妊活記録9.内科受診とか着床障害検査

地獄の採卵から何日かたったが、私は抜け殻のようになっていた。
それまではできるまで淡々と病院に通うさ!負けない!
みたいな前向きさで頑張っていたのだが、もう頑張れる気がしない。
1/3ぐらいはもう不妊治療やめちゃってずっと二人で生きていこうかな…などと思っていて、2/3はよさげな転院先が見つかるまでは二度と採卵やらねぇ…と思っていた。
つまりもう、B病院で頑張る路線はなくなっていた。
夫や事情を知る人からは
「そんなに難しい場所に卵ができちゃう体質なら、これからずっと院長にやってもらえる約束してもらえば?」
と言われたが、不妊治療クリニックでそれが許されるなら、通ってる患者全員が希望するだろうから、たぶん頼んでも無駄だな、と思った。何よりもうB病院に通うのは私が無理だった。

話はさかのぼるが、5月ごろの移植陰性がわかったあと、採卵予定の卵がどうであれ、3回移植が不成功だった実績があるので、私は何かしらの検査をする必要があるのではと思っていた。
夫の高度乏精子症のせいでややこができないと思っていたが、着床寸前の卵が移植されてすぐ死ぬのは、胚に着床能力が偶然3つともなかったか、私側に何か原因があったか、それともその全部なのか、調べないとまた失敗するだけだ。
そんなわけで、転院先を見つけるとか、採卵どうしようとかはひとまず置いておいて、私は
①糖代謝異常 ②着床障害検査
の2つを調べに行くことにした。

①糖代謝異常(内科)
まず①については、採卵前に行ったA病院の血液検査で
血糖値が基準値109のところが110、
インスリン18.7までのところを57.7
HOMA-R 基準値1.6のところを15.7
という結果が出て、メトグルコ(インスリンの働きをよくする薬)を処方されたいきさつがあり、不妊治療とは関係なく、自分の健康問題として、内科にかからないといけないなと思っていた。
あと、もしもA病院採卵時にメトグルコを飲んでいたことでよい結果が出ているのなら、改めて処方してほしい。

で、不妊治療病院と違って、地域のクリニックはすぐに予約が取れて、血液検査になって、一週間後に結果が出たということで、スピーディーに話がすすんだ。
早口かつ母音がはっきりしないドクターが言うことにゃ

●確かにインスリン抵抗性が高いかも
●これで血糖値が高ければすぐ治療にということになるが、血糖値は基準内なので何とも言えない
●GAD抗体があるのであなたは1型糖尿病の気があるといえる
●うちではなんともいえないし、不妊治療中ということなら薬も出しづらい。内分泌内科があるところの判断を聞きたいですね(3回ぐらい言われた)=うちでは治療ができない
●インスリン抵抗性については二次的な指標だからいったん忘れてもいいかもしれない。
●膵臓が頑張ってるので血糖値が基準値内になっている。その負担を減らしたほうがいいと思うが、専門じゃないのでなんともいえない。

とのことだった。
この中で特筆すべきはGAD抗体で、陽性が出ると緩徐進行型1型糖尿病患者と診断されるらしい。
2型糖尿病であれば生活習慣で改善できるのだが、1型糖尿病は生まれつきの自己免疫疾患体質で、インスリンを出して血糖値を下げてくれるすい臓のβ細胞が自己破壊されていってしまうらしい。
まだすい臓が頑張ってるから血糖値は高くないが、いずれはこの数値が高くなって自己破壊がすすみ、そうなったら自分でインスリンを作れなくなるので、インスリン注射が必要となる。
ええっ不妊治療どころじゃないじゃん…。

そのあと、地域でもうすこし大きめの総合病院で専門中の専門の先生にもかかってみたが、おおむね先の病院で言われたことに同意で、血糖値が一応基準値なのでどうともできないが、もうすこし瘦せたほうがいい、と何かしらの薬の処方をしてくれた。

と、いうわけで私の糖代謝異常が発覚した。
もうなんか不妊治療というより、自分の体の将来が心配。
不妊原因の一つに内分泌異常というものがあり、たぶんこれに当てはまる。
どこぞで低血糖の方が不妊治療に難航しているブログを見たことがあり、私はその逆だが、おそらく血糖値は上過ぎても下過ぎてもだめなのだろう。
肥満が不妊に原因あるかどうかという調べ方をすると、着床に直接影響するかというよりかは、排卵に問題が生じると書いてあることが多い。
着床については、「影響があるのではないかと言われている」程度のふわっとした言い方しか解説者がしていない。
排卵には問題ないし、卵もちゃんと育つけど、私の体のどこかが生殖どころじゃないって叫んでるのかな…。

②着床障害検査(不育症専門クリニック)
詳しい人はすぐにピンとくるだろうが、横浜にある専門病院にも行ってみた。
こちらの厳密な血液検査を受けるためには、ホルモンに影響する薬を1週間以上飲んでおらず、かつ生理後のリセットされたわずかな間しか許されないので、針の目のようなスケジュールをかいくぐって、キャンセル空きを狙って電話しまくった。

こちらの検査は調べた通り痛いこともなく、いやだと思うことは何一つなく、スタッフの方も全員が全員優しい方ばかりで、ささくれた心が癒された。

後日、結果発表。

・引っかかってるところがあった
・検査した人が一番引っかかる割合が多い、血液凝固系のものが陽性
・この性質があると、着床しにくく、流産しやすい
・こちらで処方される薬を移植周期の生理後5日目から飲めば大丈夫

だ、そうだ。処方薬は小さい。
こんなので本当に着床しやすくなるのか…。(半信半疑)

自分なりに結果をまとめてみると、
私が引っかかったのは、ループスACのリン脂質中和法の、SCT比が1.16以下のところを1.18。
抗核抗体が40未満であってほしいところが40.
凝固因子活性12が60-150あってほしいところが53.これが低いみたいだ。
それで、抗第12因子抗体が±。マイナスであってほしいところ。
だから、高く出てほしいところ(凝固因子活性12は60からが正常値だそうだ)が低くて、低くあってほしいところがわずかに高いということで、これは血栓を作って胎盤の血管新生をつくるところを阻害するから、着床しにくく流産しやすいということらしい。
わかるようなわからないような…。

こういった抗体の問題がクリアできても、正常胚じゃないと育たないんだから、うまくいくまで一体何回トライすればいいんだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?