在指定が問題であり、設定を追加しないdefault状態だとメインストレージのMusicフォルダーにアクセスします。問題点はハイレゾやCDなどの音源はflacなど圧縮率の低いファイルであるためにメインストレージではすぐに容量が不足してしまうことです。そのため外付けmicroSDに容量の大きいものを使ってこれにアクセスしたいところですが新しいバージョンのMPDではセキュリティー問題のため追加した設定ファイルへのアクセスが難しいです。記載した古いバージョンのMPDアプリだと外付けファイルへのアクセスパスを記載した設定ファイルをメインストレージのトップに置けば解決したのですが、新しいバージョンだとセキュリティの関係で設定ファイルにアクセスできずMPDが稼働しません。仕方ないので新しいMPDを使う時はスマホのメインストレージに音楽ファイルを入れてアクセスして使い、本格的に音楽用として使う場合は古いバージョンのMPDをインストールして使います。



比較試聴

MPDと他の音楽再生用アプリケーションで音楽の再生音を比較しました。結果、一聴しただけでMPD>>音楽再生アプリでした。細かく述べるまでもない明瞭な差に感じます。試した限りにおいてどんな音楽再生アプリよりもMPD方が音がスッキリして伸びと艶と迫力があり、かかったヴェールが剥がされたような印象です。

次にAndroid機器で私が現在所有しているもののうちどれが一番いい音がするのかを検討しました。DP-X1は処分したので残念ながら使っていません。実際に試したのは日常的に使っているスマホOppo Reno 5A、音がいいからと以前購入したXperia ZX、かつてのメインスマホXperia Z5、そして安価なタブレットFireHD 8です。FireHD 8はそのままだとMPDを含めてAndroidアプリはインストールできませんのでこちらのサイトを参考になんとか解錠して使いました。ところがある日突然システムがアップデートされて使いにくくなってしまいました。なんとGoogleplayが使えなくなったのです。でもそんなことに負けておられません。なんとか工夫してMPDのインストールに成功しました。コントロールクライエントアプリM.A.L.P.も入りました。これで問題ありません。これらを使ってBluetoothヘッドホンを使って聴き比べました。

比較試聴の結果、これらの中で最も音がいいと感じたのは思いもよらぬ「FireHD 8」でした。一番安い機器なんですがなんと音はこれが一番上等です。Xperiaは思ったほど高音質ではありませんでした。この検討の際、Bluletoothコーデックがどうなっていたのか分かっていません。通常、最も高音質のコーデックで再生するようになっているらしいのですが。このあたり「Bluetoothとコーデック」について書き込んだ者としてはちょっと情けない限りです。ともかく、FireHD 8がこれらの中では最も音が良かったです。FireHD 8だと最新バージョンのMPDが有用に使えるので外付けmicroSDに保管した大量の音楽ファイルへの直接アクセスのみならずネットワークラジオもMPDで聴くことができます。ClassicFMもいい音で聴けました。

これら比較試聴の結果はBluetooth経由のみならず有線接続でも同じでした。ちなみにMacBook Air-Xubuntu CoreでBluetooth再生したものとこれを比較すれば、当然といえば当然ですがMacBook Air-Xubuntu Core/Minimal>>FireHD 8-Androidです。正直、勝負になりません。LinuxだとALSAシステムが最上位の音声コントローラーであるのに対してAndroidだと最上位のAAudioシステムをALSAなどのドライバーでコントロールするという2階、3階建構造になっていることが原因の一つかもしれません。

https://source.android.com/docs/core/audio/aaudio?hl=jaより


しかし携帯性などを考慮すればAndroid MPD再生は十分高音質で軽快に使えるといえます。



問題点

Android MPDにはいくつかの問題点があります。そのひとつが現時点(2023/6)においてAndroid MPDにはトーンコントロールがないことです。そもそも高級オーディオの世界ではトーンコントロール自体邪道です。必ず音質は劣化いたします。それでも音場を整えるのにはいいのかもしれません。ただしデジタルトーンコントロールは別です。それだと音質劣化はほぼありません。一般の音楽再生アプリのトーンコントロールはアナログレベルでのコントロールです。LinuxオーディオですとALSAレベルでデジタルコントロールソフトがあるので便利に使っていますが、それに相当するものが今のところAndroid MPDにはありません。

また先に述べましたように、たくさんの音楽ファイルを保管してアクセスすべく外付けmicroSDにアクセスできるのは古いバージョンのMPDです。新しいバージョンだとこれができません。古いバージョンのMPDではネットラジオを聴くことができません。新しいバージョンでは可能です。ところがところが、何故かFireHDですと新しいバージョンのMPDでも外付けmicroSDにアクセスすることができました。これはFireHD 8解錠と関係あるのかもしれません。検討した中ではFireHDの音が最もいいので、FireHDをAndroidに変更する勇気とちょっとだけ技術のある方はこれが最適かもしれません。最新バージョンのFireHDでは無理かもしれませんが。彼の会社はAndroidとして使用することを禁じるべくOSでさまざまな制限をかけてきています。実際、私のFireHD 8も使っている途中、勝手にアップグレードしてGoogleplayが使えなくなりました。それでもなんとかAndroid MPDやM.A.L.P.アプリなどはインストールできております。負けてませんよ。ナセバナルナニゴトモ。



結論

Android機器にMPDをインストールののち調整して使うと他のどんな音楽再生アプリよりも音がスッキリして伸びと艶とハリのある音が得られます。ヴェールが取り去られたように感じます。そしてその音は使用する機器によってかなり程度影響を受けますのでいろいろ試してみることです。Androidの音楽再生アプリとしては「MPDが最高」と私の感性は告げます。

2023/6/23




Premek HajekによるPixabayからの画像

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