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新次元のハイエンドオーディオをもっとも低価格で楽しむ方法

Pete LinforthによるPixabayからの画像

このサイトではLinux Audio関連のまとめ事項をおもうつくままかきつづっております。実は最近、SparkyLinux 6.7 on not so old MacBook Proにハマりまくっているところです。「Linux Audioノススメ」のタイトル写真にもありますように我が家ではオーディオ再生装置からのシグナルを強力なシステムでリクロックし、Chord Hugo2ーMark Levinon Control Amp-Mark Levinson Power AmpーVienna Acoustics T3スピーカーシステムを使って楽しんでおります。DACがすこしだけアンバランスですが、これで結構素晴らしい音場と迫力を楽しませてくれてきました。ところが最近、このSparkyLinuxのオーディオシステムに変えてからというもの、これまですでに聴いた音源のなかに毎日新たな発見をして感動する日々となっているのです。これまでとは全く別次元的に音楽を聴くのが楽しみでならない!という気持の日々です。しかしひろく皆様に「この感動」を味わっていただくことは現状では難しそうです。それはひとえにLinux Audioが広まっていないからです。皆様に広く認識されていないからに他なりません。
 どうすれば「この感動」を広く皆様方に味わっていただくことができるのだろうかと考えてまいりました。可能な限り簡単にしかも安くということで、デスクトップ環境でこれを再現できないかと試行錯誤してまいりました。そして今回ようやくそのシステムを作成することに成功いたしました。それをご紹介いたします。題して「デスクトップ環境でお手持ちの音源に全く別次元と言えるあらたな発見をさせてくれる、新次元のハイエンドオーディオを可能な限り低価格で仕上げる方法」ついてまとめました。

はじめに

最初にイントロダクションです。どうしてこの提唱するシステムに至ったのかと言うことなので、中身を早く読みたい方は次の項へ飛んでください。
 私がMark Levinsonを好きになったのは昔購入したLexus HS250hというハイブリッドカーに上のランクのカーオディオシステムをオプションでつけた時に始まります。それまで我が家ではLuxmanのセパレートアンプに今も現役のVienna Acoustics T3のスピーカーを接続し、「立派」なオーディオセットとして楽しんでおりました。ところが「たかがカーオディオ」のくせにMark Levinonから出る音楽が、聴いていてまことに面白ろかったんです。最初に感激したのはサキソフォンの巨匠John Coltraneの『Ballads』でした。音源はそれこそ単なる「mp3」です。

John Coltrane - Ballads

この曲をMark Levinsonカーオディオで聴きますと、「演奏者の意気込」みが感じられたのです。その瞬間こそが初めて感じる新しいオーディオの感動でした!聴いていて、演奏者が肩とお腹に力を入れて息を溜め込み、次の瞬間それを吐き音を出す、という心と体の動きが感じられたのです。それまでオーディオをいい音と思って聴いてきていた私ですが、こんな感覚は初めてでした。まさに演奏者の気迫とか気持ちが伝わってくるような気がしました。これは素晴らしい!すごく面白い!これがほんもののオーディオなのか!

オーディオシステムはMark Levinsonがいいぞ!という気持ちになってしまったのです。深みに入り込んだ瞬間です。この感動をネットの某高級オーディオショップの方にお伝えし、そのようなオーディオを聴かせるセットはないのでしょうか?と尋ねてみたところ、「それは勘違いでしょう。それは錯覚です」とあっさり切り捨てられてしまいました。そんなふうに言われてしまいましたが、やっぱりわたしは「演奏者の意気込み、息遣いや身体に力を入れる様子を感じ取ることのできるオーディオこそが本物のオーディオ」という気持ちでオーディオを追求してきました。そして最終的にここで紹介するページの作品(セット)に至るわけです。

オーディオショップの方にはそのように言われてしまったところですが、わたしはどうしてもその時の感動をわすれることができませんでした。でもそのカーオーディオでいいじゃないの?とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、我慢できないのが「オーディオという泥沼の世界」なんです。もっともっとそれを感じたい!と願ってしまうのです。
 ならばMark Levinsonを買い揃えればいいじゃん!と考え、同社のネットカタログを見てびっくり!目が飛び出ました。値段のゼロの数が違うんです。桁が違うんです!ええ?間違い?と見直しましたがやはりゼロがひとつふたつ多いんです。確かに製品としてはとても立派に見えます。しかしそれまでこれが高級オーディオ、と思っていた機器の10倍以上するものにはさすがに手が出せません‥。


まさにこれが『オーディオ沼』ってやつなんでしょう。「Mark Levinsonのカーオディオの感動」をどうしても忘れることができません。これが悲しいさが(性)。その上を求めいろいろ探りました。いろいろみておりますと、ちょっと古い製品でしたが手の届きそうなものがありました。最初に購入したのはコントロールプリアンプno38Lです。これは部屋の写真にあるようにいまも所有していて現役で活躍しています。定価62万円でした。これも結構高いです。これをスタートとしてMark Levinsonのシステムを新品や中古でなんとか揃えました。このシステムを使って聴きますと確かにわたしが求める「演奏者の意気込み」が伝わってきました。Mark Levinsonの音は「オーディオの音を聴く」といよりは「楽しい音楽を聴かせてくれる」ものです。生き生きとした躍動感を感じ、当初はそれで満足して楽しんでおりました。
 しかし残念ながらMark Levinsonのカーオーディオで初めて味わった感動を超えるような新たな感動は得られませんでした。「いい音で楽しい音楽」であることには違いありません。Luxmanなどとは別物です。でもこれではまだ欲求不満状態でした。

人の欲望は尽きません。もっと生き生きとした「生きた」オーディオを聴きたい!演奏者の息遣いや意気込みを感じられる、生演奏を聴いたときのような倍音のキラキラするような音、耳の奥をビビらせるような音を感じたい!と思うようになってしまいました。もしかするとMark Levinsonじゃなくて他のオーディオメーカーならそのようなものがあるかもしれないと思い、オーディオショップにいろいろ問い合わせてみたり、ショップに足を運んだりしたこともありましたが、やれ電源を変えろとか、ケーブルを変えろなどと細かい末梢ともいえるようなことばかり。本当にがっかりしました。
 自分で調べてみてイギリスのdCSとかいうメーカーというようなものがあるが‥などいろいろわかりましたが、どう逆立ちしても手が出せるようなものではありませんし、本当にそれで得られるのかどうかも不明です。会社を経営しておられてよほど裕福な方々が自前あるいは会社のお金で買えるようなものばかりだと思います。

実は前置き、オーディオ前歴としてもっともっとたくさん書きたいことがあるのですが、いい加減にしておきませんと本稿の主題に達するまでに皆様に嫌がられそうなのでやめておきます。ネット記事でも週刊誌の記事でも見出しに釣られて読み始めたら、「そもそも‥」にはじまる前置きばかりで中身は「これだけ?」と感じるのが少なくないですからね。でもわたしのは決してそうではありません。見出しの通りの内容をしっかりと作成しておりますのでどうぞご安心して先へお進みください。

では早速本論へ。

この記事の目的は、

演奏者の気持ち、意気込み、楽器へのタッチや息遣い、演奏に伴って思わず出てくる演奏者の唸り声や雑音、ちょっとステップを踏みかえたときの靴音や周りの環境音など、そういったものをしっかりとしっかりと聴き取ることのできる、まるで目の前で演奏者が本当に演奏しているかのような錯覚を覚えさせるような新次元のオーディオを、もっとも低価格で作製・作成する方法について記載することにあります。自画自賛して言うのは人として最低な所業ですが、敢えて申し上げさせていただけば、これはきっとdCSやブルメスターなどをはじめとした超超高級ハイエンドオーディオよりもさらに高い別次元とも言えるオーディオすなわち、Nさんの言葉を借りれば(私信)、「オーディオの概念をかえる」オーディオシステムだと信じて止みません。

準備するもの

1.2014年以降のIntel Mac
#MacBook ProであればRetina以降
#または2018年式などの新しいIntel Mac Mini
#その他、MacBook Airなど新しいIntel Mac
注意しなければならないのはT2セキュリティーMacです。T2ですとoption起動ができませんので、Command+rでリカバリーモードに入って、「外付けディスクからの起動」を許可する必要があります。

2.MacOSとしての機能を残しておきたいなら外付けSSD/HDDが必要となります。お手持ちの音源の容量にもよりますができれば500 GB〜1 TB程度のものがいいでしょう。当然ですがHDDであれば使用するケースのUSBは3.0以降が稼働性が安定していると思います。もちろん2.0でも使えます。Macの本体内SSDを使ってネットワークプレーヤー専用としたいなら思い切って全ての容量を使ってください。

3.Mark Levinson no5909

no5909

このシステムにはヘッドホンを使います。DDC、リクロッカー、DAC、Control Pre-Amp、Power Amp、しっかりとしたスピーカーなどを使うともっともっと素晴らしくなりますが、残念ながらとても高価です。もちろんそれらにMark Levinson以上のものを取り揃えることができる方はそれがいいのですが、この記事の趣旨は「低価格」でです。
 しかしここで「低価格」といいながら「Mark Levinsonのno5909とはいかがなものか」と言われてしまいそうです。が、これだけはさすがに譲ることができません。no59059、これでなければならないのです。なんと12万円もするのですが、でもここが最低ラインです。それ以上であればなんでもいいのかもしれませんが、わたしは知りませんし、おそらくno5905の方がいいと思っています。なんとしてもno5909を手に入れてください。

4.その他、インストーラー作成用のMacやUSBメモリーなど。

5.そして最後にもう一つ。
最後に最も大切で必要なことは「新次元の驚くべきオーディオが聴きたい」という気持ちです。これは「無料」ですが逆に「無量」かもしれません。無量大数です。やるぞ、やればできると言う気持ちです。ちなみにわたしがオークションサイトに出品しているものを使えば2,500〜16,000円くらいで簡単に手には入ります(宣伝‥)。それでもなお越えないといけない丘がありますが。


さて、以上揃ったものとして話を進めます。

話は、オプション起動のできるMacとして始めます。まずこちらにあるSparkyLinuxのホームページにアクセスしてください。

SparkyLinux Home

そしてこのページの上のバーにある「Download」を押さえます。するとダウンロードページへ行きます。

SparkyLinux Download

このなかから下の方の「Oldstable images」をクリックしますと次のページに行きます。

Oldstable Download Page

このページを下の方に繰ってゆきx86_64/amd64のところにある「MinimalGUI」の「ISO image」をクリックしますと目的のイメージファイルがダウンロードされますので保存してください。

86_64/amd64 MinimalGUI DL

保存し終わりましたらisoイメージファイルをbalenaEthcerを使って適切なUSB外付けディスクに焼き付けてください。イメージファイルのサイズは1.26GBあります。これでシステム作成に用いるSparkyLinuxのインストールディスクが出来上がりました。

そのディスクを一旦これを作成したMac本体から取り外します。SparkyLinuxのインストールに用いるディスクを決めておきます。使用するMac本体のSSDを用いるなら別のディスクは不要です。あるいは64GB程度のmicroUSBをアダプターを使っても作成することも可能ではあります。

まずMac本体の電源は落としておきます。MacのUSB差し込み口に準備したSparkyLinuxインストール用のディスクを差し込みます。そして「option」キーを押さたままでMacの電源を入れます。すると下記のような起動ディスク選択画面となります。

Mac option起動

ここで右側の外付けディスクを選択してエンターするとインストーラーが起動します。しばらくするとSparkyLinuxのデスクトップ画面となり、その左側にインストーラーアイコンが出てきます。それをダブルクリックしてSparkyLinuxのインストールを開始します。すると設定を聞いてきます。言語は日本語でも英語でも構いません。キーボードは通常JISでしょう。わたしが最初にインストールしたディスクでうまく最後まで完成したものがUSキーボードだったので、途中これをJISに変えようといろいろやったのですが、どうやってもうまくゆきませんでした。そのためわたしが今使っているシステムはUSキーボード設定となってしまっております。

インストールには1時間もかかりません。それが終わりましたら、こちらに記載したようにシステムをアップデートしてください。全て完了したらこちらの記載に従って必要なアプリをインストールします。それらには

mpd
mpc
audacious
cantata
alsa-tools
alsa-utils
xpad
refind
minidlna
upmdcli

などがあります。それぞれインストールします。upmpdcliのインストールはちょっと面倒です。SparkyLinuxのオリジナルであるDebian LInuxのupmpdcliのインストールをしっかり読んでおこなってください。結局、upmpdcliのホームページへゆく必要があり、SparkyLinux6.7のベースであるDebian 11 Bullseyeに準じてインストールします。これらを行って初めてmpdという素晴らしいオーディオ再生方式が使えるようになります。ですがこれで終わりではありません。ここからがある大変なんです。

BlueALSAインストール

問題はこのBlueALSAのインストールです。かく申し上げているわたしでもうまくゆくときとゆかない時があります。ちなみに今回、この記事を書くにあたってコンパイルインストールを試みましたが、今の所、Bluetoothで接続はできるのですが音が出ていません。そもそもこのBullseyeベースのSparkyLinuxにはBlueALSAは本来的には適応されておらず、そのためだと思います。そのため以前作成してうまくできたディスクをimgファイル化して保存し、それを起こして使っています。どうしてもうまくできないなら詳細なマニュアル付きのディスクをヤフオクのサイトで販売しておりますので是非ご利用ください。原価プラスほんのアルファ程度の価格設定としております。サポートも致します(とまた宣伝‥。)

ここで無理やりBlueALSAをインストールするのですが、その方法はこのnoteのサイトの「BlueALSAコンパイル作成法」とその追補版である「BlueALSAコンパイル法(追補版)」に全てまとめて記載しております。是非そちらをご覧になってBlueALSAのコンパイルインストールに挑戦してください。

どうしてもそんことできっこない、と言う方、あるいは今のわたしのようにやってみたんだけど音が出ないと言った方々のために、こちらのページではとっておきの裏技法、奥の手をお教えします。ネット販売ではありませんよ。

それは以下の通りです。

実は同じDebian BullseyeをベースにしたLinux亜型(派生)にはantiX Linuxというのがあって、それにはなんとBlueALSAのインストーラーがあるのです。Bullseyeベースなのにです。ただし、codecの対応はsbc / aac / ldacのみで、aptXシリーズはありません。しかし本稿の目的である「Mark Levinson no5909を素晴らしい音で聴く」のは「ldac」で良いわけですのでこれで必要十分とも言えます。このページをご覧の皆様にはこっそりお教えしましょう。
それはこのページ

bluez-alsa-utils_3.0.0-2.0antix1_amd64.deb

に今ならまだあるようです(2024/5/29現在)。これをダウンロードしてください。そして今インスール作成したSparkyLinuxのダウンロードフォルダーにコピーしてください。そのファイルを右クリックして「Copy Path」をクリックしてファイルへの経路をクリップボードにコピーします。次にターミナルを立ち上げて

sudo dpkg -i 今コピーしたPath内容

とすればインストールされます。ちなみにそれが終わったらターミナルに

bluealsa -h

と入力してみてください。そこでaacとかldacとかでていれば成功です。

うまくいったらこのサイトの「Bluetoothヘッドホンでハイエンドクラスのオーディオを BlueALSAのインストール」のページと「Bluetoothヘッドホンでハイエンドクラスのオーディオを BlueALSAのインストール(補足版)」を参考にして各種設定を行なってください。結構面倒です‥。無理って人はヤフオクでお会いしましょう。

全てインストールして設定し終わったら再起動します。そしていよいよハイエンドオーディオ再生のための最終ステップであるBlueALSAの稼働です。これについてもこちらのnoteのサイトの「BlueALSAコントロール法」に記載しております。


このシステムを使ってお気に入りの最新録音できればハイレゾを聴いてみてください。目の前にすっきりとした音場がパッと広がりませんか。透明感が極めて高い余韻の塊のような音場が。じっくり聴けばあるいはじっくり聴かなくてもきっとどこかに「あらたな」発見があるはずです。それは

今までのオーディオとは次元の違う新しいオーディオの世界

であることを感じさせることでしょう。

もちろんこのMark Levinson no5909を使わず、別の高級なLDAC対応のヘッドホンあるいは、すんなりとDDC / Reclocker / DAC / Control PreAmp / PowerAmp / 大型の優れたスピーカーを揃えてハイエンドオーディオシステムを構築して再生してももちろんいいのです。後者だとまたさらに次元をもう一つ超えたオーディオの世界を感じさせてくれるかもしれません。





Victor SalazarによるPixabayからの画像


2024/5/29

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