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仕事が早い≠仕事ができる
こんにちは。
診療放射線技師のだーはらです。
今回は、仕事に関するお話です。
皆さんの職場に、多くのスタッフから仕事ができると信頼されている人はいますか?
今回は、信頼される仕事が出来るようになるために必要なステップを紹介したいと思います。
仕事が出来る人になりたいと思うけど、何から始めたらよいかわからない人、仕事に慣れてきて、これからステップアップしていきたい人、部下ができたけどどう指導するべきか悩んでる人など、最後まで読んでいただいて、少しでも参考になれば嬉しいです。
QCとスループット
今回は、QCとスループットという言葉を使って、紹介していきます。
QCとはQuality Controlの略で主に工場などで行われる品質改善に関する活動のことを指します。
スループットは、IT用語でネットワーク機器が単位時間あたりに処理できるデータ量を指します。
これらの用語を医療に当てはめていきます。
QC(Quality Control)
品質改善という言葉の指す通り、仕事の質を向上させることが主な目的となります。
診療放射線技師という職業では、商品にあたるのは画像ということになります。
新人の頃は、まず教科書通りの撮影ができるようになることが目標となります。
教科書通りの撮影がある程度できるようになったら、検査の目的や患者さんの状態に合わせて検査できるようにステップアップしていきます。
QCと似たような言葉で、QA(Quality Assurance)という言葉があります。
QAは品質保証というもので、受け取り手の満足を保証するものです。
診療放射線技師という職業では、医師に対する品質保証となります。
医師が求める画像は教科書に準じた画像となるため、さまざまな状況下で教科書像に近い画像を撮影するための工夫が、基本的なQCとなります。
しっかりQCを意識して業務を行う事が、信頼度を上げる第一歩です。
スループット
近年、医療に関してもスループットという言葉が使われるようになりました。
診療放射線技師に関しても、装置の更新により機能が向上した際に、必ず求められるのがスループットの向上です。
この場合のスループットとは“単位時間あたりの検査の数“になります。
CT検査やMR検査は、基本的に検査枠によって管理されているため、単純に検査枠を増やして検査数を増やすことがスループットの向上となります。
一般撮影においても、作業の効率化や経験による判断速度や処理速度の高速化によりスループットを向上させることができます。
QCとスループットの両立
業務が増えて忙しくなってくると、スループットに気を取られてQCが疎かになりがちです。
逆に、QCに気を取られるあまり一つの業務にこだわり、スループットを大幅に下げてしまうこともあります。
この二つを両立させるために必要なトレーニングがあります。
それは“QCを意識しつつ最大限の速度で業務を行う“ということです。
慣れとともに仕事の速度は上がりますが、スピードだけを求めてはQCが疎かになり、雑な仕事になってしまいます。
QCを意識した上での最大限の速度で業務を行う。
それは、今ある業務の量に関わらず行ってください。
特に目の前の業務が少ない時、ついついペースを落としてしまいがちになります。
そんな時は、最大限の速度で業務を済ませてから、空いた時間をスループットを上げるためにどんな事を効率化できるか、改善できるかを考える時間に当ててください。
必ず成長速度に差がつきます。
QCを意識しながら速度を上げるのは、一気に成果が出るものではありません。
しかし、同じ質の業務を行ったとして、作業速度が1ヶ月前・一年前の自分と同じでは成長がありません。
雑にならないように必ずQCを意識する。その上で最大限の速度で業務を行う癖をつける事で、あなたの仕事は必ず効率化され、スループットは自然に向上していきます。
そうなれば、業務量が増えたとしても、QCを意識しながら余裕を持って業務に臨めるはずです。
"まずはQCを意識した上で、最大限の速度でスループットの向上させる。"
それが最適なバランスだと思います。
その創意工夫は相手に届いていますか?
QCを意識して、組織としても会社としても、さまざまな創意工夫を行なっている方が多いと思います。
創意工夫は人それぞれですが、あくまで"相手が求めているもの"を前提に行われるべきであると私は考えています。
受け手とコミュニケーションをとる
自分が行った創意工夫に関しては、なるべく受け手の評価を確認するようにしましょう。
スループットを下げてまで行った創意工夫が、相手にとって必要であるかは自分では分かりません。
毎回とは言いませんが、定期的に受け手とコミュニケーションをとり、自分の創意工夫が伝わっているのか、どのような考えで工夫したのかなど、情報提供を行い、評価を受ける事で、相手が必要としている工夫を知る事ができ、あなたの思いを伝える事で、あなたの信頼が高まる事もあります。
相手が何を必要としているか、自分の仕事がどう評価されているか、それを知る事が創意工夫をする上で重要な事だと思います。
時間を守る
仕事をする上で、納期を守るというのはどの業界においても重要な項目にして最低限のルールとなっています。
結果として完璧な品質が仕上がったとしても、納期に間に合わなければその仕事に対する評価は最低ランクです。
特に医療の分野では、少しの遅れが生命に直結する可能性があるため、創意工夫のために遅れが出てしまっては本末転倒です。
常に時間から遅れていたら、いかなる創意工夫も評価の対象になりません。
まずは時間を守る。その上で余裕があれば創意工夫を加える。
前章で紹介したように、常に最大限の速度で業務をする癖がついていれば、創意工夫に使う時間を確保する事が出来るようになります。
相手からの信頼を得るためにも、時間を守ることに努めましょう。
最後に
今回は、QC・スループットという言葉を使って信頼される仕事に関して解説しました。
どんなに仕事が早くても、速度だけでは信頼を得る事ができません。
常に仕事の質を向上させる事を心がけ、その上で速度を上げていく事で、あなたの仕事への信頼が高まっていきます。
信頼は一つの大きな仕事で生まれるものではなく、一つ一つの積み重ねで、いつのまにか出来ているものです。
あなたが有用だと思った事、相手が求めているもの、コミュニケーションをとりながら共有していきましょう。
時間はしっかり守りましょう。
積み重ねた努力が、未来のあなたを作ります。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
質問があれば、お気軽にコメントください。