妊活TIPS 8.プラノバールとエストラーナテープとウトロゲスタンとあとなんかその他大勢の色々な不妊治療で使われる薬剤と私

※妊活TIPSでは、高度不妊治療患者の私が思ったこと・感じたことを思ったそのまま勝手に書いています。
何の知識もない医療ド素人がド素人なりに不妊治療について悶々とする場です。
そういった不確かな情報を見たくない方は読まないでおいてください。



はじめに

熱があって初めて病院にかかってよし!
薬は市販薬NO!医師が処方した薬しか飲んじゃだめ!
という医療方針の母に育てられたため、
私はこれまで薬とは無縁でありました。
(ジベルばら色発疹発症時と水虫発症時を除く)

そんな私が初めて不妊治療クリニックの門を叩き、これまでの薬人生観が180度変わるぐらいしこたま色々飲んだので、今日はその思い出を語らせていただきます。

…いや、思い出どころか、まだまだ現在進行系のお付き合いかも。
順番はよく不妊治療体験記で聞く順です。
悪名順ともいう。

○プラノバール


諸先輩がブログなどに書く場合、
吐き気もしくは嘔吐体験とセットで登場する不気味な薬です。
A病院で2回目人工授精失敗判明時、
体外受精にステップアップを検討する旨を伝えた時に問答無用で処方されました。
「これね、気持ち悪くなっちゃうのよ〜…
酔い止め飲んでね!」
という看護師の不吉な一言とともに。

内容は強めのピル及び女性ホルモン。

このケースのように、
大体が、採卵前の生理までの間に、卵胞の育ちを均一にして質の良い卵を採れるようにするため、および生理開始日までの調整だそうです。

(しかしながら、2週間の服用で果たしてそんなに劇的な効果があるものか?
大体の医師も、絶対に飲まないとだめ!じゃなくて、
飲まないよりは飲んだほうがいっかな〜
みたいなノリだった。
そんな程度なら、吐き気ある人なんかは飲まなくてもいいじゃん…
おっとまた悪口が…)

欠点は、前述の通り人によっては猛烈な吐き気を催すこと。
そりゃもう吐く人はずっと吐いちゃうそうだ。

飼い犬と自家用車に同乗する家族旅行で、オエオエ吐きまくる兄につられてオエオエもらい吐きしていた私は嘔吐恐怖症の気があり、
ステップアップのときにある程度の痛みや辛いことへの覚悟はしていたものの、
吐き気なんて聞いてないよ!!
と涙目状態になりました。

見た目はごくごく小さい丸い錠剤で、そんなに凶悪な副作用が出そうには見えません。
いつも思うのだが、こんな小さい薬でホルモンを左右できて、しかも体に激烈な影響が出るってすごい。

さて、悪名高いプラノバールの私の副反応はといえば、こんなにあれこれ書いといてお恥ずかしいのだが、



あんまりなかった。



絶対に寝る直前に飲むようにしていたほか、酔い止め薬の
「センパア」と一緒に飲んでいたのが良かったのかもしれない。
ベッド脇には砂入りのエチケット袋まで用意したのだが。

まあよかった。

〇エストラーナテープ


エストラーナテープっちゅうのは、
E2と呼ばれるエストロゲン(女性ホルモンの一種)を体内で育てる際に頻出する小さくて丸い茶色いテープです。
なんと(というほどでもないか)湿布で有名な久光製薬が製造しています。

不妊治療で登場するのは、採卵が無事に終了し、どこかしらのステージかまで成長した凍結卵を、ホルモン補充周期で移植するための周期だと思います。
貼り始めの時期は医師に指定されると思いますが、だいたい生理開始〇日後だと思います。
2日は貼りっぱなしで、新しいものと交換していくので、風呂の時は気を使います。
さすが久光というべきか、使用感はテープそのもので、湿布より違和感がないぐらいです。薄くて丸くて、本当にシールという感じ。
なので、はじめこそ「こんなの貼るだけなら楽勝じゃん」と思います。

エストラーナテープ

貼る場所はへそ周辺の下腹部のどこかか、太ももか、お尻。
私の場合、大体一回目に貼る際は4枚を指定されました。
悲しいことですが、私にはいくらでも腹に貼るスペースがあるので、右おなか、左おなかと交互に貼っていました。

エストラーナテープは、初めはいいんです。シールを腹に貼るだけなので、簡単です。
どうして諸先輩方が頻繁にこれの名前を出すのか、最初はわかりませんでした。


こやつの副反応の真髄は………
かぶれ、またはかゆみです。


なにせ二日は貼りっぱなし、貼るのに失敗して折りジワができると、腹が動くたびにそれが皮膚を刺激してきます。
かゆい!でも掻いたらはがれてしまう!掻いてはならない!
一度剝がすと粘着力は戻りません。二日は取ることができませんので我慢してください。

A病院で処方された際、
「はがれちゃうから防水フィルムというものが売ってるからそれで抑えて!はがれちゃって新しいものに交換すると枚数が足りなくなっちゃうから、
そしたら来院してもらいますからね!」
と脅しのように言われ、
(言い方の問題だけど、来院してもらいますからね、じゃなくて、足りなくなったら来院したら追加購入できますからね♪と言ってくれればいいんでないか)
ビビりかつ通院回数一回でも減らしたいマンの私は、その足でマツ〇トキヨシにかけこんで、防水フィルムを買いました。
爪切りとか、サポーターとか、医療雑貨のコーナーにあったと思います。


こんな色々貼って大丈夫なのかな

こちらの防水フィルムをエストラーナテープの上から貼ると、
ややこころもとなかった薄いシールが完全に補強され、たとえかゆくて掻いたとしても、そんじょそこらでは剝がれてこない安心感があります。
お風呂に入ってごしごし洗っても大丈夫。
たとえ表層がはがれても、フィルムの端っこがちょっとはがれるだけです。

が、しかし。防水フィルムを貼ると、当たり前ですが蒸れます。
蒸れてさらに超かゆいです。
夏などは汗がにじみ出るので最悪です。
なおかつ、粘着力がアップし、範囲も広くなるので、2日に一回貼りかえる際、剥がしづらくなるうえに剥がした後に軽い炎症のようなものが起きました。

あとあとになってC病院で「エアウォール」なるものを紹介され、
こちらのほうが断然よかったです。
非常に薄くて、貼っている感覚がゼロです。
なおかつ剥がすときも、強力な抵抗感はありません。上位互換です。


さて、エストラーナテープは貼りはじめこそ4枚ですが、
徐々にその数が増えていきます。
排卵に向かって増えていくエストロゲンを模しているためでしょう。
4、4、5、5、8,4,4,4,4,4,4,4,…
数列ではありません。エストラーナテープを貼る枚数です。
ピーク時の8枚はなかなかですね。
いくら丸くて小さいテープだからって、物事には限度がありますよ。
私は貼る腹がいっぱいあるから大丈夫ですが、
世のスタイルのよい女性はさぞ貼るスペース確保が大変だと思います。
ちなみに、できるだけ同じ場所に貼り続けていくのはおすすめできません。
こまめに位置を変えて、貼る腹がいっぱいある私でも(しつこい)、
最後のほうはかぶれるまではいかないまでも、テープの跡がついていきます。そしてかゆくなります。
同じ場所に貼り続けていくと間違いなくかぶれますので、
場所を変えてしっかり洗って粘着を落として、保湿をしてください。

防水フィルムについて熱く語った後ですが、最終的に私はかゆくなってきたので、エストラーナテープの粘着を信じて、防水フィルムは貼らなくなりました。
体質とか生活習慣とかによるかもですが、お風呂の時さえ気を付ければ、
エストラーナテープ単独でも十分二日は持ちました。

〇ルテウムとウトロゲスタンとワンクリノン


名前は迫力ありますが、中身はすべて黄体ホルモンです。
これまた移植の時に登場します。
エストラーナテープを補充してからの、排卵日後に出る黄体ホルモンの再現ですね。

なぜこれをしなくちゃならないかの理論は完全に理解しているんですが、
それでも気が進まないのは、
入れるときにも抵抗あるし、それにもまして入れた後の不快感がすさまじいから。

・ルテウム


これまでも書いておりますが、私はルテウムで黄体ホルモン補充デビューしました。
正式名称はルテウム膣用坐剤です。
ルテウムは白くてロケット型をしており、銀色のフィルムに入っているので、自分で剥いて出します。
なぜか先が尖っていて危ないので、自分で手のひらでクレヨンのようにこすって、体温で溶かします。脂なので簡単に溶けていきます。
この、脂で基材ができているところが非常に厄介で、
こいつは冷蔵庫保存必須です。大事なので太字にしました。

私は冬の移植だったから事なきを得ましたが、持って帰るだけでも溶ける季節の時は、保冷バッグは必須と思われます。
黄体ホルモンは薬剤によって一日何錠使うか変わるのですが、
ルテウムが一日2回でいいのは不幸中の幸いです。
朝起きてから家で、帰ってから家で、ができる。

これが3回であったら、職場の冷蔵庫に入れざるを得ず、(そもそも職場に冷蔵庫がない人もいると思います。無理ゲー)
お弁当を出そうとした人に見つかって
「これなーに??」とランチの話題のネタになることうけあいです。
そういう不幸な目に遭いそうな人は、せめて開けづらそうな袋とかに隠すといいかも。

さて話をもどして、先のとがっている部分を溶かして丸くしたら、いよいよ挿入します。
エッチな小説を書いてる訳でもないのに挿入って書くのって妙な気分ですね。
寝転んだ姿勢でも、座ってもしゃがんでも立ったままでも、入れやすければなんでもいいのですが、
私は片足を椅子かなんかの上にのっけて、体を前傾にして中指で押し込んで入れるのが好きです(何の宣言なんだ)。
この姿勢に慣れておけば、職場のトイレでも便器に片足を載せれば同じ態勢になれますのでおすすめ。
なにせ一日3回挿入が必要なブツも控えてるんでね…。

ルテウムはちょっと細めで前述の通りすぐ溶けていくので、姿勢がうまくいって、大事なところの入り口さえうまく通れば、あとは簡単です。
勝手に飲み込まれていく感さえあります。
冷蔵庫必須という厄介な特性があるだけあって、体になじんでいくのはすぐで、入れたのにぺろんと出てきちゃうこともありません。
30分の安静が必要で、あんまり動き回るなと説明されますが、
そんな時間はないので朝の身支度ぐらいはしていましたが、トイレにさえ行かなければ私は大丈夫でした。

入れるときはそんなに問題ありません。慣れたら一瞬で入れられます。
ルテウムが恐ろしいところは、かなりの量の脂が、股から長時間にわたって出続けることです。
この出てくる脂について、病院はおりものと言っていますが、私は断じてこんなべたべたした脂っぽいおりものを生成した覚えはありませんので、
どろっとしたやつは完全に基材の脂だと言い切ります。
そのポリシーがあるので脂と言い続けます。

あまりに下着がべたべたして濡れていたので何かと思いましたが、
どんなに洗って吸収力のよいナプキンを当てていたとしても、ルテウムを入れている限り、ほぼ一日中脂が股間に染み出ていることになります。
脂は液状のものなので、脚を動かすたびに広がっていき、
最終的には尻の穴周辺にまで到達していました。
ここは風通しも悪く、菌が繁殖しやすい場所なので、免疫高い系女子の私でさえ、とうとう膣~尻周辺がすべてひりひり痛痒くなり、
その耐えがたいかゆみは日を追うごとに増していきました。
人前で掻くことなどできない場所、掻いてしまって傷ができて痛みもある、
こすれるたびに刺激が起こる…。
ものすごい不快感でした。

以前の記事でも書きましたが、そんな私を救ったのはシンクロフィットです。
生理の時にもこれ一枚つけているだけで不快じゃなくなるので、ぜひ。
トイレに流せるなんていう画期的な商品、どうして今までなかったんだろう。



・ウトロゲスタン

私のイメージ的にはルテウムの子分がウトロゲスタンです。
形は卵型でちょっと黄色味があって、ルテウムと違って冷蔵庫に入れてなくても溶けないのがいいところ。常温保存可。
が、一日3回入れなくてはいけないので、回数が多くて煩わしいのと、
常温保存可なだけあって、体ですぐに溶けていかず、入れ込みが浅いと出てきちゃいます。
あと、単純に入れづらい。
卵型…見た目はいいんだけど、もうちょい入れやすい形なかったか?
棒状じゃだめだったの?
これもまた脂の基材が溶け出てくるのでシンクロフィット必須ですが、
ルテウムよりは量がましだったと思います。
ルテウムでかゆみ地獄を味わったのち、シンクロフィットを知ってしまったので、あまり基材でぎゃあぎゃあ言う段階を過ぎてしまった。

・ワンクリノン

どうせ黄体ホルモンなんてどれも一緒で、必要なのはわかってるけど不快感MAXなんでしょと世を拗ねていた私の前にさっそうと現れたのがワンクリノンです。
不妊治療専門医師の間で評判が高いのか低いのかわかりませんが(あまりよくは言われてない印象)、
患者の私としてはこれが一番不快感なく、快適に入れられるし挿入後も不具合がないので、ナンバーワンです。
中から出てくるものも少ないので、シンクロフィットは途中でなしでもいいか、になりました。

ワンクリノンは正式名称はワンクリノン膣用ゲルです。
わかりますか、他と違ってゲルと名前がついているんですよ!
基材が脂ではなくて、よくわからないけどジェルっぽい何かなようです。
あと、アプリケーター付きというのが特徴でして、
なにか電動っぽい発射器具でもついてるのかな?とか思いましたが
もっと原始的な棒っぽい何かでした!

棒がついてる


アプリケーターという大層なオプションに最初はわくわくしましたが、
出てきたのがこれだったのでちょっとがっかりしました。
ただのプラスチックの棒的な何かだし…。
が!が!
先っぽの丸い部分を指でねじ切って、棒の部分を股に挿入して四角いところを指で押すんですが、
これはなかなかどうして入れやすいです。
出てくる卵でおなじみのウトロゲスタンの10倍、入れて維持するのが簡単。
慣れないうちは挿入にビビっていましたが、指より細いので簡単です。
難点は四角くなっている部分にバリがあって、皮膚とか毛とかにひっかかると痛いところですが、脂の不快感と比べたら何ほどもありません。

こちらは一日一本でよく、それも気楽な点です。
常温保存可能で、安静はいらず、むしろ膣内に広げるために多少動くことを推奨しています。
出てくる基材は、脂と違ってもろもろしている、より固形に近い何かで、
トイレで出てきたり下着に出ていたりすると、ぎょっとはします。
でも回数も量も少なめ。
シンクロフィットがなくても肌に悪影響ないや!と確信できたぐらいです。

黄体ホルモンの容量的には、不妊治療としては頼りない数値らしいですが、それでも3つ試した中ではこれが一番ましでした。

まとめ

本当はもっと色々注射とか飲み薬とかたくさん思い出はあるんですが、
多すぎて語り切れませんでした。
かなり絞って思い出深いものについてだけ書いても、いま6000字ですからね。
仕事後なのでそんなに書く気力はあんまりなかったんだよパトラッシュ。
(ああでも注射について、ゴナールエフ皮下注ペン、略してヒカチューだけは、神的に自己注射が全然痛くなく簡便にできる、医療技術の粋だとだけ書き残しておきます…)

黄体ホルモンについては色々書きましたし、お医者さんブログとかでも色々書かれてますが、
もうね、何が正解かはわからないのと、選ばせてくれる一部のお医者さん以外は選ぶことなんてできないので、
どれを出されてもやるっきゃない!の精神でやるっきゃないです。
ルテウムの夏の溶けにだけ注意。
あとホルモン補充周期移植は、黄体ホルモンを入れる開始時間が厳密に決まっているはずなので、アラームだけはセットしておいたほうがよいです。
グーグルカレンダーを使いこなせるとよいのかも。






あなたとともに頑張ります。