イラン・ペルシア古典音楽をきく
パルです。
友人に誘われ、イラン・ペルシア古典音楽の生演奏をききに出かけました。
最寄りの駅は昔は遊園地のあった場所。今その場所はハリー・ポッター映画のスタジオが再現されているのでハロウィンも近いせいか、仮装したお子様方がわんさかおいでです。
楽しそう!
私達がめざすのはけやきの森の季楽堂です。
風情のある建物です。
今回、演奏してくださるのは日本の音楽大学を卒業後、イラン国立テヘラン大学大学院芸術学部で学ばれた岩崎和音さんとアメリカのバークリー音楽大学でイランの打楽器と出会った蔡怜雄(さい れお)さんです。
岩崎さんが演奏する楽器はサントゥール。
パンフレットによると、『サントゥールは主にクルミの木で作られる打弦楽器。台形の表面には72本もの金属弦が張られ、2本の細い撥(ばち)で叩く。
イランにおける言説によると、紀元前7世紀の古代メソポタミア遺跡のレリーフに最古の資料が見出されるとされる』ということです。
メソポタミア文明時代から親しまれた楽器なんですね。文化に音楽は欠かせません!
一方の蔡さんはトンバクとダフという2種類の楽器を使います。
トンバクは『ゴブレット型の打楽器。語源学者によると、イスラームが伝わる以前の時代においてすでに「ドンバラグ」と呼ばれていた。現代では「トンバク」と呼ばれるが、その由来は太鼓をたたく音「トン」と「バク」という2種類のオノマトペから成るといわれる』
もう一つの楽器はダフといいまして、タンバリンに似ています。
ダフは木枠に山羊の皮を貼ってできているようです。
薄暗い中に小さなロウロク型の明かりが足元にあり、吹き抜けの天井を照らします。
はじめ岩崎さんが、続いて蔡さんが登場され、50人ほどの聴衆から拍手が沸き起こります。
音楽は、幻想的で…私と友人は最前列に陣取り、じっくりと聴いた、つもりでしたが、近くで演奏していた蔡さんが終始目をつむり、長い美しい指でトンバクやダフで演奏しているのをみると、だんだん催眠術にかかったような気持ちになります。
日本のお能もそうですが、古典的な音楽はどうも異世界に誘うような作用があるのではないでしょうか。
宴の中、男が酔う様を描いたという曲など、むかしむかし本当にそんなことがあったでしょうね。
アンコールに岩崎さんの恩師の作った曲を演奏してくれました。
1時間半の演奏は半ば夢うつつの中、終わりました。
お二人とも気軽に写真撮影に応じてくださいました。広い年代の老若男女が集まり、楽しいひとときでした。
演奏会の2日前の10月26日、日本はイスラエルがイランを攻撃したことを受けイランへの渡航危険レベルを3に引き上げ、国民にイランへの渡航計画の中止とイランからの早急な出国を呼びかけました。
イランは大きな国です。イスラエルとお互い力を制御しながらの攻撃の応酬となったようです。
すでに第三次世界大戦は起きているという人もいますが、歴史の新しい国にも、古い国にも平和を望む人は大勢いるはずです。
どうか争いの火が小さくなっていくよう、祈ります。
ここまでお読みくださり
ありがとうございました🍑