妊活TIPS 6.高度不妊治療をする際に知っておいたほうがいいこと

※妊活TIPSでは、高度不妊治療患者の私が思ったこと・感じたことを思ったそのまま勝手に書いています。
何の知識もない医療ド素人がド素人なりに不妊治療について悶々とする場です。
そういった不確かな情報を見たくない方は読まないでおいてください。


1.○ナ○ナなんかの排卵日予測アプリはあんまりあてにならなかったよ


こんなに色々書いてる私も、
はじめの方はかわいらしく?○ナ○ナアプリを使い、
「今日大事な日だから出して!」
などという可愛くないお誘いを夫にしておりました。
なんなら夫があまり頼りにならないので、シリンジなんかも使いこなしていました。
更にいうとAmazonで買うシリンジが高すぎることにムカついて、自分で作ろうと思って、
テルモのシリンジと経が合うシリコンチューブを買い、組み立てようとまで思っておりました。
(その前にタイミング法をあきらめたので用のないシリンジとチューブがいまも転がっている)

が、そんな日々になんの成果はなく、不妊治療に乗り出す日々のちょっと前、場違いにもお産専門の産科クリニックに乗り込んだ際、
排卵日予測は半月も前とアプリに表示されていてシリンジで励んだにも関わらず、
そちらの先生に
「あと2日ぐらいで排卵日だね〜」

と言われました。

私の場合はですが、婦人科の子宮エコーと併用して排卵日予測アプリを照らし合わせた結果、予測はあくまで予測であって、
実際には全然当たらないんだ、というのを目の当たりにしました。

妊活に励める時間はとても貴重なもので、
1年に12回しかありません。もっと短い人もいるかもです。
そうなると、その大事なチャンスを、
当たるかもしれないけど当たらないかもしれない不確かなアプリに賭けるのは危険すぎます。
あれ系のやつはすぐに本格的にしたいなら有料会員へ~と誘導してきますが、財テカー(造語・財テクをしている人)としては論外です。

もし排卵日予測アプリを使っていて、なかなかうまくいかないなという人は、いますぐスマホを投げ捨てて(言い過ぎました)、
いきなり高度不妊治療までやらなくていいので、せめて産婦人科のお医者さんにタイミングを見極めてもらったほうがいいです。

ちなみに排卵検査薬もiherbで箱買いしましたが、
見極めにコツがいるものの、こちらのほうがまだ役に立つと思います。
私は排卵検査薬と妊娠検査薬が箱に同封されたものを買いました。
ちゃんと使えます。
赤ちゃんはやはり箱で微笑んでいます。

https://iherb.co/WUCMAGyp

2.体外受精すればすぐうまくいくってもんじゃない


すみません、嫌なこと言ってますが…。
体外受精に進もうとしている時点で、すんなりと自然にはうまくいかなくなっているというわけで、
そもそも人の手が何重にも加わっていると、それだけ自然に体内で育てるはずの生き物が弱っていくことになります。

もしかしたら自然妊娠ならうまくいったかもしれない受精卵も、体外に取り出されると色々なダメージにさらされるので、本当に一握りの、生命力にあふれた卵しか、外で無事に育って、そしてお腹に戻されたあとにくっつかないんじゃないかと私は思います。

もちろん1回の移植でうまくいく人もたくさんだと思いますが、
それはそれで早く済んでラッキー☆と思えばいいので、
2回、3回、あるいはもっと移植回数が必要になると思っていたほうがいいです。
と、いうことは、その2回、3回、あるいはもっと多くの回数のための胚盤胞を獲得するには複数回の採卵を行わなければいけないかもしれないわけです。
時間だって、一年はあっという間に過ぎてしまいますね。
その苦痛、手間、費用、精神的負担を予想するとため息しか出てきません。
でも、何もしないまま手をこまねいて1年、2年…の歳月が過ぎてしまい、妊娠適齢期を浪費してしまうのも、それも怖いことです。

採卵というやつも、良質で生命力にあふれた卵が一度にたくさん採れて、その子たちが残ってくれたら、一回限りの採卵で済むのですが…。
移植してだめだと貴重な卵がどんどん減っていくので、繰り返し採卵を行わなければならないことも多いです。

3.妊活商法に気をつけて

何とは言えませんが、
SNS上の、エビデンスのない、うさんくさい妊活情報や宣伝が多くて、びっくりします。
それに多くのお金や時間を費やしてしまっている方が不妊治療体験談にはたくさん登場していました。
せめて、無害でストレス解消になっているならいいんです。
そして、それを使用者本人がわかっていて、割り切って使っているなら。
でも、どうも不妊の恐怖につけこんで、効果があるどころか、
それ不妊治療に役立つわけがない、みたいなものも紛れ込んでいそうなので、私はちょっと怖いと思います。

私と夫も、高度乏精子症をなんとかしたくて
百貨店の漢方薬ショップに行き、効果があるのかないのかよくわからない養命酒的なやつを買ってしまいました。
これの効果はあったのかもしれないですが、私たちの実感はゼロです。
ほぼ養命酒なのでそっちを買ったほうが安かったかと思っています。

うまくいかないと藁にもすがりたい気持ちになって、妊娠した人が
「これがよかった」
とおすすめしているものを買って試したくなる気持ちもわかります。
私だってそうです。
でも、そのサプリメント、本当に効果があるやつですか??
ほかと成分がかぶっていたりするんじゃ?
その東洋医学、高くないですか?
体力気力の底上げよりも、もっと見直さなくてはいけないなにかの要因があるのでは??

私は国が先進医療に入れているいくつかの検査も、そんなに信じていません。
欧州の不妊治療医学でははっきりと否定されているものも混じっているようです。
ここはガラパゴス日本、日本でしかやっていない優れた医療もあれば、海外では時代遅れになっている医療がまだ現役かもしれません。
選んで信じるのは患者である自分です。

効果があるなら全国どこのクリニックもやっているはずですが、
そういう先進医療は少ないです(アシステッドハッチング・ヒアルロン酸培養液ははっきりと効果が認められているので保険適用)。
先進医療の中でも、私の体に有用なものと、そうでもないものが混在しているのではと思っています。

あ、でも、健康的な食事と運動は万人に役立つのでやるべきだと思います。
しかしながら、私は運動は大嫌いです。

4.胚培養士は医師と並んでめちゃくちゃ大事なのだがどこがいいのかは調べようがない


卵を採り出すまでは医師の仕事ですが、
その取り出した卵を育ててくれるのは培養士の方々です。
もちろん培養に関しては何もわからない門外漢ですが、
自分が今まで戻してきた受精卵の様子とグレードとか数を見ると、
全然違ェ…ってなります。
例えば、A病院で採れた卵22個は、
B病院、あるいはC病院だったら、
残った胚盤胞2個よりはずっと多かったんじゃないかと思います。
同じ卵で比較することはできないので、
実感による勝手な推測です。
発信してくれている培養士の方の情報を見ると、繊細な技術と根気がいる、そしてめちゃくちゃ目と神経が疲れる、大変にセンスが出るお仕事なんじゃないかと忍ばれます。

そのへんは色々調べている方はすでにおわかりかと思うのですが、 
じゃあいい培養士がいる病院ってどこなのという話ですよね…
わかんないですよね…。

かつては東京都が出していた、クリニックごとの成績がその見極めに参考になりました。それを見ながらB病院を選んだのですが、もう公開は終わってしまったようです。
いまは不妊治療が保険適用になり、治療成績公開については国が行うようになったみたいです。
新聞に成績一覧表が載っていることもありましたが、そんなに見やすくなかったですね。

探してみたら、サプリメント企業が載せている、これがわかりやすかったです。
「妊娠数」でソートをかけると、規模的に納得のランキングが出てきます。


5.転院時に基本的に紹介状はいらない


いままで2回転院をしましたが、すべて紹介状はもらっていません。
転院先の病院から強く求められたこともありません。
いつも前の病院に不信感を抱きながら転院しているので、
余計な連絡や通院、紹介状作成費用が省けるだけでも、かなり負担感が違います。
転院先がはっきりと決まっていて希望が強ければ、
紹介状が必須かどうかの確認ぐらいはしたと思いますが、
その前に初診の予約が取れていることが多く、弾丸的に突撃しているので、
確認する暇がありませんでした。


そのかわり、初診時にいままでの治療歴をまとめた資料を持っていき、それを見てもらいながら医師に説明をしました。
資料は、自分用と医師用の二部用意していったほうがよかったです。

「基本的に」紹介状がいらない、と書いたのは、
今まで行った病院で、一つの病院が紹介状必須ぽかったからです。
C病院転院前の初診カウンセリングにだけ行ったところで、
医師ではなくカウンセラー?(どういう立場の人だったのかは不明、きれいで親切なお姉さんだったがそんなに詳しくなかった…)が初診前の説明をしてくれた病院です。
ここはこれを乗り越えなければ初診予約は入れられませんでした。
専門家じゃなさそうながら、麻酔の薬剤は何を使ってるのかのマニアックな質問をしたら、
一生懸命調べてくれて、「プロポフォール」と言われたので感動したなあ…
色々あってそこにはいかなかったんですが。
カウンセラーに紹介状が必要と言われたのもハードルが高くなって行かなかった一因でもあります。

しかし、素人考えながら、保険適用で移植の回数制限もあるから、
紹介状がないと過去何回やったのかわかんなくないか??
マイナンバー/健康保険証と医療データの連携がされているから、
今日日すべての医療履歴が載ってるから、回数ぐらいはわかるのかな??

6.初診時、大体院長は「うちなら大丈夫ですよ」と言う


いままで行った病院で、私の経験では初診担当と、これからの受け入れ決定?は100%院長先生でした。
そうでなくても、ある程度上のほうの医師が出てくるものじゃないのかな、と思います。
受け入れに責任が伴うから?それとも高額だった時代の名残…??

で、大体初診時に弱気なことは言われません。
よほどの治療経歴でない限り、たぶん
「うちならたぶん大丈夫」「比較的お若いからすぐですよ」
なんて優しい言葉もいただけます。

転院時は、
これで一気にうまくいくかもしれない!
いままでは相性が悪かっただけかも!

などと期待しながら行くものなので、
さらに初診で優しい言葉をかけられると一気に未来が開けたような、
明るい気持ちになれます。

もちろんそれでいいんです。
医療技術者は自身の技術を磨いて、身についていたならそれを誇るべきですし、
患者は医療技術者を信頼して、ついていくべきです。
暗い気持ちでは継続できるものもできないし、精神のもちようで、結果だって変わりますしね。

ただ、私のようにA病院からB病院に移った際、期待を持ちすぎると、
それが駄目だった時にすごくつらいんです…。
転院失敗の可能性があるなら、早めにその検討をしておくべきです。
自分と相性が悪いのに、無理やり進んでしまうとお互い不幸です。

あと、3つの病院に通ってみて、
自分に合わない病院は本当に合わない、古い病院は本当に古い、
いい病院は成績から通いやすさから、何から何まで違う、と感じました。

ここからは言い方が悪いですが、
ダメ病院はシステムからしてダメです。
細かいところで比べると、優れた病院の優れているゆえんがわかります。

でも、それは色々通った患者だから比べられます。
運営している側は他と比べることがないので、自分の治療がどうなのか判断することはできないはずです。
生殖医療は実施した医療の効果がはっきりと正確にはわかりません。
患者の生殖能力を後押しする医療技術なので、
成功の可否が患者の能力なのか、病院のおかげなのか、
個々のケースで判断することは不可能です。
でも、私が知る限り、不妊治療における、病院との相性は絶対にあります。

だから、「ここならうまくいく」「自分に合っている」
と過信しすぎるのは危険だな、と私は思いました。
自分事ではない、病院側が言うことも、話半分で聞いておいたほうがいいです。
常に背水の陣にはしないで、
「次ダメだったらこうしよう」
と対応策を考えて、リスクヘッジを取っておいたほうがよいです。

7.治療成績が悪いときは、私やあなたの体が悪いんじゃないと思ったほうがいい


6の関連です。
採卵とか移植の結果が思わしくなかったとき、
自分の体を責めたくなります。
「あのとき不摂生したからかな…」とか、
「〇〇すべきだったのに怠ったからだ…」とか、
「人として当たり前のこともできないなんて」とか、
色々な後悔と自責と先行きの暗さが一気に襲いかかってきます。

ひどい病院だと、卵のせいだとか、年齢のせいだとか、体質が悪いとか、
面と向かってはっきり言ってくるそうです。
可能性もある、などの示唆ならまだセーフですが、
わかりもしない、医学的に断定できないことを弱い立場の患者に言うのは、
嫌がらせです。医療ハラスメントですよ。

私は自分に問題があるという可能性があることは認めつつ、
それでもそれを乗り越える結果を出せないのは病院と、その医療技術の低さもあるせいだと考えるようにしています。

持病があって通院している方に、
「持病があるからうまくいかないんだ」と責める医療技術者がいますか?
その持病を治すために通院してるんでしょうが。

こと、採卵と、そのあとの培養については、卵の質と同等、もしくはそれ以上に、治療成績に直結するんじゃないかと思っています。
素人意見なので適切かどうかわかりませんが、
鶏の生卵を割るときに、中の白身も黄身を崩さないように、中身に触れないように、スピーディーかつ優しく、片手で割れる人と、
こぶしで握りしめて粉々に割ってしまう人と、
その技術は雲泥の差だと思います。
日常生活を送っていても、信じられないほど不器用な人と、
ものすごく繊細で細かい作業を、苦も無く速くできる器用な人がいると思います。
絶対の絶対に、培養士の腕は治療成績に直結します。
そして培養するものを採り出すまでは、医師の手腕にかかっています。

私とこれを読んでくれている方の体はポンコツではありません。
人類有史から受け継いできた、最先端エリート遺伝子の塊です。
そうでないと、2024年の今までのどこかで淘汰されてしまっているはずです。
たまたま生殖に向かない形質が出てしまっていて、それは2024年の医療技術でも克服困難なのかもしれませんが、
それは体質であってどうにもならないことです。
不妊治療がうまくいかなかったとしても、それは2024年の最先端知識にアプローチ・アップデートできてない医師のせいと、
腕が悪い培養士のせいも入ってます。

真面目に努力されている不妊治療業界の医療技術者の方々にはごめんなさい。
ただ、私はこう思っているので、100%自分の体質のせいにすることはできません。
悪しからず。


あなたとともに頑張ります。