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会えていない時間こそ、どれだけ相手を真っ直ぐに想えるか【マチアプ③】

フジオカさんと出会ったのは、コロナウィルスが日本に広まり始めたころだった。感染症が蔓延している世の中で、見知らぬ人と会って話をするなんて、本当にリスクの高い危険な行動になってしまった。
(別の意味で、違うリスクが高い事は言わずもがな)
フジオカさんと知り合えていなかったら、私は積極的な出会いは控えていたに違いない。
優しい光(フジオカさん)に出会った前回の話はこちら


男性不信で捻くれた私と、素直で純粋なフジオカさん

成人した後の数年間で、恋愛において変な癖がついてしまっていた事をここで打ち明ける。

  • 〇〇時までにこの誘いの返事が来なかったら、その気がないと思って身を引こう

  • 〇〇日応答がなかったら別れよう

  • 仕事・寝不足・体調不良でデートをドタキャンされたら距離を取ろう

  • いきなり「電話してもいい?」ときたらそれは別れ話だ

  • 「ずっと一緒に居よう」と簡単に言ってくる人は「別れよう」も簡単に言ってくる

  • 言葉じゃなくて行動が一番信じられる

  • 未来の約束をしていたとしても、別れは突然やってくる

  • 話し合い や お互いの擦り合わせなんて幻想

特に「会えていない時間、どれだけ相手の事を想えるか」が大切だと思っていた。不安にさせない安心感というか。
無意識に、相手の行動で相手の心理を先読みして、自分が傷付かないようにしていた。まあ結局傷付くんだけれども。
それを繰り返していった結果が、この捻くれ女なわけだ。
一方で、フジオカさんは"学生時代から9年付き合っていた彼女がいた”というところから分かる通り、女性に対して凝り固まった変な価値観はなく、さりげないレディファーストや細やかな気遣いが出来る紳士だった。
フジオカさんは紳士すぎて、眩しかった。

沁みついてしまった変な癖で、私は心のどこかで"フジオカさんも、いつかは他の男性のようになってしまうんだろう”と思っていた。

やっぱりフジオカさんがいいと思った瞬間

フジオカさんとやり取りしていたその同時期に、もう一人会う約束をしていた人がいた。
約束の日まで時間がなく、今断るのも失礼かな・・フジオカさんとはどうなるかまだ分からないし、ちょっと冷静になろうかなと思った。
結論、その人との会話は終始楽しいと思えなかったし、意気投合もせず、きっと他のタイミングで出会ったとしても好意を抱かないだろうと確信していた。
帰り道にフジオカさんにとてつもなく会いたくなった。
いつもデート代を支払ってくれるフジオカさんに、何かお返ししよう。
その日の帰り道にプレゼントを探しに行った。

付き合っていない関係性で選ぶプレゼントは

うー-ん 全然閃かない。
お菓子は違うんだよな。金額も釣り合わないし、甘い物別に好きそうじゃないし・・・もっと日常で気軽に使ってもらえそうな・・・妙齢の男性は一体何が欲しいんだ・・・・難しいな・・・
百貨店のメンズフロアをウロウロして、3周してネクタイに決めた。
好みの色が分からなかったけど、フジオカさんに似合いそうなものを私の独断と偏見で選んだ。
父親以外の男性にネクタイをあげるのなんて初めてだ。
ありきたりじゃないかな?気に入ってくれるかな?
フジオカさんに会える日まで待ち遠しかった。

つづく。

次の話はこちら。


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