
生活王。
「私は、このままで、いいんですか?」
私は、ドクターに聞いた。
ドクターは、答えた。
「あなたは、そのままで、いいんです。ベストを尽くしてるんだから。一朗さんは、いつも何か不満足そうですが、今日も、いつもと変わりません。だから、お薬もいつも通り出しておきましょう。また来週、来てください。」
確かに、私は、いつも何か足りない気がして、何か良くしようとして、いつも、考えていた。そんな私に、ドクターは「そのままで、いい」と言った。
「不満足で、いい」という事なのか?
大海原に、航海に出たばかりで、陸地の見えない中、「まずは、遭難という事になるな」と、さわやかに言ってのけたルフィの状況のような気がした。ただ違うのは、行く先のわからない状況を受け入れているルフィと、行く先のわからない状況に、どうしたらいいかわからない私の違いだけだった。
いや違う。ルフィは「海賊王になる」という目標があって、そこに至る道筋が見えていないのだ。私には目標がない。なので、そこに至る道筋も当然、ない。
ここまで、書いて、「いや、それも違うぞ」と、気づいた。
私には、「普通になる」という目標があった。今は、それも、なんだか、息苦しいし、具体性に欠ける。もう少し丁寧に言うなら、
「生活王に、俺は、なる!」
これ、いいんじゃないか?あくまで、他者から見て、どうこうではなく、自分の中で、一歩一歩、生活王に向かって、歩いていこう。なんだか、楽しそうだし、自分で、○だの×だのつけられるのがいい。いや、×はつけなくていい。出来たことに注目して、加点方式で、行こうじゃないか。これは、弟から教わった。弟、ありがとう。
ちなみに、生活が、地面の上の一段目としたら、睡眠は、その下に大きく、深く、根を張っている。21時に消灯して6時に起床する。その間は眠る。今、大体できているから、まぁ、よしとしよう。
で、その上の生活を、一つ、一つ、改善していく。
今、午後1時。自宅からバスで10分ほどのファミレスにいる。帰宅して、部屋の片づけや、洗濯をして、時間があれば、さらに作戦を練ろう。もちろん、遊び、仕事、休息、人間関係など、人生に大切なことは生活だけではない。けれど、それらは、目の端に入れつつ、当面、生活に、力を注ごう。それらは、生活が土台のはずだから。
最後にもう一度。
生活王に俺はなる!
ありがとうございました。